世界初のハイブリッド飛行機がテスト飛行へ!省エネが空にまで!

乗り物でハイブリッドと言えば、とっさに頭に浮かぶのは自動車です。今ではどこへ行ってもハイブリッドカーがもてはやされているからです。でもそのハイブリッドがいまゆっくりと飛行機へとシフトしているのをご存知でしょうか。
そうなのです。長年の夢であったハイブリッド飛行機が今年になってついにテスト飛行に成功したのです。
ドイツのシーメンス社は長年の研究を実らせ、エンジンとモーターを組み合わせた高性能、高効率の航空機用の電気モーターを完成させました。それを搭載した飛行機がついにテスト飛行に成功したのです。
ハイブリット飛行機「EA-300LE」がついにテストフライトに成功した
今回のテストフライトに使われた機体はドイツの航空機会社「エクストラ」のスポーツタイプの機種「EA-300」からエンジンを取り外し、シーメンスの電気モーターを載せ替え「EA300-LE」としたものです。
モーターのサイズは自動車のタイヤと同程度で重量も50kgと、飛行機のモーターとしては小さいほうです。しかし小さい割には出力は260キロワットにも及び、従来の電気モーターの5倍相当の性能を持っています。
テスト飛行に使われた「EA-300LE」は2人乗りスポーツタイプの飛行機
今回の機種「EA300LE」は2人乗りのスポーツタイプです。でもテストフライトには機材の積み込みも必要ですから、搭乗はパイロット1人だけになりました。
とはいえ載せ替えた電気モーターは4人乗りの飛行機でも飛ばす性能がありますから、搭乗員1名と機材だけの重量だと、パワー不足は微塵も感じさせず、上空に向かって悠々と飛び立っていき、見事テストフライトに成功しました。
2030年までに100人乗りハイブリット小型飛行機の実用化を目指す
今回のテストフライトでは電力の供給はバッテリーから行われましたが、今後は発電用エンジンと駆動用モーター併用のハイブリット電気飛行機が期待されています。今後の目標として掲げられているのは、100人乗りのハイブリッド小型飛行機を2030年までに完成させることです。
シーメンスとエアバスが提携してハイブリッド飛行機開発に本腰
先ごろ欧州の航空機大手のエアバスグループ(注1)とドイツのシーメンス(注2)は、従来型エンジンと電気を組み合わせたハイブリッド飛行機の開発で提携を発表しました。計画によりますと両社で200人のエンジニアーを結集して専門チームを作り、2020年までに新たなハイブリット飛行機のテスト飛行を目指す、としています。
これによって欧州を代表する2社によって、航空機の燃費の軽減や騒音を抑える技術の開発が進むことになります。開発の対象は、出力数百キロワットから、最大では1万キロワットのハイブリッド推進システムであり、短距離飛行の小型機やヘリコプターへの応用を目指しています。エアバスのCEOトム・エンダー氏の話では、2030年までに100席未満の小型ハイブリッド旅客機が完成する可能性は多いにある、とのことです。
またシーメンスは今回のエアバスとの提携事業を社内の最新技術やサービスの事業化を目的としたイノベーション部門の活動として位置づけ、米国の航空機エンジン大手であるG E(ジェネラル・エレクトリック)に対抗する決意を固めています。
(注1)エアバスグループとは
エアバスグループは欧州の航空・宇宙企業の大手で、ボーイングに次ぐ世界第2位の航空宇宙企業です。航空機の製造だけでなく、宇宙関係でも国際宇宙ステーションの建設、運営に大きく貢献しています。
(注2)シーメンスとは
シーメンスはドイツミュンヘンに本拠を置く通信・電力・電子などを手掛ける多国籍企業です。近年では航空機のハイブリッド化を目指して、電気モーターの開発に力を入れています。
ハイブリット飛行機になればCO2を削減でき、騒音も少なくなる
上でも書きましたが飛行機をハイブリッドにすると燃料消費を大幅に削減(最大で50%)できますから航空会社の経費節減に大きく寄与します。
それだけではなく燃料の燃焼によって発生するCO2が一挙に削減されますから、地球環境へ大きく貢献することができます。また騒音が小さくなりますから、これまでは禁止されていた地域でも夜間飛行が可能になり、機体の効率的に利用できるようになりますから、この面でも航空会社の収益アップに貢献できます。
まとめ
乗物に関してハイブリッドといえば、これまでは自動車が独壇場でした。しかし今後はそうはいきません。
なぜなら航空機の分野でも先ごろハイブリッド飛行機のテストフライトが成功したからです。これにより2030年ごろまでに100人乗りのハイブリッド旅客機の登場も夢ではなくなりました。
そうなれば、燃料費軽減で航空運賃はさらに安くなることが期待できます。それだけではなくCO2や騒音が少なくなり、飛行機がこれまでより人や環境に優しいものへと変わります。
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