エアコンの消費電力から電気代を計算しよう!
エアコンの消費電力から電気代を計算する最も簡易的な方法は、エアコンのカタログなどに記載されている「期間消費電力」に「電力量料金」をかけるというものです。
例えば、あるエアコンで「期間消費電力量」が1,000kWhとされていた場合には、一年間で1,000kWhの消費電力になるという意味ですので、仮に電力量料金として東京電力の従量電灯Bプランの「第2段階料金」を適用すると、1年間のエアコンの電気代は以下のように計算できます。
1,000kWh(一年間のエアコン消費電力)×26.00円/kWh=26,000円(1年間の電気代)
つまり、エアコンの1年間の電気代は26,000円、月当たりに直すと約2,170円となります。
ここでは最も簡易的な計算方法を紹介いたしましたが、実際には使用状況や使用時間によって消費電力や電気代は大幅に変わりますので、エアコンの電気代についてもう少し詳しくご説明していきますね。
エアコンに記載されている消費電力の種類は3種類
冒頭でご紹介した消費電力は「期間消費電力」というものでしたが、実はカタログに記載してあるエアコンの消費電力には、期間消費電力を含めて2種類あります。
消費電力
消費電力とは、エアコンを使う際に必要な電力の量を示しています。
一般的にはW(ワット)という単位で示され、電力使用量の単位となるWhは、消費電力に使用時間(h)をかけたもので、例えば200Wのエアコンを1時間使ったとき、電力使用量は200W×1h=200Whとなります。
期間消費電力
期間消費電力は、冒頭でお話しした通り、1年間エアコンを使った場合の消費電力の目安となる数値です。
2013年度のJIS規格に基づくと、算出基準は以下の通りです。
外気温 | 東京都の1年間の気温の推移参照 |
---|---|
設定温度 | 冷房27℃,暖房20℃ |
使用期間 | 冷房…5月23日から10月4日まで |
使用期間 | 暖房…11月8日~4月16日まで |
使用時間 | 6時~24時までの18時間 |
住宅の構造 | JISC9612による平均的な木造住宅(南向) |
部屋の広さ | 機種の推奨している部屋の広さ |
期間消費電力が参考になるのはあくまでも上記の条件に従った場合のみですので、例えば冷房の温度を23℃などの低い温度に設定している場合や、外気温が異常に高いとき、低いときなどには消費電力は変わります。
エネルギー消費効率
エネルギー消費効率には、旧来のCOP (Coefficient of Parfofmance)とAPF(Annual Performance Factor)があります。
2012年以降には、実際の数値に近いという点からAPFが主に使用されています。
エネルギー消費効率とは、消費電力1kWあたりの加熱や冷却能力を示した数値です。
この数値が高いほど、効率の良い省エネ効果の高いエアコンになります。
一般家庭のエアコンは、5.0前後の数値が平均的です。
エアコンの消費電力は変動する
オフィスや一般家庭での電力消費はエアコンが約30%占めています。
エアコンの消費電力は、室内外の空気温度により変化します。
なので一定していません。夏場などは、外気温が最も高い時間帯である12時から15時の間が最も出力が高いことが分かっています。
この時間帯にエアコンを使い初め室外機により外と中の空気が循環することで、設定した温度になると消費電力も下がります。
具体的例としては、冷房機能が2.2kW、定格消費電力が0.5kWの冷房を使用した時の消費電力を計算してみます。
ちなみに定格消費電力とは、機器が安全に稼働できる最大出力のことです。
定格消費電力が0.5kWでも、外気温が高い場合は0.6kWや0.7kWになることもあります。
例として、1時間、冷房(500W)を稼働させて、設定温度になった後に除湿(20W)に切り替え2時間使用した場合の電気代を計算してみましょう。
今回は、電気代を22円で計算します。
500/1000×22円/kwh+20W/1000×22円×2時間=11+0.8=11.8円
この計算式からわかることは、設定温度になるまでは11円分の消費電力が必要ですが、除湿にしてからは0.8円の消費電力しかかからないとうことです。
頻繁にエアコンを使うなら、都度つけたり消したりするより、つけっぱなしにした方が節電には良いですね。
夏場は1度温度を高く設定するだけで、約14%の消費電力を削減することができます。
無理しない程度に温度を高めに設定することが、節電にもつながります。
エアコンの消費電力の新旧での違い
新式のエアコンの消費電力
ここでは、パナソニックの16年度モデルFシリーズで広さごとのスペックを紹介します。
当然といえば当然ですが、広いスペースに対応するにつれて消費電力は上がっていきます。
畳 | 規格 | 期間消費電力(kWh) | 能力(kW) 冬/夏 | 消費電力(W)冬/夏 |
---|---|---|---|---|
6畳 | CS-226CF | 717 | 2.2/2.2 | 470/590 |
8畳 | CS-256CF | 815 | 2.8/2.5 | 630/680 |
10畳 | CS-286CF | 913 | 3.6/2.8 | 870/770 |
12畳 | CS-366CF2 | 1,362 | 4.2/3/6 | 1,140/1,210 |
14畳 | CS-406CF2 | 1,544 | 5.0/4.0 | 1,400/1,380 |
18畳 | CS-566CF2 | 2,118 | 6.7/5/6 | 2,030/2,280 |
旧式のエアコンの消費電力
旧式のエアコンも消費電力を広さ別に見ていきましょう。
ここでは、2008年度のパナソニックのエアコンをモデルにしています。
畳 | 規格 | 期間消費電力(kWh) | 標準能力(kW)冬 | 消費電力(W)冬/夏 |
---|---|---|---|---|
6畳 | CS-22RKX | 648 | 2.5 | 370/340 |
8畳 | CS-H228A | 759 | 2.8 | 430/400 |
10畳 | CS-28RKX | 837 | 3.2 | 510/465 |
12畳 | CS-36RKX | 1,183 | 4.2 | 740/715 |
14畳 | CS-40RKX2 | 1,272 | 5.0 | 957/815 |
18畳 | CS-50RKX | 1,789 | 6.0 | 1,245/1,370 |
新式と比較してわかることは、消費電力が低いために設定温度になるのに時間がかかり電力量も新式と比較するとかさんでいます。
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エアコンの消費電力で電気代を計算
エアコンの電気代を計算する方法は、冒頭でご紹介した「期間消費電力」を使った計算方法以外に、消費電力と使用時間から計算する方法があります。
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消費電力の量から計算する方法では、例として次の条件で計算してみました。
消費電力(W) | 200W |
---|---|
使用時間(h) | 100h |
電力使用量料金 | 10円/kWh |
エアコンの電気代を求めるとき、電力使用量×電力使用量料金=電気代という式が成り立ちます。
ここでいう電力使用量は、消費電力200Wに使用時間100hをかけたもので、200W×100h=20,000Wh=20kWh(kつまりキロは1,000という意味)と表されます。
電力使用量がわかれば、あとはその数値に電力使用量料金をかけるだけですので、この場合の電気代は20kWh×10円/kWh=200円となります。
ただ、実際には外気温や設定温度で消費する電力は大幅に変わりますので、この計算はあくまでも一例として考えてくださいね。