ネガワット取引の国の方針決定! 2017年4月1日の運用開始目標

日本は昔から大きな災害が繰り返されてきた国ですが、特にその規模は大きくなっている傾向にあります。特に東日本大震災から日本人は安全意識が大きく高まり、エネルギーに対する考え方も大きく変化してきました。
人間は電力が途切れてしまうと生活自体を維持することが極めて困難で、実際に災害に遭って電気も使えなくなった方の生活の悲惨さは多くの方の知るところです。
また、個人だけでなく一般企業においても電力の供給が途絶えることは、サービス供給はもちろんですが雇用維持にまで悪影響を来していきます。
このような状況を受けて、国は2017年度から電力のネガワット取引制度を本格的に開始し国全体で効率供給できる仕組みを構築する方針を決定したのです。
ネガワット取引とは一体どんなもの?
ネガワット取引というと多くの方にとっては耳慣れないかもしれませんが、基本的には消費する電力を節電してそこで得られた電力を再利用するコンセプトから成り立ちます。
つまり、本来の流れは契約消費する分を発電することから始まりますが、発電した分の中から一部消費をせずに第三者の消費分のための調整するための電力と言えるでしょう。すでに節電した分からの電力確保という意味で、ネガワットという名称が付けられている訳です。
節電の協力ではなく有償によるお願い
しかし、節電という考えは従来からもありましたし、今一つ理解できない方もいるでしょう。今までの節電はあくまで消費者側に対する協力を進めるのみでしたが、ネガワット取引になると節電した分が一定の率によって有償で買い取られることになります。
つまり、節電協力という言葉だけの呼びかけでは積極的な方と消極的な方に不公平感が生じるのは否めないため、確実に節電に協力してくれようとする消費者には有償でお願いする仕組みを制度化するという訳です。
日本の夏は温暖化の影響もあって年々高温化しており、電力への需要はさらに増していきます。また、環境保護の観点から原発や従来の発電方式などで発電ありきの考え方は古くなり、電力量に関わらず電力の適材適所を目指しているのでしょう。
季節を問わずに電力の安定供給を目指す
それでも、ネガワット取引の意義は何も夏場だけに限らず、季節を超えた電力の安定供給を目指していると言えます。日本は縦長の地形を持っていることもあって、同じ季節でも気温が大きく異なる特徴があるのです。
この場合、同じ季節であっても電力の消費量に大きく差が出るのは必然的となり、特にエリアによって発電量も異なる事情もあって、エリアを超えた電力調整ができることが大口消費者である企業にとって最も理想的な形になるでしょう。
ネガワット取引であれば基本的に企業や個人を問わない消費者からの節電による電力確保が可能となりますので、例えば北海道と沖縄のような気候の全く異なるエリア間での電力調整がかなり進めやすくなります。
ネガワット取引は2017年4月1日に運用開始予定
今回国が決定した方針を見ると、ネガワット取引が2017年4月1日からの始動予定となっています。
これほどまでに急激な導入方針を決めたことについて、基本的にエネルギー先進国であるアメリカの歩調を合わせたいという国の意向の表れでもありますが、同時に近い将来において電力に関するさらなる流通性の向上を期待しているからです。
つまり、現段階では節電することを一般的にするための制度化に過ぎず、今後は日本全体を巻き込んだ総合的な売電市場を構築しようと国は考えています。
順調にいけば2020年以降にリアルタイム市場稼働?
国は2020年以降にリアルタイムの売電市場を創設する考えで、ネガワット取引を本格的普及させたい本気度が垣間見えます。
日本ではすでに太陽光発電の買取事業が盛んに行われていますので、ネガワット取引を含めた総合的なリアルタイム取引市場が創設されると将来的な電気料金に非常に大きな変化をもたらすことは間違いないでしょう。
現在の電力市場は既存の大手電力会社と新電力会社のシェアの奪い合いとなっていますが、将来はその枠自体が意味を持たなくなって様々な形で確保された電力を誰でも自由に価格競争できる時代に突入するのです。
ネガワット取引の仕組みは以前からも存在していた?
実のところ、ネガワット取引が本格的に運用開始されるとはいっても、この取引制度自体がずいぶん前から存在しているのは意外に知られていません。
いわゆる大手電力会社から直接企業に対して電力を調整する仕組みは存在していたのですが、個人・企業を問わずに包括的に電力調整を進めようとするネガワット取引が本格的な試みになると言えるでしょう。
ここでは、ネガワット取引が具体的にどのように進められていくのかチェックしていきます。
電力会社が電力量不足を予測することから始まる
基本的にネガワット取引のスタートには、電力会社においてその年の電力量がどれほど不足するのか的確な把握が求められます。一般的に近年は毎年夏も猛暑が続いていますので、電力不足が企業ではかなりの確率で発生するでしょう。
このような状況の中で、今までの電力会社はフル稼働で発電をすれば事なきを得ていましたが、発電に対する余分な資源消費は電力会社にとっても経営リスクとなってくる時代となっています。
そして、節電分から電力を賄うことは電力会社にとっても結果的に経済的なメリットが大きいことも再認識されたので、ネガワット事業者いわゆるアグリゲーターと呼ばれる仲介者と連携して節電電力を確保していくことに力を入れ始めているのです。
新たにネガワット事業者が大きな存在になる
このネガワット事業者は電力会社にとっても非常に大きな役割を持ち、節電による電力確保がスムーズに進められるための重要なキーマンとなります。ネガワット事業者は仲介というよりも、電力会社の代理人に近い存在です。
契約者に対してスムーズな節電を既定の対価で進めるための交渉力が求められ、契約者自体も非常に多いことからその管理能力も非常に高いものを有していないと務まりません。
ネガワット事業者自体は今回のネガワット取引制度発足前から存在していましたが、個人や企業に対しても節電の意義を巧みに伝える存在として力量が試されることになります。よって、今後はネガワット事業者間における競争も激化していくことでしょう。
ネガワット取引開始後の庶民生活への好影響は?
ここではネガワット取引についての意義や目的を説明してきましたが、生活の主人公である庶民にとってはどのような好影響があるのかも気になる部分です。
庶民として、やはり期待できる部分となるのは経済的なメリットでしょう。普段支払うだけの電気料金ですが、ここに節電することでキャッシュバックが得られる魅力は何事にも変えられません。しかし、この他にもさまざまなメリットが期待できます。
電力消費者に総合的な節約意識が形成される
電力消費者にとって節電は分かってはいても意外に困難で、挫折することは多くの方が自ら証明されていることです。
しかし、ネガワット事業者の存在によって節電自体が進めやすくなり、その後において電力消費者側も自然と節電意識が形成されていくようになります。
何事もいやいや進めていると結果は得られませんので、それをコントロールできる仕組みがあって日課と呼べる存在にまでなればそれ自体が大きなメリットとなるでしょう。
ここでは節電のケースになりますが、総合的な節約意識が身につくことにも繋がるでしょう。
企業体のように個人の家庭でも、どのように節約すればどの程度の経済的なメリットが受けられるかを理解できること生活の糧にも変わっていくのです。
節電しやすい家電製品が急速に充実してくる
また、庶民における節電意識が高まってくることは、使用する家電についてもこだわりを持つようになります。そうすると、多くの家庭では徹底的に優れたエコモードを持つ家電をセレクトするのは必然的でしょう。
これによって、家電メーカー側も消費電力の高いものを販売し続けているとどんどん売れなくなり、結果的にエコな家電がより多く提供されるという好循環を生み出してくれます。
さらに、今後は明確な価格競争が激化するようになり、節電効率が高いというだけでは消費者の購入意欲を掻き立てられないようになるのです。
まさにネガワット取引は家電メーカーにとって大きな試練のきっかけとなり、収益性を安定して確保できるかどうかの大きなチャレンジ性を持つと言えます。
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