天然ガスとは?成分や埋蔵量、デメリットについて

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天然ガス

発電する設備としては、従来は火力発電・水力発電・原子力発電とこれらが主力であり、またクリーンなエネルギーとして風力発電や太陽光発電が注目されています。
発電のためのエネルギーとしては天然ガスやダムの水やウランやプルトニウムなどがあります。

原子力発電は少しのウランやプルトニウムで大量に発電が出来ますが、その代わりに放射能という危険性があります。
天然ガスはずっと以前から注目されている発電用エネルギーで、主に火力発電に使われているエネルギーです。
今一度天然ガスは発電用エネルギーとして有望なのかどうかを確認してみませんか?
そして今後のエネルギー事情はどうなっていくのでしょうか?

天然ガスとは?

“ガスコンロ”

天然ガスはメタンを中心とした成分で構成されている無色透明の可燃性ガスです。
とてもクリーンなエネルギーであり、不純物や硫黄分を含まないために、燃やしても硫黄酸化物やススは発生しません。
二酸化炭素の発生量は石油より30%前後少ないのが特徴です。
自然発火温度も高いために、利用すると自然発火の危険も少なく安全です。

天然ガスの運搬方法

現在は日本で発掘はほとんどされていないために、世界各地から輸入しています。
天然ガスは-162度で液体になり、輸入するときは専門の設備でまず冷やして液化し、その後船に冷やしたまま入れて、日本まで運びます。
日本に着いても、天然ガスはそのまま冷やして液体化し、使うときに温めて気体にして使います。

天然ガス7種類を解説!

“ガスの種類”

天然ガスには在来型ガスと被在来型ガスがあります。
在来型ガスは油田やガス田から生産される天然ガスであり、在来型ガス以外の場所から生産される天然ガスを被在来型と言います。

油田ガス

原油の埋まっている地層に原油と一緒に掘り出されるガスです。

炭田ガス

石炭の地層の中に溶けているガスです。

構造性天然ガス

天然ガスだけが埋まっている地層のガスです。

これらは在来型ガスであり、最近は他の場所からの発掘も行われており、被在来型ガスもエネルギーとして使われています。
被在来型ガスは以下のような種類があります。

タイトガス

在来型ガスがある地層よりも稠密な砂が混じった地層にあるガスです。

シェールガス

泥土が堆積して地層にある天然ガスです。

コールヘッドメタン

石炭が生成される過程で発生し、石炭層に滞留したガスです。

メタンハイドレード

メタンと水が固まって出来た氷のような物質であり、海底など低い温度のところにあるガスです。

これら被在来型ガスは、昔は生産性が低い、技術的に採掘できなかったなどの理由があり、エネルギーとして使われなかった天然ガスです。
しかし技術開発に伴い、生産性が上がったり発掘可能となったために、現在はエネルギーとして使われています。

天然ガスの埋蔵量

現在発見されている在来型の天然ガスだけで埋蔵量は約6,600兆立方フィートであり、可採年数は約60年です。
60年経てば天然ガスが枯渇するのかというとそうではありません。

在来型ガスは発見されていないものがあり、それを試算すると約3,000兆立方フィート分あるとされています。
また技術が開発されれば生産できる天然ガスが、約2,000兆立方フィートあると考えられ、そして被在来型の天然ガスも少なく見積もって約8,000兆立方フィートあるとみられます。

このような現在生産されていない天然ガスを加えると、可採年数は150年以上になると言われています。
しかし無限のエネルギーではないので、いつかは必ず枯渇するのは間違いありません。

枯渇する心配はないのか?

“ガスタンク”

天然ガスは在来型と非在来型を合わせると、今後100年間以上は世界のエネルギーを賄えるだけの量はあると推定されています。
しかしながら化石燃料は、大量に地球にあると言っても、必ずいつかは枯渇するのは間違いないです。
現在は新しい採掘方法で、従来採掘できないような場所からも天然ガスを取りだし使えるようにして、年数を伸しているのにすぎません。

そして、主力エネルギーを従来のものから新エネルギーに替えるにはすぐには出来ず、技術開発やインフラ整備などを必要とし、数年から数十年はかかります。
化石燃料が枯渇してから、次はどのエネルギーを使用しようかと考えるのは遅すぎるので、次世代のクリーンなエネルギーなどを模索し、開発していくべきなのです。

天然ガスのデメリットとは?

“3択で悩む男”

移送コストがかかる

現在日本で天然ガスを利用しようとすると、いくつかのデメリットがあります。
まず海外から輸入しているために移送コストが高いという点です。
天然ガスを日本まで運ぶとなると、天然ガスのあるところに井戸を掘ってバケツで持ってくるというわけにはいきません。
そして天然ガスは海外では売ってくれる場合は、ガス状のものであり、液化するのは買い手の役割となります。

そうなると天然ガスを日本に運ぶには、少なくとも海外のガス田から港まで運ぶパイプライン、港での液化設備、液化した天然ガスを積み込むためのタンカーが必要となります。
天然ガス用のタンカーはガス田ごとに仕様が違うので、そのガス田にあわせたタンカーを造らないとなりません。
このようなことをするために、どうしても日本が天然ガスを輸入するとなると割高になります。

貯蔵コストがかかる

もう一つは長期保存しないで使わなければいけない問題があります。
日本で天然ガスを保存しておくには、液化して保存しておくので、天然ガスを冷凍しておく設備が必要となります。
石油タンクのように大量にタンクを作れば大量の天然ガスを保存できますが、そうなると天然ガスを冷凍しておくコストが高くなります。
長く貯蔵すればするほど冷凍するコストがかかり、このためにコストの問題から天然ガスは長くても輸入から2週間ぐらいで使われるように計画して輸入します。

日本にある天然ガスは全体の3%

“日本地図”

日本国内を見ると、天然ガスは3%しか自国で生産しておらず、秋田でシェールオイルが試験的に発掘されたので、そこから天然ガスも少しは期待できます。
ただし国内の土地を見ると天然ガスはほとんどありません。

しかし、最近になって日本近海にはメタンハイドレードが大量にあることがわかり、南海トラフだけでも日本の消費量の13年分もあることがわかり、周辺の近海全てを合わせると100年以上あると推定されています。

一つ問題があるのはその資源は現在採掘試験を行っている段階であり、実用化までには採掘技術を確立しないといけません。
日本は地震が多いのでそれに対応する技術を確立すること、また技術が実現しても採掘コストを下げないと、従来の石油などの資源に変わることは難しくなります。

従来メタンガスというのはすぐに気化しやすい物質ですが、日本にあるメタンハイドレードは海底の深い部分にあり、すでに固体化されています。
このために取り出すときは気体にすれば良く、その点は採掘技術を実用化しやすいといえます。

再生可能エネルギーだけでは難しい日本のエネルギー事情

日本では、福島第一原発の事故で、国民のエネルギー事情への関心は高まっています。
放射能への不安から、原発に変わるエネルギーへの期待は高まっています。
そこでクリーンなエネルギーとして、太陽光や風力などが注目を集めていますが、これらが主力エネルギーとして使うには、気象条件への対応、出力を大きくするなどの課題がまだ沢山あり、技術的に困難な面があります。

そのために現在でもエネルギーとして使うには、比較的クリーンで便利な天然ガスを中心として使っていくようになると考えられます。
そのうえで原子力や水力なども併用していき、少しずつ次世代エネルギーを模索していくことになります。
日本はどうしても資源が乏しく、エネルギーに関しても輸入に頼っているので、将来のエネルギーへの不安は付きまといます。

シェールガスは次世代天然ガスとして期待!

“シェールガス”

次世代の天然ガスの一つとして期待されているのがシェールガスであり、これは頁岩の層の隙間にあるガスです。
100年以上前から生産されていたガスですが、頁岩の層に自然に出来た隙間から採掘していたために生産性は低かったのです。
しかし採掘技術が開発されて採掘可能となり、一気に生産量が増えました。
北米では2020年頃には、天然ガスの半分がシェールガスになると予想されており、エネルギーとして新たに使われるようになっています。

全世界のシェールガスは埋蔵量が世界の消費量の200年分以上あるとされており、期待されている資源です。
しかし残念ながら日本にはシェールガスはほとんどありません。

採掘技術は開発されましたが、その技術を使うと地下水の汚染や地震の誘発など、新たな問題も浮かび上がっています。
またシェールガスが豊富になったことにより、その価格が低下し、採掘設備への投資額に対してペイできなくなってきているという問題も出てきています。
シェールガスは、今後の更なる採掘技術開発に期待が込められます。