ベランダに作るグリーンカーテン! 成功と失敗から学ぶ育て方
みなさま、グリーンカーテンを作ったことはありますか? ふさふさと葉を茂らせてカーテンのごとく張り巡らせるグリーンカーテン。初めてでもキレイに作れるかどうか、それ以前に3日で枯らしてしまうと思って行動に移せない方も多いのではないでしょうか。
筆者はまさに後者の人間で多肉植物やサボテンすら枯らしてしまうほど深刻な三日坊主だったのですが、2016年の夏に初めてグリーンカーテンを作成してみました。意外にも3日で枯らす展開にはならなかったので、体験に基づくリアルな成功点と反省点をご紹介します。
賃貸のベランダでへちまの栽培をスタート!
グリーンカーテン作りの第一歩、「何を育てるか?」については考える必要がありませんでした。諸事情によりへちまの種を入手していたからです。
本来ならゴーヤに朝顔、パッションフルーツなど意外と豊富なグリーンカーテン向きの品種に囲まれて悩んでいたのでしょうが、さっそく道具を準備して栽培を始めます。
用意したものと費用
プランターと種は貰い物だったので、購入した品物の合計金額は2,700円! 初期費用がかかりますね。内訳はこんな感じです。
- プランター → 0円
- 土(30Lほど) → 2,000円ほど
- じょうろ → 100円
- スコップ → 100円
- 鉢底ネット → 100円
- 麻ひも → 100円
- 園芸用ネット → 300円ほど
園芸用ネットはへちまのツタが絡む土台として利用し、麻ひもはネットを吊るすために使います。筆者宅は洗濯乾燥機を使うためベランダに洗濯物を干す必要がなく、物干し竿を一つも持っていなかったのです。
ベランダの物干し竿を支えるパーツに麻ひもを結びつけ、園芸用ネットを支える土台とします。この選択が今回最大の失敗要因になることは、この時点では知る由もありません。
へちま種まき → 2週間程度で発芽
へちまの種まきは4月下旬が望ましいとされていますが、すこし遅めの5月1日に行いました。夜間のベランダガーデニングは音が響いて近所迷惑かと、タイミングを逃してしまったのです。
結果、問題なく発芽しました。
時期を過ぎたから今年はもうダメだ…と思わず、チャレンジしてみることが大事かと思います。
摘心が遅れて大惨事
丸っとした双葉の中心から茎が伸び、ギザギザの本葉が5枚程度出るようになったら中心の茎、その頂点を積みます。摘心(てきしん)という作業ですね。摘心をしないと上に上にと伸びるばかりで横にツルが広がらず、葉の密度が薄くなります。スカスカのグリーンカーテンができてしまいます。
このように。
みなさんのグリーンカーテンが育った時は、雨が降っても風が吹いても面倒臭がらずに摘心を早めに行ってくださいね!
影ができて暑さが低減されたことを実感
上記のようなスカスカのグリーンカーテン、外から見ると失敗に見えますが室内から見るとこのように影ができることが分かります。
居住者としての感想ですが、葉の影が風に揺れるのが夏の木陰に居る時のような涼しげな気持ちになりました。後で電気料金を確認したところ昨年よりも安くなっていたため、気のせいではないのかもしれません。同時期に複数の節約策を施していたため、グリーンカーテン単体での成果は不明ですが。
台風で壊れた
さすがに麻ひも1本でネットとへちまを支えながら台風に耐えるのは難しかったようです。次はもう少し頑丈そうな紐にしようと思いました。
片付けが意外と面倒
夏に活躍したグリーンカーテンですが、シーズンが終わればお片付けが必要です。枯れた葉や茎をベランダに放置しても見栄えが悪いですし、蜘蛛などが巣を張ったりします。育てた植物とネットを片付けるのですが…ネットを来年も使いまわそうと思うとなかなか大変!
絡んだツルと葉を処分するのも一苦労ですから、すごく安いネットを使い捨てにするのも一つの選択肢になり得るレベルです。まとまった時間を確保しにくい方なら、完全に枯れてしまう前から少しづつ処理していくのもおすすめですよ。
これからグリーンカーテンを育てるならこうする
2016年のグリーンカーテンは失敗と成功が入り交じる結果となりました。しかし来年もグリーンカーテンを作る予定なので、今年の反省点を踏まえながらへちまグリーンカーテンの育て方をまとめます。
へちま育成に要する作業 時系列順まとめ
- 4月下旬まで:土、園芸用ネットのセッティング
- 4月下旬:種まき
- 5月中旬:芽が出る → 種が近すぎるなど、余分なものを抜く
- 6月上旬から中旬:本葉が出ているものをネットに誘引 → 以降は摘心と誘引が続く
- 10月中旬ごろ:実ができたら支柱を立てて補助する
- 11月上旬ごろ:シーズン終了間近のため、種を収穫するための実を残す
- 11月下旬:シーズン終了!
種まきを4月下旬に済ませること、摘心を早いうちに実施しておくことが立派なグリーンカーテン完成のポイントだと感じました。来年は収穫まで到達することを目標とします。
グリーンカーテンを作るのに必要な2つの要素を決める
グリーンカーテン作りに必要なものは色々ありますが、まず検討するべきはこの2つ。
- どの窓をグリーンカーテンで覆うか
- 種から始める?苗から始める?
まずはこれだけ。これが決まれば他のことは自ずと決まります。まずは設置場所を確認しましょう。
夏の電気料金が高いのは日光が差し込んで室温が上がり、快適な室温にするためにエアコンをたくさん働かせないといけないことが主な原因です。昼下がりの厳しい直射日光を遮るようにグリーンカーテンを設置します。
植物は光合成のために太陽光を求めますし、人間は直射日光を防ぎたい。この植物との共生関係がグリーンカーテンの良いところですよね。
種のほうが安く、苗は育てやすい
種の良いところは植物を安価でたくさん生やせることです。発芽直後のか弱い芽は可愛らしいのですがそもそも芽が出なかったらどうしよう、と不安な気持ちになることもあります。その点、苗は植えた直後からベランダが賑やかになりますし、水やりが少なければ見た目ですぐわかりますから扱いやすいですね。
ただしへちま、ゴーヤは発芽直後の段階でたくましさを感じますので初心者でも育てやすいのではと思います。窓いっぱいに茂るグリーンカーテンを作りたいなら種がおすすめ。広く根を張れるように、少し大きめのプランターを選択しましょう。
モチベーションを保つために食べられる野菜がオススメ
せっかく植物を育てるなら実を食用にできるものが良いですよね!食べられると思えばモチベーションも上がり、三日坊主を防ぐ効果が期待できます。花が好きってほどでもないなら食用できる品種が良いのではないでしょうか。
アクシデントで食べるに至らない場合もありますが、葉が出ている時点でグリーンカーテンは成功なのでOKです。気楽に始めましょう!
なお無農薬で育てるとどこからか虫が登場してきますが、蜂に刺されないように注意してくださいね。
5月ならギリギリ間に合う! 気軽に始めよう
真夏の太陽を防ぐくらいに植物を成長させるのですから、準備は早めに済ませます。といっても種が発芽するのには適正温度というものがあり、へちまとゴーヤの場合は25℃〜30℃! 4月の気候ではちょっと難しいですよね。
身近な材料でキッチンに置けるサイズの温室も作れますが、それが面倒くさくてたまらない場合はいっそ5月に入ってから種を蒔くのもアリです。グリーンカーテン完成は遅くなりますが大したロスではありませんでしたし、スタートできないより100倍マシです。
電気料金も例年より安くなったため、グリーンカーテンによる効果も出ていたと考えられます。皆さまもぜひ、チャレンジしてみてください!