V2Hとは?

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皆さんは、「V2H」という用語をご存知ですか?

V2H(Vehicle to Home)は、電気自動車の充電機能を活用した技術です。これは、電気自動車のバッテリーに保存された電力を家庭に供給し、自宅での電力消費を実現するシステムを指します。

エネルギー問題を抱える日本や、増加している自然災害の影響での停電への対応、そして電気自動車の充電コストの軽減といった側面で、V2Hの利点が注目されています。

2050年を目標に、温室効果ガス排出をほぼゼロにする方針が打ち出されており、この脱炭素の過程でV2Hは鍵となる役割を持っています。

本記事では、V2Hの仕組みから導入メリット・対応している車種(車メーカー)まで情報を取りまとめしております。2023年度の補助金や導入費用まで徹底解説しました。

V2Hとは?仕組み・機能・特徴について

V2Hとは?仕組み・機能・特徴について

V2Hの役割と主な特徴

V2Hは「Vehicle to Home」の略で、この技術の核となるのは、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド車)のバッテリーからの電力取り出しや、家庭からの車両への充電機能です。このシステムを活用すると、自宅の電気設備や照明などに電力を供給することが可能になります。

以下に、V2Hの主要な機能と特徴を簡潔にご紹介します。

特徴1:家庭からEVへの充電能力

家庭からEVへの充電能力

特徴2:EVのバッテリーからの家庭への給電機能

V2Hのもう一つの大きな特徴は、電気自動車のバッテリーから家庭に電力を供給する能力です。ただし、EVのバッテリーの直流電力を家庭の機器にそのまま供給することはできません。V2Hは、この直流電力を交流電力に変換することで、家庭内の機器や設備に電力を供給することが可能となります。このため、電気自動車のバッテリーは家庭用蓄電池としても機能します。

蓄電池や他の充電器の違いは?

太陽光発電・蓄電池が普及していますが、電気自動車の普及によりV2Hの導入も年々増加しており、電気自動車から自宅に電気を供給したり、自宅の電気から電気自動車へ充電が可能なV2Hが大きく注目を集めております。
では、V2Hと家庭用蓄電池や一般的な充電スタンドとの主な違いは何でしょうか?

一番大きな違いは、蓄電池は電気を充電して貯める事が可能な貯蔵する能力があるのに対して、V2Hは住宅⇔電気自動車間のハブのような機能しか持っていません。家庭蓄電池は電力会社からの供給や太陽光発電などから得られる電気を保存し、後で使用することができます。つまり、V2Hは電気自動車のバッテリーを家庭内での電力供給源として活用するための仲介システムであり、それ自体が電気を蓄える機能を持たない点が重要です。
V2Hは電気自動車の直流電力を交流電力に変換し、家庭の電気回路に供給する機能を持っています。したがって、家庭内での電力使用に際しては、電気自動車のバッテリーから得られる電力をV2Hを通じて供給する形となります。

近年は電気料金の高騰により、太陽光発電・蓄電池導入が加速しており、EV(電気自動車)をお持ちの方は、V2Hを利用して蓄電池に貯めた電気で充電する方が増えるでしょう。

V2Hの導入メリットとは?

V2H(Vehicle to Home)は自宅と電気自動車を繋ぐハブのような存在ですので、電気代削減・車への充電・車の電気を利用できる(停電時)など多くのメリットが存在します。
特に太陽光発電との相性が良く、太陽光発電設置ユーザーのV2H設置が増えています。

一般的にV2H導入により、ガソリン車と電気自動車の燃料コストの比較についての記事が多いですが、太陽光発電で発電した電気や安い時間帯の電気料金プランに加入して、EVに充電することで安い電気で走る事は、理論上は経済メリットはありますが、安い時間帯に家に駐車して充電したり、太陽光発電で余った時間帯に駐車して充電する事は蓄電池があれば可能ですが、予測不可能なために、本記事では記載はしておりません。

V2Hの導入には3つの主要なメリットがあります。

メリット1:充電時間の短縮が可能

V2Hを使った電気自動車の充電は、通常の200Vコンセントでの充電と比べて、時間が大幅に短縮され、約半分の時間で済みます。これにより、車の運転や通勤を考えている際に、十分に充電されていないという心配が軽減されます。

メリット2:電気代削減が可能※太陽光発電設置されている場合は特に

V2Hを持つ家庭で時間帯別の電気プランに加入している場合、夜間の安価な電力を最大限に活用し、日中よりも低コストで充電ができます。さらに、太陽光発電の導入と組み合わせることで、更なる電気料金の削減が期待できます。出力10kW以下の太陽光発電は、家の屋根やカーポートに設置可能です。FIT制度を活用すると、自家消費した後の余剰電力を売電でき、さらに自家消費を増やすことで、電気供給のコストを削減できます。

太陽光発電からの余剰電力は、V2Hを介して電気自動車に蓄えることができ、夜やピーク時にその電力を利用することで、太陽光発電の制約を補完し、電気代を効果的に削減できます。

メリット3:停電時等の大容量電源

自然災害などの緊急時に長時間の停電が発生した場合でも、V2Hを介して電気自動車のバッテリーから家庭に電力を供給することができます。電気自動車のバッテリーは、約20kWhから60kWhという大容量のものも多く、家庭用蓄電池だけでは対応しきれない長期停電時でも、V2Hと併用することで、電気を使いながらも安全に過ごすことが可能です。
近年は蓄電池も大容量化(12kwから15kwh)しておりますが、EVの電池容量がはるかに大容量となります。

では、V2H導入を考えている方は、ご自身の所有する車に対応しているのでしょうか?

【2023年最新】V2Hの対応機種(メーカー)は?

海外メーカー(外車)

多くの輸入車は、電気自動車への取り組みの違いから、V2H機能への対応が限られています。日本と比較して、海外では大規模な停電が少なく、電気自動車の電力は主に走行のために利用されるとの認識が強い為に、韓国(ヒュンダイ)・中国(BYD)・ドイツ(メルセデス)の3メーカーのみとなります。※2023年11月現在

メーカー 車種
Hyundai(ヒュンダイ) IONIQ5
BYD ・e6
・ATTO 3
・J6
・K8
メルセデス・ベンツ ・EQS
・EQS SUV
・EQE
・S 580 e 4MATIC long

日本メーカー(日本車)

V2Hに対応している日本車メーカーと車種は、以下のとおりです。※2023年11月現在

メーカー 車種
豊田自動車(TOYOTA) ・e6
・ATTO 3
・J6
日産自動車(NISSAN) ・リーフ
・アリア
・サクラ
・e-NV200
三菱電機自動車
(MITSUBISHI)
・eKクロス EV
・アウトランダーPHEV
・エクリプスクロスPHEV
・i-MiEV
・MINICAB-MiEV
ホンダ(HONDA) ・Honda e
スバル自動車(SUBARU) ・ソルテラ
マツダ(MAZDA) ・MX-30 EV MODEL
・CX-60 PHEV
レクサス(LEXUS) ・RZ450e
・UX300e

【2023年最新】V2Hの導入費用(価格)は?

一般的にV2Hの導入を検討する上で、導入費用に係る項目・概算費用は以下となります。導入される方の多くが太陽光発電を設置済みでEVを購入済み・検討中の方が大半となります。

V2H導入費用(機器+工事費用) 30万~100万
※製品・メーカー・取付場所により異なる。
EV 300万~
※太陽光発電:60万~100万

購入する場合は、多くの初期費用がかかるので、国・自治体などから補助金もでております。今回は実際に利用できる補助金も解説します。

【2023年最新】V2Hで利用できる補助金は?

V2Hで使える補助金の対象は、大きく2つあります。1つは、電気自動車となり、2つ目はV2hの導入費用となります。導入費用が高いので、活用できる補助金を必ず利用しましょう。

CEV補助金

対象機器 ①:V2H
②:電気自動車
申請期間 ①:V2H(2023年3月31日 ~2023年10月31日)
②:電気自動車(2023年3月23日 ~)
補助額 ①:V2H設備機器:上限75万円(補助率1/2)
※工事費(法人上限95万円/個人上限40万円)
②:電気自動車
※EV車(上限65万円)/
軽電気自動車(上限45万円)/
PHV車(上限45万円)/
FCV車(上限230万円)/
超小型モビリティ(一律25万円)

※以下のいずれかを満たす場合は、上限が更に増える
①車載コンセントから電力供給
②外部給電器やV2Hから電力供給

DER補助金( 分散型エネルギーリソースの更なる活用実証事業」

対象機器 V2H
申請期間 2023年7月18日 ~2023年12月22日
補助額 V2H設備機器:上限75万円(補助率1/2)
※工事費(定額:40万円)
※HEMS(定額:5万円)

このように、V2Hの導入には国から多くの補助金がでておりますが、全国の自治体からも多くの補助金がでており、補助金の併用が可能です。今後、日本全国でEVのインフラが整えば、今後爆発的にEVが増えることで太陽光発電・蓄電池・v2hなどのセット導入が加速する事でしょう。

V2Hは電気自動車の蓄えた電気を直流に変えて家庭に供給することができ、また、太陽光発電や家庭用の蓄電池の電力を電気自動車に充電することも実現でき、太陽光発電や蓄電池との組み合わせにより、電気のコストを効果的に抑えることができます。頻繁に車を使用しない方や、セカンドカーとして電気自動車をお持ちの方は、この記事を参考にV2Hの選択を考えてみてください。

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