消費電力と年間消費電力量は全然違います!

#電気の基礎知識
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消費電力と年間消費電力量

消費電力と年間消費電力量の違いとは?

プラズマテレビや液晶テレビ、冷蔵庫、オーブンレンジ、照明など家電製品の購入を検討する時、カタログに目を通す方が多いかと思います。
カタログを見ると「消費電力(W)」「年間消費電力量(kWh/年)」と記載されていることに気づくかと思います。
いずれもどれくらいの電気を使うかという目安値となるものですが、どちらを重視して決めればよいのかわからないという方が多いのでは無いでしょうか。

値が少ない方が電気を消費する量も少ないというのは何となく理解できるかと思いますが、2つあると迷ってしまいますよね。

消費電力とは?

「消費電力」とは、「その電化製品を稼働させる時に使われる電力」の事を指します。
もちろん使い方によって、実際の消費電力量は変わってきます。

年間消費電力量とは?

「年間消費電力量」とは、「電化製品を一般家庭での実際の使用条件に近い条件下で1年間に消費する電力量」を表した数値です。
電化製品は一般的に、使用状況や環境によって実際に消費される電力が違ってきます。
冷蔵庫を例にあげれば、分かりやすいでしょう。
夏場と冬場では気温に差がありますから、その分消費電力にも大きな違いが生じます。
また、エアコンでも同様のことがいえます。

消費電力と年間消費電力量:エアコンの場合

年間消費電力の計算方法

エアコンは、外気温と室内の温度に差があるほど消費電力が大きくなりますので、年間消費電力量のように平均の値が必ずしも当てはまるわけではありません。
特定の条件下で稼働させたと仮定し計測して消費電力が分かっても、実際にどの程度の電力を消費するかを見極めるのは非常に困難といえます。
ですから、一般家庭での実際の使用状況に従い条件という一定の基準を定め、その基準にしたがって使用した場合の数値として採用されたのがこの年間消費電力量なのです。

年間消費電力量は、実際の使用状況に近い条件のもとで測定された値ですので、かなり参考になると思って良いでしょう。
では、消費電力と年間消費電力量はどちらを参考にすればよいでしょうか?
これは、自分が実際に使用する状況によって決めるのがよいと思います。
⇒エアコンの消費電力から電気代を計算しよう!

消費電力と年間消費電力量:テレビの場合

例えばテレビは、「1日のうち4.5時間テレビを見て、残りの19.5時間は待機時間」として年間消費電力量を計算しています。
テレビは夜だけしか見ないという方は、この条件に当てはまる方が多いかと思います。
ですから、上記のような方がテレビを購入する際は年間消費電力量を参考にして決めると良いでしょう。

逆に1日中テレビを稼働させることが多い場合は、年間消費電力量の条件下は当てはまりませんから、この場合は消費電力を参考にしたほうが良いのです。
一日に長時間テレビを見る方ですと、実数値が大きく異なってしまうからです。

年間消費電力はどのように計算されているのか?

年間消費電力の計算

年間消費電力量は、より実際に使用されている状況に近い条件下で計算されています。
でも「1年間って、どのくらい使う場合なの?」...こんな疑問が出てきますよね?
使用回数や時間は人によって違うわけですから、年間の電気料金もそれぞれなはずです。
年間消費電力量の実際の使用状況の条件は、製品ジャンルごとに定められています。
メーカーごとではないので、メーカーが違うテレビや冷蔵庫であっても同じ条件下で測定されて算出されていますので比較ができます。

冷蔵庫の年間消費電力量の測定方法は?

例えば、冷蔵庫の年間消費電力量の測定方法を見てみましょう。
冷蔵庫の年間消費電力量の測定方法は以下のとおりです。

  • 庫内温度4℃以下
  • 扉開閉回数35回/1日
  • 周囲温度30℃及び15℃
  • 周囲湿度30℃測定時は50±5%、15℃測定時は55±5%

以上の条件でそれぞれの消費電力を数日間計測し、その結果から1日あたりの消費電力を算出します。
そして30℃の場合に180日分の消費電力量を、15℃の場合には185日分の消費電力量かけます。
これによって算出された値が冷蔵庫の年間消費電力量となります。