スマートメーター普及が与える影響!電気がもっと安くて便利に?

電気の使用量がわかりやすいスマートメーター
電力の自由化を進めるにあたっては、おこなわなければならないことがいろいろありますが、その一つにスマートメーターの整備があります。 スマートメーターとは、毎月の検針業務の自動化や、HEMS(Home Energy Management System=住宅用エネルギー管理システム)などを通じた電気使用状況の「見える化」を可能にする電力量計のこと。 このスマートメーターの導入によって、利用者は電気の使用状況をより詳しく把握できるようになるほか、電力会社は多彩な電気料金メニューを提案することが可能になります。また、社会全体の省エネ化への貢献や、将来的に電力供給をするための設備投資を減らすことなども期待されています。
スマートメーターのメリットって?
ここで、スマートメーターとはどういうものか、そしてそれを導入するメリットはどんなところにあるのかについて簡単にみてみましょう。
【メリット1】 使用量を30分ごとに計測
従来は月1回の検針により1か月間の総使用量を計測していましたが、スマートメーターを導入することで毎日30分ごとに計測できるようになります。 この使用量データを活用することで、利用者は電力使用量をより詳細に把握できるようになり、一方で電力会社は電気の使われ方に応じてさまざまな料金メニューを用意することが可能となります。
【メリット2】 遠隔からの検針が可能
これまでは検針員による目視検針が必要であり、現地の状況によっては利用者による検針の立ち合いも必要でした。しかしスマートメーターが設置されれば遠隔での検針が可能となるため、検針員の人件費削減や立ち合いの省略などが可能となります。
【メリット3】 宅内向け通信機能を搭載
スマートメーターで計測した使用量は、HEMSなどをはじめとする宅内端末へリアルタイムで送信することが可能。その情報を活用することで、電気の利用が多い時間帯を避けるなど、より効果的な省エネを実施することができるようになります。
スマートメーターの設置計画
スマートメーターはどのような計画で設置が進められるのでしょうか? 東京電力では2014年度(平成26年度)から2020年度(平成32年度)までの7年間で、サービス区域内すべてにスマートメーターを設置できるよう、検討を進めているようです。 また、通信機能に関する技術検証を目的に、2014年(平成26年)4月から東京都小平市の一部地域で1000台ほどを設置。 さらに同年7月からは東京都全域、同年度後半からは東京電力の全エリアにおいて、有効期間が満了した従来メーターの取替のほか、新築などにおける新たな電気の利用申込みに合わせた設置を実施しています。
【表/東京電力のこれまでのスマートメーター設置について】
年月 | 内容 |
2014年4月 | 小平市で試験的に1000台ほどを設置 |
2014年7月 | 都内で新築時にスマートメーターを設置、および有効期間が満了したメーターを取り替え |
2014年後半 | 東京電力管内で新築時にスマートメーターを設置、および有効期間が満了したメーターを取り替え |
東電では2015年7月から本格スタート
なお、スマートメーターを活用したさまざまなサービス(自動検針や詳細な電力使用量の見える化等)は2015年(平成27年)7月から本格的にスタートし、将来的には早期設置を希望する利用者の要望にも対応していくとのことです。 わたしたちの暮らしに密接に関係している電気のことですが、スマートメーターという言葉を初めて聞くという人も多いのではないでしょうか。これからの電力全面自由化に向けて、わたしたちは積極的に情報を収集する必要がありそうです。