韓国の暑さ対策サービスに困惑と怒りの声!日本のあの屋根は大丈夫?

2016年の酷暑は日本だけでなく、気候が似ているとされる韓国でも過酷な環境を住民に強いている模様。そんな暑さを乗り切るためにとある自治体が新しいサービスを行ったというのですが、韓国ネットユーザーからは困惑や否定的な意見が寄せられているというのです!その驚きのサービス内容に、日本にも多数存在するあの住宅の事が心配になってしまいます。
暑さを乗り切る韓国の珍サービス!その内容に驚き
ことの始まりは日差しの厳しい真夏日が続く2016年8月8日、低所得者に向けにとある自治体が打ち出した夏対策の新サービスが韓国・KBSテレビで報じられたことでした。新サービスの内容は、「日差しで室内が熱いなら屋根を白く塗れば良いじゃない」というもの。つまり屋根を白いペンキで塗って暑さ対策としたのです!
確かに白色は太陽光を反射するから熱を帯びにくく、黒色は太陽光を吸収するために熱くなりやすいという特徴がありますね。黒いよりは白いほうが建物に熱が伝わらないような気もしますし、日差しをダイレクトに受ける屋根を白くするのはもしかして良いアイデア…かも…?
それにしたって屋根を白く塗ることで暑さ対策とする発想には驚いてしまいますよね。エアコンは使わないのでしょうか?韓国は日本よりも電気料金が安いと聞きますし、エアコンをつけやすい環境にいそうなイメージがありますので調査を進めてみました。
するとそこには韓国の電気エネルギー事情に加え非常に特徴的な住宅事情が絡み、一部の人にとっては暑い夏がさらに厳しくなるという状況があったのです。
韓国でエアコンは使えない?!電気料金が「爆弾」と称される理由
日本の夏はエアコンを使うから電気料金が跳ね上がって困る!ということはありますが、まだ爆弾って呼ぶほどではありませんよね。しかし夏の韓国では「(電気)料金爆弾」という言葉が吹き出すほど高騰する電気代が一般家庭の脅威になっているのです。それでは、電気代が高騰している理由は次のうちどれだと思いますか?
A 電力自由化で電気料金が値上がりした
B 日本で言うところの3段階料金制度がえげつない
C 2011年の大停電を繰り返さないための発電コスト増
日本でも2016年にスタートした電力自由化といえば、外国の失敗例である「電気料金の高騰」「大停電」を危惧する声もありましたね。それから日本の従量電灯などのプランに採用されている3段階料金制度(累進性)と言えば、電気を多く使うと電気の単価が上がっていきます。この倍率が高ければ空調家電を使う夏と冬の家計は大変なことになるはず。そして停電対策に発電所を増設するには莫大なコストがかかり、電気代に転嫁されてもおかしくありません。
では、韓国の国民を悩ませる電気料金爆弾の原因はと言うと…正解はBの「日本で言うところの3段階料金制度がえげつない」ということでした!韓国の累進性は6段階にも及び、日本の3段階とは比べ物になりません。さらに倍率は最大11.7倍にも跳ね上がり、日中や夜間の暑さ対策でもできる限りエアコンを使いたくない環境にいると分かります。
それから韓国が電力自由化を導入したのなら電気は安くなっているんじゃないの?と思ってしまいますが、実は韓国の電気料金は安くも高くもなっていないのです。日本や諸外国とは全く異なる形で取り組む韓国の電力自由化は住民の夏に影響を与えていません。電気料金爆弾は以前からずっと爆弾のまま。節電や生活の工夫で暑さをしのいでいるのが現実です。
では、どうして屋根を塗っただけで暑さ対策になるという話になるのでしょうか?キーとなるのは、自治体のサービス対象が「低所得者」であることです。
遮熱性が低い安価な「屋根部屋」
韓国では建物の屋上に簡易的な小屋を建てて低家賃で貸し出す「屋塔房(オクタッパン)」というものがあり、収入の少ない学生や低所得者が多く入居しています。日本では「屋根部屋」と称されることが多く、「屋根部屋のプリンス」って検索すると画像も出てきますね。TBSで放送された韓ドラで、屋塔房(屋根部屋)が舞台となっています。
見た目の印象はビルの屋上にポツリと鎮座する、素材の風合いを活かしたシンプルな意匠の小屋です。そのシンプルさたるや屋上に建てる屋根裏部屋といった様相で、断熱性に注力しているようにはとても見えません。太陽光がバシバシ当たる屋上でこの作りの住宅だと、室温の上昇は大問題になりそうです。もちろん冬の寒さも。
暑さにエアコンで対抗する時、重要となるのは冷房の性能と住宅の断熱性です。断熱性に欠ける屋根と壁では外気温の影響を大きく受けてしまい、冷房効率は下がります。省エネ性能が高いエアコンでも建物の最も高い場所で日差しを受ける小屋を冷やすことができるのでしょうか。熱い勝負になりそうです。
エアコンを稼働させる時間が伸びるほど、そして外気温と室温の差が大きいほど電気代は増えていきますから、屋塔房の暑さ対策にエアコンはなるべく使いたくないはずです。一般的な住宅よりも強力な爆弾になり得るのですから。
そこで、屋根にスポットが当たるのです。屋根に受けた強い日差しを熱として吸収し、壁を伝って部屋全体に行き渡らせるのを防ぐ効果が推測できますよね。実際に室温が3度も低下したという住人も居て、これはなかなか良いアイデアなのでは?と思ってしまいます。夏に限って見れば、ですけれど。
冬はどうする?夏とは逆に…?
ネットで否定的なのはまさにここで、「冬は黒く塗り直すのか」「夜も暑い」などの意見が出ています。このように、屋根を白く塗るのは夏の昼をしのぐに過ぎない対処法だとして困惑と怒り、呆れの意見が現れています。
屋根が黒いと暑いなら、黒色のアレが載っている日本の住宅は大丈夫か
屋根をペンキで白くしたら3度室温が下がったということは、日本の住宅も色で違いが現れるのでは?…違法に増築される屋塔房と一般的な住宅の断熱性を比べるべくもありませんが、やっぱり屋根は白いほうが良いのかと思ってしまいますね。逆に心配になるのは、日本の家の屋根にも搭載されている真っ黒に近いアレ…そう、ソーラーパネルが太陽光を吸収し、室温上昇に一役買ってしまっている可能性はあるのでしょうか?
黒色のソーラーパネル設置で室温はこう変わる
家庭の屋根にソーラーパネルを設置する場合、一番太陽が当たる南側の屋根が選ばれます。黒いソーラーパネルで太陽光を浴び、光を吸収して溜まった熱が屋根から室内に伝わって室温を上げてしまわないのでしょうか?それがなんと、ソーラーパネルを付けた後の室温は感覚的に2度〜5度くらい下がる傾向にあるのだそう!
ソーラーパネルが断熱材の役割を果たして太陽の熱を遮り、屋根に伝えない効果を持っていたというわけですね。
実際にこのような効果を感じたという人も居るようです。
屋根に太陽光パネルを敷いた工場内は、パネルがない場合に比べ室温が4~5度低く、作業環境もアップした
家庭の屋根に太陽光発電を設置した場合にも室温が下がったという口コミも見かけます。太陽光発電の節約効果やエコ効果に加えた副次的なものとして太陽光発電ユーザーの間では認知されているようです。すると冬は逆に太陽を浴びられなくて家が冷えてしまいそうな感じがしますが、これもソーラーパネルの存在で熱が屋根から空気中に逃げる放射冷却をも防げるようです。
屋根に黒いソーラーパネルが乗っていても、室内は夏涼しく冬暖かいといった状態だったのですね!
青色と黒色のソーラーパネル。その違いは?
ソーラーパネルと言えば太陽光発電に使われる四角い板のようなもので、見た目が青いイメージですよね。広いスペースに青いソーラーパネルがたくさん敷き詰められて、太陽の方を向いている印象が強いです。しかし屋根に乗っているソーラーパネルだと黒が多いです。
光を吸収する黒色のソーラーパネルを屋根に設置して断熱・放射冷却予防ができるなら、黒よりも光を反射する青のパネルならもっと涼しくなれそうな気がしますよね。この青色パネルと黒色パネルの違いは何だと思いますか?
青色パネルと黒色パネルの違いはソーラーパネル…もとい太陽電池の構造によって変わります。そして発電効率や価格に差があります。青色のソーラーパネルは多結晶シリコン太陽電池と呼ばれ、工場の屋根やフェンスで囲まれた敷地内にたくさん並べられているのをよく見かけますよね。近くで見ると青や紫のホログラムみたいな美しさをもつパネルですが、安い代わりに発電効率が低いのが特徴です。
パネル1枚あたりの発電効率が低いのでたくさん設置する必要がありますが、価格が安いので大人気!しかし発電量を確保するには多数のパネルを並べるための敷地面積が必要なので、家の屋根には使われないというわけですね。
逆に黒色のソーラーパネル、単結晶シリコン太陽電池は価格は高いですが1枚2枚でも使える電気の量が多く、狭い屋根でたくさん電気を作りたい住宅事情にマッチします。青色に比べると質感がマットで、モダンな雰囲気がカッコいいパネルですが空き地に敷き詰めると見た目もコストも重くなりそうですね。発電量は格段に増えそうですが…。
結論:黒ソーラーパネルにも室温を快適に保つ効果あり!
屋根に黒いソーラーパネルを乗せても室温が上がることはなさそうです。冬の寒さ対策も発電もできるだなんて、あのパネルの存在は住宅の住み心地をまるごと変えてしまうポテンシャルを秘めているようです。
ところで日本でも始まっている電力自由化では家庭用太陽光発電を付けている家庭を対象とした新電力はもちろん、これから太陽光発電をつけようとしている方に向けたサービスを展開している「じぶん電力」が存在します。無料で太陽光発電を設置できる唯一の新電力なので、ぜひチェックしてみてくださいね!
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