電気料金に地域差があるのはなぜ?そこには驚きの理由が!

#新電力(pps) #電気の基礎知識
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火力発電所

家庭で毎日使われる電気料金。じつは地域の電力会社の電気料金には、地域差があります。
電力会社の値段は地域差で電気料金設定が異なることをご存じですか?
地域差を知らずに電力会社は、どこでもみんな同じと思っていては、もったいないです。

電力自由化になって安いプランがたくさん出てきているのに、高い料金設定の電力会社のままだと確実に損をします。
あなたの地域の値段を把握して新電力で、電気料金を浮かせるのは当たり前の時代になりました。

  • 電力会社の地域による電気料金差は?
  • 高い電力会社の理由は何?
  • 電力自由化後も地域差は存在する?

電気料金の地域差を知ってこそ、新電力の魅力が分かるものです。
さあ、どこが高いのか、安いのか、あなたの地域の電力会社の相場を知っておきましょう!

電気料金が安い地域はなぜ安い?

同じ電気の量を使っても、安く平均すると地域差が出るのには理由があります。
8位の沖縄電力の電源構成は、火力発電所18カ所、汽力発電所5カ所、ガスタービン発電所が5カ所です。

沖縄エリアは、以前から原子力発電所がないため火力発電所が主に稼働しています。
沖縄は、ご存知の通り離島です。
そのため、発電所の建設にも限りがあります。

近距離で発電された電力を供給するため、電気の送電費用が少なく沖縄の電気料金は全国的に見ても安く地域差が生じています。
また沖縄は暖かい気候のため、冬の電気料金は暖房器具を使わないことから一般的に電気料金が高い時期でも安くなる傾向があります。
そのため電力使用量が少なく済み、発電設備にかかる費用も抑えられます。

中部電力の場合は、水力発電所が183カ所で521万7,980kW、火力発電所12カ所で2,515万9,400 kW発電しています。
東京電力と中部電力を比較すると2015年5月の場合、東京電力の燃料費調整額が1kWhあたり1.85円なのに中部電力は1kWhあたり0.76円です。

また、北陸電力の燃料費調整額は1kWhあたり0.16円です。
燃料費調整額 = 燃料費調整単価 × 使用電力量です。
1kWhあたりの燃料費調整額が高ければ電気料金に大きく反映します。

なので、電気料金に地域差が生じるのです。
北陸電力の基本料金にも地域差があります。
北陸電力の基本料金は、712円8銭となり、北海道電力の基本料金1004円40銭と比較すると291.6円も安い計算になります。

同じプランで同じ電気の量なのに地域差が出る理由は

  • 燃料費の問題
  • 基本料金の違い
  • 1kWhあたりの燃料費調整額の違い
  • 廃熱や送電ロスの問題
  • 停止中の原子力発電所の費用が含まれているかいないか

など、意外な理由が隠されていることがわかりました。
地域差があるのなら電力自由化をきっかけに電気料金の見直しをすればより、良い条件の電力会社が見つかります。

電気料金の高い地域の電力会社ランキング

全国には、大手電力会社が10社あります。

電気料金が全国高い順番にランキングをしてみました。

2015年5月に一般家庭で月に300KWhを30A で「従量電灯プラン」を使用した場合の高い順のランキングは次の通りです。

1位 北海道電力 9,353円
2位 東京電力 8,866円
3位 中部電力 8,540円
4位 東北電力 8,528円
5位 関西電力 8,181円
6位 中国電力 8,034円
7位 四国電力 7,821円
8位 沖縄電力 7,708円
9位 九州電力 7,708円
10位 北陸電力 7,164円

電気料金の最高単価地域なぜ北海道電力が高いのか?

“電気料金の最高単価なぜ北海道電力が高いのか”

まず、北海道電力の電気料金に地域差がある理由は基本料金が1,004円40銭と高いことです。
また120kWhまでが23円54銭、120kWhをこえ280kWhまでが29円72銭、280kWhをこえる場合が33円37銭と、使用電力に対しても高額で価格に地域差があります。

北海道電力の電源構成は、水力発電所が55カ所で火力発電所が12カ所、汽力発電所が6カ所、内燃力発電所が5カ所です。
そのほかガスタービン発電所と地熱発電所が1カ所からなります。
水力発電の発電量は123万8,225kW、火力発電所は421万3,750kWで大半が火力発電所で電力をまかなっています。

北海道電力の電気料金が国内で一番高い理由は原子力発電所(泊発電所)が停止し、火力発電所の稼働率が増えた理由もあります。

そのため火力燃料費が急激に増加し、2013年9月に電気料金が値上がりしたことによります。
コストカットをしたとしても値上げをしないと経営が危機的になりかねないということで大幅に値上げされ電気料金に地域差が生じました。

電気料金に地域差が出る東京電力

東京電力の電気料金にも地域差があります。
なぜ、北海道電力の次に高額なのでしょうか?
東京電力の電源構成は次の通りです。

発電事業所 発電所数
水力発電所 164カ所
火力発電所 25カ所
内燃力発電所 10カ所
新エネルギー 5カ所

東京電力が北海道電力の次に高いというのは 、十分に高い電気料金で地域差が表れているといえます。
電気料金が高額な理由は大きく分けて2つあります。

  • 2011年3月11日に起きた福島第一原子力発電所事故で原子力発電所が停止した
  • 円安により火力燃料のLNGが高騰のため

しかし、電気料金は東京電力だけが値上げされたわけではありません。
上記の2つの理由は、どの電力会社にもあてはまる事情です。
なぜ東京電力は、国内の中心にあるにもかかわらず全国的に高い水準なのでしょうか?
東京電力の電気料金に地域差がある理由は「東京電力だからこそ」の理由もあります。

  • 電気を送電するための設備が多い
  • 廃熱や送電ロスが多い
  • 停止中の原子力発電所の費用が含まれている

東京電力の発電所は東京都内ではなく、大半が千葉、茨木、福島、神奈川などにあります。
そのため、発電した電力を供給するまでに変電所や電線、鉄塔などあらゆる設備がたくさんあります。
発電所が近距離にないと電源設備に関する設備費用が莫大にかかります。
そのため東京電力の電気料金に地域差が出ているのです。

火力発電の燃料が高額

東京電力がアメリカから購入したLNGの価格が、他社よりも9倍高く購入していた問題も関係しています。
燃料が高額であれば、電気料金も高額になるのは当たり前です。

停止中の原子力発電所の費用が含まれている

東京電力の電気料金には、停止している原子力発電所の保守費用や減価償却費のほか事故収束費用や賠償費用が電気料金に含まれています。
福島の原発事故後で稼働していない原子力発電所は利益が出ません。

しかし、費用は莫大にかかります。
その費用が東京電力の電気料金に含まれているため料金に地域差が出ているのです。
東京電力の電気料金に地域差があるのは、このような理由からです。