炊飯器の電気代を実際に計算してわかった6つのポイント

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炊飯器の電気代を実際に計算

炊飯器の電気代の求め方とは?

炊飯器の電気代は、次の式で求めることができます。

〔炊飯時の消費電力量(Wh)×炊飯回数+保温の消費電力量(Wh/h)×保温時間(h)〕×電力使用量単価(円/kWh)=炊飯器の電気代(円)

炊飯器の機種ごとの炊飯時の消費電力量や、保温にかかる消費電力量は、取扱説明書にスペックとして明記してあるものがほとんどですので、ご家庭で使っている機種のものを一度確認してみてください。

エアコンなどの家電と異なるのは、炊飯器が「炊飯時」と「保温時」で大きく消費電力量が変わるという点です。
そのため、炊飯器の電気代を求めるときには、炊飯時と保温時2種類の消費電力の情報が必要だということです。

次に、実際に消費電力量、電気代を求めてみましたので、解説していきますね。

炊飯器のタイプ別の電気代の比較

炊飯器のタイプ別の電気料金を基準単価27円で計算してみました。

炊飯器のタイプ 炊飯にかかる電気代 保温1時間にかかる電気代
IH炊飯ジャー 3.89円 0.40円
圧力IH炊飯ジャー 3.60円 0.43円
マイコン炊飯ジャー 4.32円 0.51円

上記の表から分かることは、IHタイプよりもマイコンタイプのほうが電気代がかかるという点です。
節電を考えている方は、炊飯器を購入するときの目安にすると良いと思います。

炊飯器の合数による電気代の比較

同じタイガー魔法瓶の炊飯器の合数別に電気代を基準単価27円で計算してみました。

合数 炊飯にかかる電気代 保温1時間にかかる電気代
3合 2.55円 0.38円
3.5合 3.38円 0.33円
5.5 合 4.86円 0.40円
8合 5.53円 0.52円

上記の表から炊飯器のサイズが大きいほど電気代も高くなるのが分かりますね。

炊飯器の消費電力量と、実際の電気代を計算してみた!

電卓と電球と観葉植物

炊飯器の消費電力量は、大手通販サイトで人気の機種を参考にし、炊飯時消費電力量180Wh/回、保温時消費電力量14.9Wh/hとして計算しました。

なお、電力量単価は、新電力の基準単価を参考に、27.0円/kWhを使用します。

パターン1 1日に1回炊飯し、12時間保温する場合

朝にまとめて炊飯し、夜まで保温し続けるパターンです。

この場合、消費電力量は、1日あたり180Wh+14.9Wh/h×12h=358.8Whとなり、電気代は358.8Wh×27.0円/kWh=約9.7円と計算できます。

これを月に換算すると、9.7円×30=291円です。

パターン2 1日に3回炊飯する場合

ご飯を食べるごとに炊飯し、食べきるパターンです。

消費電力量は、1日あたり180Wh×3+14.9Wh/h×0=540Whとなり、電気代は540Wh×27.0円/kWh=約14.6円と計算できます。

これを月に換算すると、14.6円×30=438円です。
1日に1回炊飯し、保温するよりも電気代が高くなっています。

パターン3 1日に2回炊飯し、朝から夜までの12時間保温する場合

朝炊いたご飯を夜まで持ち越し、夜は中のご飯を取り出して再び炊くパターンです。

消費電力量は、1日あたり180Wh×2+14.9Wh/h×12=538.8Whとなり、電気代は538.8Wh×27.0円/kWh=約14.5円と計算できます。

これを月に換算すると、14.5円×30=435円です。

パターン2よりはやや安い電気代ですので、1回の炊飯と12時間の保温がほぼ同じ消費電力量ということがよく分かる結果ですね。
実際に計算してみると、新しい機種では月に500円以下の電気代しかかからないので、意外と少ないと感じるのではないでしょうか。

経済産業省のデータによると最近の炊飯器の電気代は年間で約2000円で、年間消費電力は約81kWhとなっています。炊飯器のサイズは、最も使用されているIHタイプの5.5~8合炊きを元に計算されています。

ちなみに年式による年間消費電力と年間の電気代は下記の通りです。
かなり古いタイプを除いて炊飯器は、あまり年式により極端な電気代の差は見られません。

年式 年間消費電力 年間電気代
2012年 83kWh 2241円
2013年 82kWh 2214円
2014年 81kWh 2187円

ただし、2007年製になってくると電気代がかなり変わってきますので、最近の炊飯器に買い替えることでかなりの省エネにつながります。

炊飯器電気代比較

炊飯器の消費電力を抑える方法はあるの?

毎日使うからこそ、消費電力を抑えようという企業の努力が見える電気代の安さですね。とはいっても、やはり抑えられるのであれば1円でも安くしたいと思いますので、次に炊飯器の消費電力量を抑えるための方法をいくつかご紹介いたします。

炊飯器の消費電力は、同じ量のご飯を食べるときでも、使い方次第で抑えることができます。

ご飯は1回で必要な量を炊く

炊飯器の出来立てごはん

ご飯は何度もこまめに炊くよりも、1度炊いて保温しておいたほうが電気代は安く済みます。
手間もそのほうがかかりませんので、まとめて炊ける時には、ぜひまとめて必要な量を炊いておくようにしましょう。

エコ炊きモードを使う

炊き立てのご飯

エコ炊きモードは、機種によって搭載しているものをしていないものがあります。
エコ炊きモードを搭載している機種の場合は、利用すると1回当たり1円程度変わってくるものもありますので、少しでも安くしたいのであれば活用してください。
⇒炊飯器と土鍋の電気代とガス代を比較してみた!

冷凍と電子レンジを活用するして電気代を節約する方法

電子レンジ

ご飯は、炊き上がってからすぐに冷凍し、食べる時に電子レンジで温めれば、かなり炊きたてに近い美味しさが保てます。

電子レンジは消費電力が大きいイメージがあるかもしれませんが、例えば1200Wの消費電力の電子レンジを2分使ったとしても、消費電力量は40Whです。
1日に2回電子レンジを使っても、80Whですので、1回の炊飯時の消費電力量180Whの半分以下と、かなり電気代が抑えられます。

ご飯の電気代 熱いまま冷凍した場合

熱いご飯

では、ご飯を熱いまま冷凍した場合の電気代はいくらになるのか見てみましょう。

ここでは、炊きあがったご飯を熱いままタッパーに入れて冷凍した時の電気代を紹介します。
ご飯の量は2合で、ワットチェッカーで電気代を計測してみました。
ご飯の温度は約70℃でそのまま冷凍保存しますと、9時間冷凍した際の消費電力量は、約0.73kWhとなりました。

これに電力量単価をかければ、熱いままでのご飯を冷凍するのにかかった電気代を出すことが出来ます。
電力量単価は27円で計算します。

0.73kWh×27円=19.71円

熱いままのご飯を9時間かけて冷凍した場合の電気代は約19.71円という結果になりました。

どうでしょうか?
これを高いと見るかやすいと見るかは人それぞれかと思いますが、ご飯を冷凍保存するだけでも意外と電気代はかかってきます。

ご飯の電気代 冷ましてから冷凍した場合

ご飯を冷ましてから冷凍

では次に、ご飯を冷ましてから冷凍した場合の電気料金を見てみましょう。
ここでは、熱々のご飯を15分ほど冷ましてから冷凍しています。
ご飯の温度は約40℃で、こちらも9時間冷凍した際の消費電力量をワットチェッカーで計測しています。

結果はと言いますと、消費電力量は0.6kWhとなりました。
熱々のまま冷凍した場合は0.73kWhでしたから、冷ましてからのほうが消費電力量を抑えられています。
電気代は0.6kWh×27円=16.2円と約3円も電気代が安くなっています。

タッパーとラップでの保存!どっちが電気代が安い?

タッパーとラップでの保存

でも、ご飯は熱いうちに冷凍保存したほうが美味しいって聞きますね。
それは、ご飯の湯気からお米の水分は失われていくからです。
ですから、熱いうちに保存してしまったほうが旨味が逃げず、冷凍ご飯でも美味しく頂くことが出来ます。

「確かにそうだけど電気代が…」と思うところですね。
熱いままのご飯を電気代を節電しながら冷凍保存することって出来ないものでしょうか?

そういうわけで実験してみました。
今回は、熱いままのご飯をタッパーに入れ周囲には何もおかずに冷凍保存した場合と、平らにラップで包んで冷凍した場合の2通りで実験してみました。
しっかりとワットチェッカーで計測しました。

さあ、結果は如何に…。
まず、タッパーに入れて周囲に何も置かないで保存した場合の消費電力量は、9時間で0.59kWhとなりました。
これに電力量単価27円をかけますと、0.59kWh×27円=15.93円。
なんと、15.9円と先程よりも電気代が安くなっています。

ラップで平らに包んだご飯

では、次にラップで平らに包んだ場合の消費電力は、9時間で0.62kWhという結果になりました。
これに、27円をかけますと0.62kWh×27円=16.74円。
上記のタッパー保存時よりも電気代はやや高いですが、それでも始めの保存方法よりも電気代を節約できています。

組み合わせで「エコ」に使おう

虹と木の芽

今回電気代を解説した炊飯器は、毎日おいしいご飯を食べるためにとても便利な道具ですが、保温機能を長時間使ってしまったり、1日に何度も炊飯したりすると、電気代が割高になってしまいます。

炊飯器を上手に使うコツは、絶対に炊飯器でなければいけないシーン以外では、冷凍庫や電子レンジなど他の家電と組み合わせて使うことです。

例えば、長時間の保温は電気代がかさむだけではなく、ご飯の味も落ちてしまいますが、保温はせずに冷凍しておき、食べたい時に電子レンジで温めれば、電気代が安く済むだけではなく、ごはんも美味しく食べられます。

毎日のことですので、よりエコに家電を使えるよう、工夫して上手に活用していきましょう。