楽に電気代を安くする!契約アンペア引き下げのメリットとリスク

値上がりを続ける電気代が支出を押し上げる中、とても楽な方法で光熱費をカットする方法が注目を集めています。契約アンペアの引き下げ、アンペアダウンと呼ばれる方法です。
契約アンペアを引き下げる?アンペアダウンとは?
現在多くの人が検討しているアンペアダウンとは、契約アンペア数を引き下げて電気代を確実に節約していきたいというものです。
電力会社によって契約の名称や内容は異なりますが、ほとんどの家庭が契約している従量電灯プランは、契約アンペア数によって基本料金が上下します。毎月支払っている電気代の内訳は“基本料金+実際に消費した電力量に電気料金単価をかけたもの”がベースとなっており、基本料金は契約アンペア数の大小で決定されています。ちなみに、電気料金単価は契約プランによって変化するのでアンペアダウンの影響を受けません。
アンペアダウンが電気代の節約になる理由
アンペアダウンを行うと基本料金が安くなり、月々の電気代を確実に抑えられるというメリットがあります。下記にある表は東京電力の契約アンペアと、その基本料金(税込み:2015年時点)です。現在40アンペアで契約している家庭が30アンペアに契約を変更した場合、一度に使える電気はおよそ1000程度減りますが、電気代の基本料金は月々約280円、年間で3360円安くなる計算になります。
例:東京電力のアンペア数と基本料金(従量電灯契約)
契約アンペア(A) | 10 | 15 | 20 | 30 | 40 | 50 | 60 |
基本料金(税込) | 280円8銭 | 421円2銭 | 561円6銭 | 842円4銭 | 1,123円2銭 | 1,404円0銭 | 1,684円8銭 |
契約アンペアの検討はココに注意!
ブレーカーが落ちやすくなる
契約アンペアを引き下げれば、そのぶん同時に利用できる電気の量が減少します。契約アンペアを超える量の電気を一度に使用すれば当然ブレーカーが落ちるので、家電の使い方には一層の注意が必要となります。頻繁にプレーカーが落ちるとPC・HDDレコーダーなどの機器が故障する原因にもなるため、少しくらいは余裕をもってアンペア数を検討するべきです。
電子レンジの消費電力によくある勘違い
電子レンジで加熱するときに、500Wとか1000Wなどの出力設定がありますよね。しかし、この数値は加熱時の消費電力量ではありません!この1000Wとは定格高周波出力と呼ばれており、レンジ内の物を温めるのに使用されるエネルギーです。その上に電気から電磁波への変換中にロスされた電力が加算されたものが、電子レンジの消費電力量となります。変換効率は機種により異なりますが、アンペア検討の際にはこのように分かりづらい消費電力があることも踏まえて、アンペア数に余裕を持たせる必要性があります。
ブレーカーを上げる直前に必ずやること
アンペアダウンが原因で落ちたブレーカーをそのまま復旧すると、復旧の瞬間に発生する過電流(突入電流)による火災のリスクが高まります。例えばドライヤーを使った瞬間にブレーカーが落ちた場合は、ブレーカーを戻す前にドライヤーのスイッチをオフにするなどの行動が必要です。
季節ごとの変更はできない
電気は基本的に年間契約となっており、1度ダウンアンペアを行うとその後1年間はアンペア数の変更ができなくなります。契約アンペアの変更を検討する際は、1年を通じた家電の使い方をよく振り返り、最もたくさん電気を使うタイミングに合わせて選ぶことがとても重要です。
アンペアダウンのまとめ
電気料金と密接な関わりを持つ契約アンペア、そしてアンペアダウンのメリットとリスクを解説しました。最後に要点をまとめると、アンペアダウンで基本料金が安くなる。電気使用料金は安くも高くもならない。一部電力会社は契約アンペア数が基本料金に影響しないため、ブレーカーの交換でアンペアダウンをしても金銭的メリットは無い。ブレーカーが落ちないように、余裕を持って設定することが重要。契約用安全ブレーカーの交換を無料で行える可能性が高いものの、例外もある。
以上のことに気をつけながら、電気代の無駄を削減できないか検討してみましょう!