電気代を滞納したら適用される「1アンペアブレーカー」ってなに?

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1アンペアブレーカー

通常、電気料金を滞納するとやがて電気供給をストップされてしまうと思うはずです。しかし、実は滞納しても少量の電気が使えることは意外と知られていません。

電気料金を滞納すると、ご家庭に設定されているブレーカーの分電盤が1アンペアのものに変えられます。それが「1アンペアブレーカー」です。ここでは、1アンペアブレーカーについて詳しく解説します。

電気供給が停止になるまでの流れ

暗闇で光る豆電球

電気料金の検針が行われると、ご家庭に電気料金の払込書が送られてきます。一般的に、支払期限は検針した日から30日以内になっています。30日を過ぎても、そこからさらに20日以内に支払えば電気は止められません。ただし検針から30日を越えると、電気料金に年利10%の延滞金が加算されることもあります。

電気料金は銀行引き落としや、払込書での支払いなどいくつか支払い方法があります。引き落としの場合は口座に料金分のお金が入っていない、払込書の場合は期限までに支払われないと、電気料金の滞納になってしまいます。

電気料金の支払期限は、上記のように検診日から30日目までが1回目の支払期限で、50日目までが2回目の支払期限です。送電停止措置が行われるのは50日目以降ですが、何日目に電気を止められるかは電力会社によって差があります。大まかに計算すると、電気料金を滞納して送電停止されるまでは、およそ2ヶ月ぐらいだと言えます。

ただし、通知無しで急に止められることはありません。30日を越えて滞納した場合、督促状が送られ、さらに送電停止予告状も送られます。督促状の段階では料金を支払えばすぐに送電開始されますが、送電停止予告状が来た場合は早めに料金を支払わないと、いよいよ送電停止になってしまいます

電気料金を滞納した場合の救済措置が「1アンペアブレーカー」

電球

電気料金を滞納しているといずれ送電停止されてしまいますが、その場合でも電気が使えるケースがあります。それが1アンペアブレーカーです。

1アンペアブレーカーとは、その名の通り1アンペア分の電力を供給するブレーカーのことです。そのため、1アンペア以内の電気なら使用可能です。電流の大きさを示す単位が「A(アンペア)」で、1アンペアは100Wの白熱電球1個分にあたりますので、最低限の明かりだけは確保できます

また、LED電球も1アンペアより低いため1アンペアブレーカーでも使えます。ちなみにアンペアは、W(ワット)÷100V(ボルト)という計算式で求めることができます。

テレビはおよそ2アンペア、エアコンはおよそ6アンペア、電気ストーブはおよそ10アンペア、電子レンジはおよそ15アンペアです。そのため1アンペアブレーカーの場合、電球以外の電気機器は使えません。

1アンペアブレーカーが導入された背景には、過去の事故があります。

以前は電気料金を滞納し電気が止められた家庭で、明かりを確保するためにロウソクを使っていたところ、ロウソクによって火災が起きてしまいました。この事件を再発させないために、最低限の明かりを確保出来る1アンペアブレーカーが導入されました。

もちろん1アンペアブレーカーによって白熱電球を使用しても、電気料金は発生します。1アンペアを1時間使用すると、電気料金は2円から3円ぐらいになります。

アンペアブレーカーについて

「アンペアブレーカー」は、電力供給契約の契約アンペアを超える電流が流れると、自動的に電気供給を停止させる機能を持っています。電流制限器という名称でもあり、一般的にご家庭にあるブレーカーの分電盤で左側に設置されています。アンペアブレーカーによって過負荷を防止し、適正な電気の使用ができるようになっています。

電気を使いすぎるとブレーカーが落ちると言いますが、ほとんどの場合がアンペアブレーカーが動作した事による電気供給停止です。
ブレーカー3つの部位とそれぞれの交換費用相場

電気料金を早めに支払って電気復旧!

電気復旧

もし、電気料金を滞納して1アンペアブレーカーの契約に切り替わってしまったら、早めに料金を支払って電気復旧をしてもらう必要があります。

電力会社からの振り込み用紙があれば、期限切れでもコンビニなどで支払うことができます。口座引き落としの場合も、滞納しているとハガキでその後の支払いについて案内がきますので、それを参考に支払いが可能です。

コンビニで振り込み用紙を使って支払いを行うと、その情報がすぐに電力会社に提供されます。ただ、早めに電気復旧をしてもらいたいなら、その後電力会社のサポートデスクや料金センターに電話し、送電再開の手続きを行ってもらいましょう。そうすれば、一般的に2時間程度で送電が再開されます。

今回ご説明したように、電気を滞納しても最終的に電気の供給が停止するわけではなく、1アンペアブレーカーの契約に移行することが分かりました。

とは言っても、火災事故を防ぐため最低限の明かりを確保できる程度の電力しか使用できません。

もし1アンペアブレーカーになってしまったら、上記の手順で早めに電気を復旧してもらうようにしましょうね。