HEMS(ヘムス)を導入するならこれだは知っておきたい!メリットとデメリット!

HEMSは、これからの住宅に欠かすことのできないエネルギーの見える化と一元化を目指すためのホームエネルギーマネージメントシステム(Home Energy Management System)の略語です。政府は、HEMSをこれからの住宅の標準装備と位置づけており、2030年までにすべての住まいに設置するという壮大な計画を立てています。
HEMSとは?
HEMSは、一般家庭で使用する電気やガスをリアルタイムに管理して節約するシステムです。節電だけでなく、CO2削減など温暖化対策にも役立ちます。
システムにつないで電気やガスの使用状況をモニターで管理することで、見える化や家電を自動コントロールします。
設置の仕方では、フロアごとや部屋ごとに消費電力を計測することができます。
そのため現在は、HEMSに対応する家電製品のコントロールの規格化が課題となっています。
新築住宅で、年間エネルギーをほぼゼロにする住宅(ZEH)にもHEMSは必須です。
HEMSが目指すエネルギーの「見える化」と「一元化」とは?
HEMSが目指す最大の目的はエネルギーの見える化と一元化(一元管理)にあります。ここではその二つの意味について説明しましょう。
エネルギーの見える化とは?
住宅にHEMSを設置すると家庭の電気使用量の数値が最少単位まで見えるようになります。それだけでなく他のエネルギーであるガスや水道とも連携ができますから、家庭のすべてのエネルギー使用量の数値を把握することができるようになります。
エネルギーの一元化(一元管理)とは?
家庭の電化製品をネットワーク化することによって自動制御や遠隔操作を可能にします。
HEMSは電力自由化に大きく関わっている
2016年4月に家庭用などの小口電力が自由化されました。これによって、消費者は家庭で使う電力を自由に選べるようになりました。それだけでなく電気をスマートに使うためのインフラとしてHEMSなどの優れたIT技術を使い、家庭内の電気使用量や家電の操作をコントロールできるようになったのです。
これで分かるように、HEMSは電力自由化にも大きな関わりがあるのです。
HEMSは国や自治体が補助金を設けて導入を後押ししている
冒頭で説明しましたように国は2030年までにすべての住宅にHEMSの設置を目指しています。これは政府が掲げるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現にも大きく関わっています。つまり、HEMSをはじめ太陽光発電システムや蓄電池などはZEHの根幹を成す重要な設備だからです。
それだけに国や地方自治体はHEMSには非常に力を入れており、家庭への導入に対しては補助金を出して後押ししているのです。補助金の内容については実施年度によって多少の差がありますが、平成28年度及び過去の年度における国の補助金内容は次のようになっています。
⇒電力自由化は蓄電池の救世主になり得るか!?
国の補助
平成年度 | 補助金額 |
---|---|
28年度 | 購入金額の2分の1(上限10万円、下限1万円) |
25年度 | 購入金額の3分の1(上限7万円) |
23年度 | 上限10万円 |
地方自治体の補助金
HEMSに関しては、国と同様に多くの地方自治体が補助金を出しています。例えば、東京都ではHEMS導入を前提条件にして蓄電池システムやエネファームに対して補助金を支給しています。
補助金の額は導入内容によって異なりますが、ちなみに蓄電池システムの上限は50万円となっています。ただし平成28年度については、3月31日で申込が終了していますので、次回以降に関しては問い合わせが必要になります。
問い合わせ先は、03-5990-5086(スマートエネルギー補助金担当)です。
HEMSはどうやって導入するのか?
HEMSを導入するには、まずメーカーを選定しなければいけません。それさえすめば後はメーカーの設備業者の担当になりますので、ユーザーには何の作業も必要ではありません。ここでは、メーカーの選定に必要なメーカー名、商品名、価格について見てみましょう。
メーカーの選定
HEMSのメーカーは、大手だけでも10社以上に及びます。それだけに、選定も楽ではありません。各メーカーの特徴などをしっかり掴んで、じっくり選定に当たるのが大事です。なお、HEMSのメーカーには次項のようになります。
HEMSの代表的メーカーは?
パナソニック
パナソニックには、スマートHEMSとECOマネシステムという二つのHEMS商品があります。どちらも見える化を特徴にしていますが、前者は見える化の他に家電や蓄電システムと連携が可能な点が後者とは異なっています。
価格は「スマートHEMS」112,350円、「ECOマネシステム」が54,810円となっています。
更に、2016年12月21日発売予定のAiSEG2-MKN713(80,000円)は、モニターが一体化しており更に使いやすくなっています。
施工が必要になりますが、壁に設置することもできWi-Fi内蔵なので設置場所を選びません。
東芝ライテック
東芝のグループ企業ですが、この会社のHEMSの商品名はフェミニティといいます。フェミニティの機能はエネルギー消費量の計測だけでなく、エアコンやバスルームの設備を遠隔操作で動かすことができます。また外から家の施錠を確認することができ、もし施錠を忘れたいた場合は遠隔操作でロックすることができます。
ITアクセスポイントBTR-4010AZ(57,000円)とエネルギー計測ユニットHEMーEM31A-B1(84,800円)でワンセットになっています。
シャープ
シャープのHEMS商品は、電力見える化システムです。この商品は、タップ、中継器、専用タブレットの3つのアイテム構成になっています。このシステムはタップをコンセントに差し込むだけで使用でき、各々の電気製品の電気使用量を測定することができます。なおタップは、最大で30個まで設置することが可能です。
JH-RTP4(74,000円)
JH-RTP5(75,000円)
JH-AG01(48,000円)
NTT東日本
NTT東日本は、HEMSとしてフレッツ・ミルエネという廉価な商品を販売しています。この商品は名前のミルエネでも分かるように、エネルギーの見える化に特化した商品で他の機能は一切ついていません。
⇒NTT東日本が「HEMS情報コネクト」の提供を開始!
無線親機+分電盤計測器 14,500円
家庭内の消費電力を見える化します。
スマートメーター対応USBドングル 5,000円
スマートメーター対応用です。
電力量計測器/USBドングル 15,000円
ソーラーパネルの計測器です。
サービスゲートウェイSG-100KI
ひかり電話がなくても、このモデムを設置するとミルエネを使用できます。(電力量計測器/USBドングルが必要)
その他のメーカー
HEMSのメーカーは、この他にも中小も含めて次のような会社があります。
メーカー | 商品名 |
---|---|
デンソー | HEMS |
NEC | クラウド型HEMS |
トヨタメディアサービス | H2Va |
エネゲート | スマートエコワット |
エディオ | エディスマHEMSスタンダード |
メディオテック | エコー太 |
TOKAIコミュニケーションズ | エネレポ |
ファミリーネットジャパン | me-eco |
スマートパワーシステム | パワミル |
HEMSのメリットとデメリットをまとめてみると

前述のようにHEMSは、国が2030年までにすべての住宅へ設置を目指すこれからの住宅にはなくてはならない設備です。こう聴くと、HEMSは良いとこずくめの設備のようで、デメリットは多くてもデメリットなど無いようにも思えます。
しかし世の中のことにはメリットがあれば、デメリットが付随するのは避けられません。ここではHEMSのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
エネルギーの見える化のメリットとは?
こうしたエネルギーの見える化は、次のようなメリットをもたらします。
- リアルタイムで消費電力の数値が確認できるので、エネルギーの無駄遣いが防げる
- エネルギー使用量が週単位や月単位でグラフ化されるので節電意欲が高まる
- スタンプやキャラクター機能がついているものがあるため、子どもの関心を誘い結果としてエネルギー教育につながる
エネルギーの一元化(一元管理)のメリットとは?
家庭の電化製品をネットワーク化することによって自動制御や遠隔操作を可能にします。これによるメリットは次のような点です。
- いつでも、どこからでも家の電化製品を遠隔操作できる
- 電気代が安い時間帯に自動運転されるので節電につながる
- 電気代が高い時間帯は節約運転になるので節電ができる
以上3つのメリットで分かるように、HEMSは夜中などの電気代が安い時間帯に食器洗い機や洗濯機を自動的に動かし、逆に日中など電気代が嵩む時間帯にはエアコンの設定温度を自動的に下げて節電を行ってくれるのです。また外出先から遠隔操作でエアコンをつけたり消したりすることも自由自在にできます。
HEMSのメリットはこんなにある
メリット1
電力の見える化によって、電力使用量が目で見えるようになる。
家庭にある電気製品の電気使用量が一目で分かりますから、効率的な省エネの取組みが可能になります。
メリット2
家電が自動制御でき遠隔操作が可能になる。
例えば、ある家電の消費電力が一定の量に達したら電源を切るとか、エアコンの気温が何度を下がったら風量を弱くするなどを自動的に制御することができます。また出先からの遠隔操作によるコントロールも可能です。
メリット3
エネルギー使用量をいつでも確認できるため節電意欲が高まる。
メリット4
子どもが喜ぶ機能が付いているのでエネルギー教育に役だつ。
メリット5
電気代の高価格時間帯と低価格時間帯を自動認識して、低価格帯の優先運転ができる。
メリット6
電気自動車、ガス、水道と協働することで見える化することができる。
メリット7
電力使用量が大きい時期に蓄電しておいた電気を使うことで、ピークカットが可能になる。
⇒節電に興味ないあなたこそピークシフトとピークカットの違いを知るべき2つの理由!
HEMSにもデメリットはある
デメリット1
コストメリットが明確につかめない
デメリット2
ユーザーの認知度がなかなか高まらない
デメリット3
HEMSの通信規格であるECHONET Lite(エコーネット規格)に対応している電化製品が少ない
HEMSのこれからの課題は?
一見して良いとこずくめに見えるHEMSにも、上のようなデメリットがあります。こうしたデメリットの解消こそ、HEMSのこれからの課題と言えます。
第1の課題は、HEMS導入費用と導入後の省エネでの節約費用の差をハカリにかけたときのコストメリットをもっと明確にすることです。
第2の課題は、HEMSのPR活動を活発化させて広くユーザーに周知させることです。
そして最後の課題は家電メーカーの協力を得てECHONET Lite対応の電化製品をできるだけ充実させることです。
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