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原発コストを新電力も負担?!家庭の電気料金にどう影響する?

鍵

東京電力福島第1原発事故の後処理にかかるコストを新電力も負担する可能性が高まりました。今起こっていることと、家庭に及ぼす影響は?
※2016年10月24日 追記あり
※2016年10月25日 追記あり

今起こっていることをチェック

政府は原発の廃炉・福島第1原発事故の賠償費用負担を新電力にも求める方向で調整に入ったことが明らかとなりました。(9月7日)

これが一体どういうことなのか、これから一体何が起こるのか。現行制度や様々な要因を振り返って整理してみましょう。

現行制度では原発を保有する電力会社が原発コストを負担

現行制度だと、賠償はもちろん廃炉費用も大手電力会社が負担することになっています。

福島第一原発事故の賠償については国の認可法人「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」から東京電力が資金の交付を受けており、同機構の資金は大手電力が負担金を納付しています。原子力事業者は損害賠償責任保険への加入等を法律によって義務付けられており、また原子力損害賠償補償契約によって補償料を納付することを定められているからです。

電力自由化も影響?

東京電力はこれまでに1,889億円の補償金と5兆6,908億円の資金交付を受けていますが、2016年1月末までに支払う賠償額はこれらの合計金額を上回る見込みだと判断。そこへ電力自由化による顧客流出で大幅に減収減益に陥り、賠償費用・廃炉費用を自社のみでは負担しきれないとし、7月には国に支援要請をしていました。

廃炉や賠償にかかる巨額の費用は本来、原子力発電所を保有する大手電力会社が負担することになっていました。しかし電力自由化で消費者が原発を避けたり、料金の安さに惹かれたりなどで新電力に移る大手電力会社離れが起こり、費用負担ができなくなる可能性があるとしているのです。

そうして東京電力は資金難を訴え、政府が検討したのが、賠償費用・廃炉費用の負担を新電力にも求めることだったのです。

東京電力は託送料金で稼げるのでは?

託送料金で大手電力会社は安泰?

電力自由化で電気の契約先を変えても電気の質や安定性は変わらないと言われるのは、電気を家庭に届ける送配電網を維持する事業者が今までと同じ大手電力会社だからです。新電力が販売する電気も東京電力が所有する送配電網を通るため、電気の通行料のような託送料金を支払う必要があります。

つまり電力自由化で東京電力管内に多数の新電力が参入しているのだから、彼らからの託送料金が収入源となって東京電力は潤っているはずなのでは?という疑問です。

送配電分離が進む東京電力の収支は…

2016年の電力自由化は小売電気事業者が自由に参入できて価格競争が促されるものですが、電気を届ける送配電網、それを管理する送配電事業は自由化されていません。

電力自由化という一連の改革のため、すでに決定された発送電分離をいち早く実践しているのが東京電力です。東京電力は分社化し、電気を小売する「東京電力エナジーパートナー」と電気を届ける送配電事業の「東京電力パワーグリッド」、発電事業の「東京電力フュエル&パワー」に分かれました。新電力が登場してユーザーの流出が起こっているのは電気を販売する小売電気事業のみで、東京電力管内の送配電は今なお東京電力1社が独占しています。

電力自由化の発送電分離。いち早く分社化した東京電力初の収支公表

関東エリア向けの新電力は託送料金を東京電力パワーグリッドに支払うことになるため、「東京電力エナジーパートナー」のユーザーが減って収益が減っても送配電事業で補えそうな気がしませんか?それをさせないのが法的分離です。分社化した3社は別の会社として扱われて、小売電気事業者同士を公正に競い合わせる仕組みになっていきます。

そして注目したいのが東京電力の分社化後、初めて公表された四半期決算です。東京電力の小売電気事業の売上高は前年比2866億円減り、送配電事業は前年比137億円の増収だったということ。託送サービスで潤っている…とは言いがたいですね。託送料金が意外と安かった、あるいは累進性(3段階料金制度)の電気料金が相当大きな収益だったということでしょう。

ユーザーの流出で小売電気事業の収益が悪化すると、確かに東京電力HD全体の収益は減ってしまうようです。

形勢逆転?原発事業者自ら工面させる方針へ(10月24日追記)

経済産業省の23日発表によると、運転終了後の原子力発電所の廃炉費用は原則として大手電力などの原発事業者自らが工面する方針を固めました。まだ確定ではありませんが、新電力の廃炉費用負担が避けられる可能性が出てくる展開を迎えましたね。

今後の展開に注目し続ける必要がありますが、今回の件は年内にまとめられる電力事業の規制緩和について議論する経産省の有識者会議の報告書に盛り込まれる見通しです。最新情報が入り次第、こちらでもお伝えする予定です。

一転!新電力も廃炉費用一部負担の方針を固める(10月25日追記)

原発の廃炉費用の行方が二転三転しましたが、経済産業省の新しい発表によると原発の廃炉費用を新電力も一部負担する方針で固まった模様です。一部とは、どういった内容でしょう?新電力に求められる廃炉費用、そうでない費用の違いまで発表されています。

新しい方針により新電力に負担がかかるのは、大手電力会社が自主的に廃炉を決めた原発の廃炉費用の一部とのこと。現在稼働中、あるいは再稼働を目指している原発については廃炉費用(解体引当金)を大手電力会社が積み立てる義務をもつことに変わりはなく、新電力への一部費用負担は及ばない模様です。

廃炉が決まっている原発、稼働中・再稼働を目指している原発に分けて対応が変化しますが、将来的に現存する全原発が老朽化を迎えて廃炉が決まった時、その費用負担がどのようになるかは未知数。

2020年の発送電分離によって電力自由化が完遂された後、大手電力会社の収益が縮小して費用を賄いきれず廃炉に踏み切れないといった事態を懸念しているそうで、2020年以降は新電力も廃炉費用を一部負担する必要があると判断したようです。

新電力が廃炉費用を負担するのが確定した場合、その金額は託送料金に上乗せされます。電力会社が家庭に電気を送るのに避けては通れない道なので、電気料金に上乗せされて最終的には消費者が負担することとなるでしょう。

これまで原発の安価な電気を使ってきた消費者が廃炉費用負担を避けて新電力に逃げることを許さない、というのが大筋の主張のようです。一定の理があるようでどこか腑に落ちないのは、家庭の電力販売で得た利益の積立が甘かったのではと感じてしまうためでしょうか。

当初、新電力が廃炉費用の負担を求められたのは多額の倍賞を伴う福島第一原発の件だったのが最終的に全原発の廃炉について費用負担を求められる方針に移りつつあり、消費者に請求される電気料金の行方が気になるところです。

では、当初の方針にあったように福島第一原発の廃炉費用を新電力も負担する方針で進んでいたらどうなっていたのでしょうか?

新電力が負担する場合の電気料金への影響?

原子力発電をもたない新電力に突如降りかかった今回の話ですが新電力に及ぼす影響は大きいでしょう。電力小売事業は薄利多売の世界と言われるなか、新電力はあらゆる方法を用いたコストカットにより電気料金を下げて顧客獲得を目指しています。

このまま原発コスト負担が決定された場合、すでに限界までコストカットを済ませた新電力が取る方法はほぼ一つでしょう。電気料金への上乗せです。政府の想定によれば、3人家族の標準モデルで月額数十円から200円程度の負担増になるとのこと。

このくらいの金額だと、単身者が電力会社を切り替えた時に節約できる額とほぼ同じですね。新電力に乗り換えた時の節約金額で相殺できる可能性が高いです。逆に言うと、相殺されてしまう可能性も高いです…。

電力自由化は無意味になっていない?電力業界の選択

廃炉費用を新電力も負担する方針が固まったと聞いて、脱原発を目指して電力会社を乗り換えた方は特にガッカリさせられたニュースでしたね。ただ、廃炉費用が請求されることと発電方法に原発を選択していることの違いを加味して頂きたいところです。

再生可能エネルギーをピックアップする新電力に契約したユーザーの行動はこれまでどおり反原発の意志表明として機能します。自由競争を促す電力自由化が意味を失ったということは決してありません。

電気のリテラシーを高め、電力自由化でいち早く消費者の行動として昇華したように、今後も登場する新電力や新しい電気の試みをしっかりと見定めて応援しましょう!それこそ電気販売が多様化する社会の中で、選択の自由を持つ消費者が持つ最大の手段なのですから。

どうなる!? 電力自由化の今後!

新電力が原発廃炉のコストを負担するようでは、消費者が電力自由化に求めたメリットが大きく損なわれてしまいます。今後も電力自由化がどういった方向性に進むのか、しっかりと見極めなければなりません。

脱原発を求めるなら、原発をもたない電力会社を消費者が選んだことを行動で示すことが必要です。あなたの電気、見直してみませんか?

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