蓄熱暖房機のメリットとデメリットとは

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蓄熱暖房機のメリットとデメリット

蓄熱暖房機は皆さんご存知だと思いますが、メリットとデメリットについて理解を深めるためにこの機会におさらいしておきましょう。
蓄熱暖房機は、深夜の電気代が安い間に翌日使う蓄熱用のレンガを温めておき、それを放熱することで部屋を暖かくする暖房器具のことです。

オール電化の普及に伴い、寒い地域では蓄熱暖房機を取り入れる家庭も増えていますが、最近では関西方面でも採用されることが多くなってきています。
深夜の時間帯を利用するので、「電気代の節約になる!」と思われがちですが、

  • 「思ったより電気代がかかる」
  • 「そこまで節約を期待できない」

という声もあります。
蓄熱暖房機の導入をお考えの方は、ここで勉強しましょう。

蓄熱暖房機のメリット

家全体が暖かい

これは当然のメリットといえますが、「家全体が温かくなるのがいい」という声が圧倒的に多いです。
エアコンでも暖房の場合は、部屋から出て廊下やお風呂場へ行くときが寒い、ということがありますが、蓄熱暖房機を使用すると全館暖房のようにどこへ行っても暖かいのです。
またストーブなどのように、火が直接でているわけでないので、小さな子供やペットのいる家庭でも、やけどや火事の心配がなく使える点もメリットです。

耐久性がある

蓄熱暖房機は構造が単純な為、壊れにくく、特別なメンテナンスも必要ないのがメリットです。
10年はノーメンテナンスで故障せずに使用出来る方が多い様です。

24時間暖かい

夜蓄熱している間も放熱してくれるので、寒くなる時間が存在しません。エアコンのように「スイッチを切っている時間は寒い」ということがありません。
家全体が暖かい、24時間暖かいという効果は暖房として理想的ではないでしょうか。
しかし、電化製品に付きもののデメリットもあります。

蓄熱暖房機のデメリット

操作が面倒

これは人によって様々ですが、操作が面倒という声もあります。正確には操作が面倒というよりは設定するのに、翌日の気候や気温などを調べて、機器の設定をする必要があります。
機器の操作自体は難しくない機種が多いですが、わざわざ翌日の天気などを調べるのが面倒、という人もいます。でも快適に翌日過ごすためには、労を惜しまず、的確な温度に設定した方が後悔しなくてよいでしょう。

急な温度変化は見込めない

また設定を間違えると、家の中が暑過ぎたり、寒すぎたりするので、「もう少し温かさを追加したい」と感じても、設定どおりの蓄熱量しか蓄熱されないので、融通が利かない点があります。
また、通常の家だと蓄熱暖房機だけでは温まりづらいので、エアコンと併用した方がよい、という意見もあり、高機能住宅向きの暖房法という見方もあります。

サイズが大きい!

蓄熱暖房機はサイズがかなり大きく、(例:ユニデール製6KW 幅1226、高さ672、奥行き250)邪魔に感じる方もいるようです。
また1台で暖房、冷房とエアコンのように使えるわけではなく、暖房に1台、冷房に1台とそれぞれ必要となるので、さらにスペースを専有することになります。

重さは1台で100kg以上あるので、自力で移動させるのは難しい点なども難点と言えるでしょう。
機器の価格は焼17万から38万くらいと割と高価な製品になります。耐久性がよいことを考えればそこまで高額ではありませんが。

空気の乾燥について

蓄熱暖房機は風を送ったりして部屋を暖める方法でない、ということは、エアコンで悩みがちな「空気の乾燥」とは無縁なの?という声が聞こえてきそうですね。
確かに、蓄熱暖房機は温めた風を吹き出す方法ではありませんが、どうしても科学的なしくみから空気は多少乾燥してしまいます。

冷たい空気が温かくなるということは、水蒸気をあまり含まない冷たい空気が温められることで膨張し空気の量だけが多くなります。結果、水分量のすくない乾燥した空気となってしまうのです。このような理由から、どの暖房器具であっても空気の乾燥は免れません

加湿器を置いたりして、乾燥の対策をたてることはできます。また蓄熱暖房機の場合は、火災の心配が少ないので、暖房器具の近くにぬれタオルを置いて、効果的に乾燥を防ぐ対策をとることもできます。

無駄な運転をなくす

数日間家を空ける場合は、ファンやタイマーを切っておいたり、家に居る時でも、ファンを回すのは必要な時だけ回すようにして、戸を開けたりすることで済むのなら、ファンを回さず電気代を節約することができます。
また冬が終わり、蓄熱暖房機を使用しなくなる場合は、コンセントから抜いておきブレーカーから切ると、わずかではありますが、電気代の節約になります。

蓄熱暖房機しくみ

蓄熱暖房機は大型で、室内に置いても幅をとりますが、中身はシンプルな造りとなっています。
まず電熱線があり、そこに通電し熱を発生させます。その周りを取り囲むように耐熱レンガがおいてあり、耐熱レンガに熱が蓄積されるしくみです。

これが基本のしくみとなって内臓されていますが、中にはタイマーが内臓されているタイプや、ファンが付いているタイプなどあります。

蓄熱暖房機のメーカーには次のようなメーカーがあります。

メーカー
1 STIEBEL ELTRON
2 日本ナイスト
3 白山製作所
4 北海道電機

あたため方が違う?エアコンと蓄熱暖房機の違い

エアコンも、蓄熱暖房機も寒い時に部屋が暖かくなりますが、暖め方はどう違うのでしょうか。
エアコンの方は対流式という暖め方になり、空気を直接暖める方法になります。この方法の良い点はすぐに室内の温度が上がることと、各部屋各々に設置することで、その部屋自体を個別に暖かくすることができます。

また蓄熱暖房機の場合は、輻射式とよばれる暖め方で、空気ではなく壁や床、天井などを暖めてそこから出る赤外線によって室内を暖かく使用とする方法です。この方法の良い点は、温風を吹かす必要がないので、埃やハウスダストが舞いにくく、部屋によって温度差が少なく、低めの温度設定でも快適に過ごせる点が挙げられます。

このようなメリットから選ばれる傾向として、エアコンは長時間家に滞在している人がいない(共働きなど)家庭に向いていて、蓄熱暖房機はよく家に滞在している人がいて、長時間暖房を使用する家庭に向いていると言えます。

蓄熱暖房機の電気代はいくら?


蓄熱暖房機の節電

新築の1軒屋で使用した場合、一か月の電気料金が2万円台前半だった、という家庭があります。
この電気代を高いと捉えるか安いと捉えるかは満足度からも違うようです。
「他の暖房器具に比べ電気代が低い」という声は少ないようですが、「この暖かさでこの電気代は安い」と感じる声もある為、一概に高い安いが言えないというのが現状ですね。

電気料金のプランは?

蓄熱暖房機は夜間に蓄熱板を温めるので、夜間の電気料金が安いプランを契約するのがお得、ということがわかりますよね。
電気料金のプランには様々あり、夜間帯は安いけれど、その分昼間は料金が高いというプランもあります。

自分にとって一体どのプランが一番お得かわからない場合もあると思うので、自分の家庭ではどの時間帯に電気をたくさん使うのかを書き留め、電気会社のプラン事の時間帯別の料金を見比べてみてください。利用状況によって、お得なプランがきっと見つかるはずです。

おわりに


蓄熱暖房機の節電

いかがでしょうか。蓄熱暖房機という暖房の方法を初めて聞いた方もいるかもしれません。
今は主に寒い地域での需要が多いようですが、オール電化の普及に伴い、他の地域でも徐々に普及しているのが現状です。
蓄熱暖房機は電気代がかかる、と思っていた人も、夜間帯に安い電気料金プランを取り入れればよいことや、節電の方法があることで、以前より少し興味深く思っていただけたかと思います。
エアコンや電気ストーブとはまた違い、部屋全体にぬくもりを与えてくれ、寒い時期を心地よく過ごせるる蓄熱暖房機が、広く普及する日は、そう遠くはないかもしれません。