2017年度のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業)の補助金は?

いま巷では、ZEH(ゼッチ)の補助金の話題で盛り上がっているようです。その盛り上がりようも、他の補助金のときより格段に大きいようですが、いったいなぜなのでしょうか。その理由は、桁違いに大きい補助金の額にあります。いま補助金と名のつくものはゴマンとありますが、その金額は数万円か、良くて10万円程度が圧倒的多数を占めています。
ところが、ZEHの補助金は桁が違い、なんとゼロが一つも二つも多い100万円単位なのです。そうなのです。ZEHの補助金は、最大で150万円にもなるのです。条件さえ満たせば、寝ていてもこれだけの金額がもらえるのですから話題にならないはずがありません。
でも、何が目的で国はこれほどの大金を補助金として出すのでしょうか?それにZEHとは、そもそも何のことなのでしょうか?
⇒エコキュートの補助金は自治体によって違う!
ZEHの補助金額
補助金額は表の通り、平成24年から平成26年度までは金額に変化はありません。ただし平成26年度は、寒冷地(北海道、青森県、秋田県、岩手県)特別外皮強化仕様の住宅は一住戸あたり定額150万円提供されます。
平成24年度~26年度 | 平成26年度補正 | |
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補助金額 | 補助対象費用の50%以内上限350万円 | 定額130万円(寒冷地仕様150万円) |
一住戸 | 一律125万円(寒冷地仕様は、Nearly ZEH住宅も一律125万円) |
---|---|
蓄電池 | 5万円/1kw(上限は補助金対象経費の3分の1または50万円のいずれか低い方の金額) |
Nearly ZEHとは、寒冷地仕様地域でUA値が0.25以下であり一次エネルギーが再生可能エネルギーを含めて基準になる一次エネルギーから、75%が削減されている条件に該当する住宅に提供されます。
ZEHの補助金提供の意図
この補助金は平成24年から開始されており、高い性能と断熱効果と制御機能を組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量が実質的に発生しない
住宅(ZEH)に付与されています。
※一次エネルギーとは、太陽光発電や火力発電など自然から受電できるエネルギーです。
2020年までには一般的な新築住宅の過半数に導入、そして、2030年までには新築住宅にZEHが完備されている状態を目指すために補助金を提供することが目的となっています。
ZEHの補助金の規模はこんなに大きい
冒頭でも触れましたがZEHの補助金の額は、他の補助金に比べると桁違いに大きいのが特徴です。これはZEHの設備そのものの価格が高いこともありますが、それよりむしろ国がZEHの推進に並々ならぬ力を入れていることの方に、より大きな理由があります。
ZEHの予算規模と補助金の額、及び対象住宅と今後の事業概要、住宅の条件などは次のようになっています。
ZEHの予算規模
20億円ですが、規模を超える申請があった場合は補助対象事業者として、評価ポイントの高い順に選定します。
対象住宅
- 申請する者が日常的に居住する住宅であること
- 店舗などの付いていない普通の住宅であること
- 既築住宅の場合は申請時に自己所有となっているも
- 既築住宅でZEHに変更予定がある
- 新築建売住宅は申請者が建売住宅の購入者であること
ZEH補助金対象設備設置の条件
自宅に下記の設備が設置されていることが条件になります。
HEMS | 要設置 |
---|---|
高断熱外皮 | 要設置 |
太陽光発電システム | 要設置 |
空調設備 | 任意設置 |
給湯設備 | 任意設置 |
照明設備 | 任意設置 |
換気設備 | 任意設置 |
エネファーム | 任意設置 |
補助金の対象条件
提供条件として、下記の8つの要点を満たすことが必要です。
- 申請する住宅の年間における一次エネルギー消費量が実質0である
(エネルギー計算は省エネ法の平成25年基準か事業主基準で算出) - 申請する住宅の年間における一次エネルギー消費量が基準一次エネルギーよりも20%削減されている
- 一定以上の断熱効果を満たしてる
- 再生可能エネルギーシステムを導入する
- 定期的に自宅のエネルギー使用状況を報告することが可能
- 条件に合うエネルギー計測装置を導入する
- 中古住宅の場合は公募要領の記載事項を全て導入していること
- 導入設備が所定の条件を満たしてる
更に重要条件がある
- 一住戸につき一度のみの申請である
- 一度も登記されていない住居
- 本事業の取りかかるのは交付日決定日以降である
- 対象施設は新品である
- 新築住宅の場合は事業完了日までに引き渡しが終わっている
29年度のZEH補助金事業概要
なお、来年も継続しておこなわれることが決定しています。
事業実施期間 | 交付決定日から平成29年3月31日 |
---|---|
補助予定金額 | 9,998,757千円 |
補助対象者 | 新築住宅を建設する者 |
補助対象費用 | ZEHを高性能設備機器などと合わせて導入、補助対象経費や経費 |
事業補助率 | 一定額 |
募集件数 | 約6,800件 |
ZEHの補助金は既築住宅も対象になるのがうれしい
ZEH補助金と聞いても、対象は新築住宅だけ、と思っている人は少なくないはずです。なにしろ、ZEH自体が時代の先端を行くものですから、つい中古住宅は対象外と思ってしまうのです。でもそれは大間違いで、既築住宅も対象になります。
ZEHの補助金は、中古住宅に必要な設備を導入するための準備金とも言えるのです。どうか「中古住宅だからZEH補助金は無理」と早合点して、補助金の申請を諦めることの無いようにご注意ください。
⇒オール電化住宅ってガスと比較して費用はどれだけ削減出来るの?
ZEH補助金申請すると他の補助金との併用はどうなる?
気になるところですが、結論から言いますと補助金の出処が国庫でなければ併用することはできます。
地方自治体で補助事業としてエネファームやリチウムイオン蓄電池などをおこなっている場合、国庫でなければ問題ありません。
その場合は、エネファームは最大で22万円、リチウムイオン蓄電池は最大で50万円の補助金がもらえます。
管轄の地方自治体だけでなく、県や国からも補助金がもらえることもありますので、再生可能エネルギーシステムを導入される方は調べてみると良いと思います。
⇒電力自由化は蓄電池の救世主になり得るか!?
ZEHは国が掲げる壮大な住宅政策
今回のテーマに関して、知っておくべきことはZEHの意味です。ZEHはネットゼロ・エネルギーハウス(Net Zero Energy House)の略で、高性能省エネ設備、高性能断熱外皮、制御機器などを完備したスマートハウス(注1)のことを言います。ネットゼロというのは、再生可能エネルギーによる高性能省エネ設備により、年間のエネルギー消費量が正味ゼロかマイナスになるからです。
これで分かるように、ZEHは高性能断熱外皮などにより室内環境を維持した上で、再生可能エネルギーを導入することによってエネルギーの年間使用量の収支をゼロにすることを目指す住宅のことをいうのです。
⇒折角の電力自由化!!再生可能エネルギーを選択したい!!
ZEHの目指す目標は?
国のエネルギー基本計画によれば、2020年までは標準的な住宅で良しとしていますが、2030年までにはすべての住宅にZEHの導入を目指すことになっています。そのために「ZEHビルダー」(注2)と呼ばれるZEH建築事業者の認定を制度化しています。
スマートハウスとは
スマートハウスとは、ITを用いて家庭内エネルギー消費を最適に制御した住宅のことです。例えば、太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー機器、あるいは家電や住宅機器などをコントロールすることによって、エネルギーを管理してCO2の削減に貢献する省エネ住宅がこれに当たります
ZEHビルダーとは
ZEHビルダーとは、ZEH推進のために、各々の建築会社が受注する住宅のうち、ZEH(Nearly ZEH(注3)も含む)が占める割合が、2020年までに50%以上の目標を掲げるハウスメーカー、工務店、建築設計事務所、リフォーム業者、建売住宅販売業者などのことです。
Nearly ZEHとは
完全に条件を満たしたZEHではなく、定められた最低限の条件を満たすことによってZEHに準ずるものと見なされた住宅を指します。
ZEHを推進するSIIとは?
SIIとは「一般社団法人環境共生イニシアチブ」のことで、Sustainable open Innovation Initiativeの略称です。この組織の目的は、環境やエネルギーの分野で社会的に必要な技術を革新し、国内の知見を総動員して開かれた議論を展開することによって社会システムや社会プロジェクトを完成させることにあります。
ZEHの補助金は国からこの組織に入り、ここが申込内容を審査して支給を決めます。
ZEHの建築に当たるのはZEHビルダーに限る
ZEHには、上記の申込条件などのほかにもう一つ大事な点があります。それは建築工事に当たるのが、ZEHビルダーの認定を受けた業者に限られている点です。この要件は厳格に守られており、平成28年度は事前にハウスメーカー、工務店、建築設計事務所を対象としてZEHビルダーを公募し、登録されたZEHビルダーが設計、建築、販売するものだけをZEH補助金の対象にしています。
なおZEHビルダーの登録に関する問い合わせは下記のところとなっています。
ZEHビルダー登録の問い合わせ先
環境産業省・資源エネルギー庁・省エネルギー対策室・担当者⇒佐藤、中村
電話03-3501-1511(内線)4541、または03-3501-9726(直通)
まとめ
補助金の額が抜群に大きいことから、何かと人々の話題に上りやすいZEHですが、これを単に補助金の問題だけに終わらせてはいけません。なぜならZEHは、省エネを通じて地球環境を守ることにも大きく貢献しているからです。私たちはそのことをよく理解して、これからZEH推進に協力していくことが大事です。
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ZEH補助金制度の150万円は魅力的ですね。しかし当然、補助金を受けるためにはリフォームなど準備が必要です。
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