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電力自由化

電力自由化の海外事例 スペインのエネルギー市場の現在と未来

サグラダファミリア

スペインは日本と同様に化石燃料の資源が乏しい国ですから、石油や天然ガスなどのエネルギーのほとんどは輸入に頼ってきました。スペイン政府は1970年のオイルショックを機に危うくなったエネルギー事情を改善しようと、原子力発電、省エネ、国内炭の開発などの推進に着手しました。

しかし、その後1979年には米国のスリーマイル島で、さらに1986年にはウクライナのチェルノブイリなどで連続して起こった原発事故の影響で原子力の開発は頓挫してしまいました。仕切りなおしを迫られたスペインは、地球温暖化対策とエネルギーの安全性の観点から、電力に関する次の二つの取組みを開始しました。


① 燃料の石油・国内炭依存をガスへ転換
② 再生可能エネルギーの開発

この計画を推進した結果、その後スペインのエネルギー消費は、ガス25%、石炭11%、石油3%と大きく変わり、ガスを主力にすることに成功したのです。

また計画の2番目である再生可能エネルギーの開発では、従来からの水力18%に、新たに風力21%、太陽光4%、太陽熱2%を加え、合計45%まで拡大することに成功しています。これによって今では再生可能エネルギーはガスと並ぶ主要なエネルギーに成長しています。

スペインは世界有数の再エネ発電国!

風力発電と太陽光パネル

スペインは日本の3分の1程度の人口4600万人の国ですが、ことエネルギー改革の分野では世界屈指の先進国で、日本より遥かに進んでいます。

特に再生可能エネルギーの進歩はめざましく、太陽光発電の導入はドイツに次いで世界第2位の座を獲得しています。それをよく示すように、発電量のほうも風力が2290万kwで世界第4位、太陽光が460万kwの世界第6位という実績を上げてています。

スペインが頭を痛めている電力会社の巨額赤字

世界有数の再エネ発電国になったスペインですが、実は喜んでばかりいられない事情があります。それは再エネ電力の急増によって電力会社に260億ユーロ(約3.4兆円)という巨額の累積赤字が生まれたからです。

こうした状況を改善しようと、これまで再エネ発電の成長を支えてきたFIT(固定価格買取制度)を2012年に一時停止することを余儀なくされました。

その後2014年になって再び買取が始まりましたが、買取価格は大幅に引き下げられただけでなく、買取期間の短縮、再エネ電源の導入制限などの厳しい条件が付けられたため、その後スペインの再エネによる電源の新設は次第に減少へ向かっていきました。

スペインは1994年に再エネの固定価格買取制度(FIT)を導入

1994年と言えば今から20年以上も前ですが、スペインではこの年代に既に再生可能エネルギーの固定価格買取制度を導入しています。これは日本の2012年と比べると驚くべき早さではないですか。

これだけ見てもスペインが世界有数の再エネ発電国であることがよく分かります。1994年の導入以後も2007年まで、買取価格は段階的に引き上げられ、スペインの再エネ導入量は次第に増加していきました。

スペインでは2003年に電力全面自由化が始まった

電球と家と太陽光パネル

スペインのお膝元であるEUの電力自由化は早く、1990年代には既にその動きが始まっています。スペインはEU加盟国の中でも比較的電気料金が高く、健全な競争力の導入が強く求められていました。

その結果1996年に発足した国民党政府は、EUが義務付けた開始時期より1年速い1998年に実施に踏み切りました。その後、自由化の範囲を徐々に拡大していき、2003年1月に、一般家庭向けを含めた電力の全面自由化が始まりました。

二重構造(ダブルスタンダード)の複雑さを残す
自由化後のスペイン電力事情

2003年に電力小売が完全に自由化されたスペインですが、実はその後も自由料金市場と並んで規制料金市場が存在し続けているのです。

自由料金と規制料金が混在

電力全面自由化が実施されたはずのスペインですが、実は自由化後も料金は統一されておらず、自由料金を望むユーザーは電力小売業者、電力卸市場、電力輸入会社などから相対取引価格である自由料金で調達し、一方の自由料金市場へ参加を望まないユーザーは、自由化後もスペイン政府が規制料金を守るように義務付けた電力会社から、従来と同じ規制料金で供給を受けているのです。

これで分かるように電力完全自由化は電気料金の二重構造をもたらしたのです。この状態はその後も長く続き、2013年時点でも、電力会社から規制料金で供給を受けているユーザーは56.4%にも及んでいます。

自由化後もこれだけ多くのユーザーが規制料金を利用しているのは、決して安いとはいえない自由市場の料金の負担がユーザーの重荷なることを防止するためです。スペインの電気代はEU加盟国の中でも高い部類に属しているのも、こうした二重価格放任が理由の一つに挙げられます。

外国企業参入による電力業界の再編

電力全面自由化後のスペインでは、外国企業のスペイン企業買収による電力業界再編が進みつつあります。

とは言え、電力会社、電力輸入会社、外資系会社などの電力の売り手側と、規制料金ユーザー向けの電力供給会社、自由料金ユーザー向けの供給会社、電力輸出会社などの電力買い手側の多数の業者の参加による複雑な電力取引は、スペインの複雑な電気料金事情に少なからずの影響を与えているようです。

スペインのFITでの太陽光買取価格の変遷

太陽光パネルと緑

再エネ先進国にスペインですが、ここではFITによる太陽光発電の買取価格の推移を見てみましょう。太陽光発電の買取価格は当初は5kw以下と5kw超、に分けられており、5kw超の買取価格は5kw以下よりかなり低くなっていました。買い取り期間は30年と、長い期間の買取が保証されていました。

2004年

区分が100kw以下と100kw以上に変更され、買取価格も引き上げられました。その結果5kw~100kw設備の買取価格が大幅に上昇しました。

2007年

区分が100kw以下、100kw~10Mw、10Mw~50Mwに変更され、広い範囲の設備の買取価格が引き上げられ、爆発的な設備の倍増が起こりました。

2010年

買取価格のインセンティブを適用する年間上限時間が導入され、運転開始している設備にも遡って適用されました。

2013年7月

新たな設備と、これまでのすべての設備に対する再生可能エネルギーに対して固定価格買取制度が撤廃され、新制度への以降が発されました。

FIT撤廃以後の新制度

2014年に始まった新制度では市場価格での売買で妥当な利益獲得が困難と判断された設備には特定(支援)料金が支払われることになりました。妥当な利益の基準は設備閉鎖までの期間のIRR(投資収益率)が7.4%とされ、投資回収率が7.5%を超過すると、インセンティブは打ち切りになります。

スペイン エネルギー市場のこれから

迷うビジネスマン

スペインではその後電力自由化に関連した計画として、アナログメーターをデジタルメーターに交換する指示が全国の電力会社に出されています。その結果、その後はユーザーに時間ごとの電気料金システムが採用され、スマートメーターによる毎時間ごと異なる料金が請求されることになりした。

関係者はこの時間ごとの料金体系は今後も当分続くと見ています。一方自由市場における電気供給業者は料金体系を微調整することにより、将来に向かってより良い価格と割引制度を設けることで、規制料金側の時間ごとの電気料金に対抗する動きが出ているようです。

スペインのFITの巨額赤字は日本にとって他山の石

手を広げているビジネスマン

スペインの固定価格買取制度(FIT)は結局巨額赤字を残して撤廃されました。このような事態になったのは、経済や財政の事情により電気料金に上乗せ部分を転嫁できなかったことで、電気料金の徴収不足が次第に膨らんだ結果です。

したがって真の原因はFITの問題ではなく、スペイン政府の政策に無理があったと言うほうが妥当です。しかし、こうしたことは決してよそ事とは言えず、日本でも再エネ賦課金の増大という問題もあり、再生可能エネルギーに関する論議は今後ますます盛んになることが予想されます。

電力自由化後発の日本は、巨額赤字を残して挫折したスペインの例を他山の石として、同様の失敗を繰り返さないようにしなければいけません。

⇒電力自由化で再生可能エネルギーが主役の時代がくる?

まとめ

スペインは他のEU諸国と同じように電力自由化の先進国です。とはいえ、その推移を眺めてみますと、必ずしも成功したとは言えません。
スペインより大きく遅れて電力自由化を迎えた日本は、スペインを他山の石として、同じ轍を踏むことなく、なんとしても成功に導かなければいけません。

スペイン先輩を反面教師にできるのか!? 日本の未来は?

スペインの電力自由化には大きな課題が残されています。日本でも電力自由化が始まりましたが、まったく問題がないというわけではないというわけではありません。というのも電力自由化に参入した新電力会社は非常に多く、ご自身に合わないプランを選択すれば、損をしてしまいます。

しかしそんな懸念点も、電力会社を一括で比較できるタイナビスイッチを利用することで解決します。簡単・無料で診断できますので、ぜひ活用し、日本の電力自由化を成功に導きましょう。

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