電力自由化で沖縄県はどうなる?沖縄電力の電気料金を比較!

電力自由化が始まったことで、消費者の立場からは電気料金の値下げへの期待が高まっています。しかし、各都道府県によって、現在の状況はさまざまです。今回は、沖縄県の電力自由化における現状と今後の展望について解説します。
沖縄県の電力事情
電気代を知れば、お国事情が見えてきます。まずは、これまでの状況をおさらいしておきましょう。
沖縄県民の電気代から見えてくる固有の事情とは
各都道府県の電気代平均額は、地域の気候によってかなり左右されます。その中でも沖縄県は、全国平均よりも電気代平均額は安めです。これは冬が温暖なため、暖房費がかからないことが影響しています。そのため、晩秋から春にかけての電気代は一年を通して最低額にとどまる傾向です。
逆に南国だけあって、夏の冷房費はお高めです。6月から電気代が上がり始め、8月をピークとして11月頃まで高額になる傾向が見られます。沖縄県民が電気代を節約するには、夏場の冷房費をいかに抑えるかが鍵になるようです。
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沖縄県民と沖縄電力
これまで沖縄県民に電力を供給してきた電力会社が、沖縄電力、略して沖電です。本州の鹿児島と沖縄の間には600km以上の距離があり、本州とは送電線がつながっていません。そのため、本州にある電力会社が行っているように、電力会社同士で電力を融通しあうことができません。
沖縄県民にとって、電気に関しては沖縄電力が唯一の頼りでした。沖縄電力は、離島への送電線や、災害にも強い2ルートの送電線を持ち、沖縄県内での電力の安定供給に注力してきました。
沖縄電力と電力自由化
問題は、電力自由化を受けて、今後の沖縄電力と沖縄県民の関係がどうなるかということです。沖縄県は地理的な事情もあって、どうしても電源の確保を県内で完結させる必要が出てきます。新規参入の電力会社が沖縄県で活動するためには、自前の発電設備を県内に作ることが必須条件です。そのため、他地域に比べて、電力会社の新規参入へのハードルが高くなっています。
⇒電力自由化とは?
また、新電力が電力を各家庭に送るためには、既存の電力会社の送電線を借りなければなりません。送電線を借りるために払うレンタル料を託送料金といいますが、沖縄電力はこの託送料金を1kWhあたり9.84円と他の大手電力会社に比べてやや高めに設定しています。これは、本土の電力会社と電力を融通しあえないこと、離島を多く抱えるため送電線の維持コストなどがかかることが原因だといわれています。
それでも当初沖縄電力が申請したよりも、託送料金は1円以上低くなっています。これを受けて、新電力がどう対応するかが注目されます。ゆくゆくは、沖縄電力と新電力の間に価格競争が起こる可能性もゼロではありません。
沖縄市在住、B家の場合
沖縄県固有のさまざまな事情が働いて、現時点では沖縄県で活動している新電力はまだありません。しかし、準備を進めている会社はいくつかあり、今後の新規参入には期待がもてそうです。他社との電気料金を比較する際に参考になるよう、現在の沖縄電力における一般家庭の電気料金を見てみましょう。
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データ提供に協力いただいたのは、沖縄市在住のB家です。
B家のスペック
B家は、夫婦2人、子供1人の3人家族です。沖縄市内の1戸建てにお住まいで、オール電化設備は導入していません。子供は就学していますが、親たちが在宅で仕事をしているため昼間も常に家に人がいる状況です。パソコン、あるいは夏場の冷房費などで日中もコンスタントに電気を使用しています。一年でもっとも電気代が高くなる8月の電気料金は約10,000円でした。
B家の現在の契約状況
沖縄電力 | 従量電灯(契約アンペア数40A) |
---|---|
年間想定電気代 | 約98,671円 |
沖縄電力の従量電灯は、基本料金がなく、使用量に応じて料金が設定されているのが特徴のプランです。気になる電力量料金は2016年3月9日の時点で、1kWhあたり10kWhから120kWh未満が22.49円、120kWhから300kWh未満が27.93円、300kWhを超過した分は29.87円となっています。
また、使用した電力量が10kWhに満たない場合は一律394.65円という料金設定がされています。同じ沖縄電力の時間帯別電灯と比較して、夜間電力が割安にならないかわりに、1日を通して電力料金が変動することはありません。そのため、日中も電気を使用する家庭では、同社の時間帯別電灯よりもお得なプランです。
逆に、仕事や学校で日中は自宅を空けており、あまり電気を使用しない場合などでは時間帯別電灯のプランを検討したほうがよいでしょう。
まとめ
今後の展望
現在のところ、沖縄県民の場合、電気供給契約については沖縄電力の提供するプランを利用する以外の選択肢がない状況です。しかし、現時点で稼動していなくても、新電力大手のイーレックスのように沖縄ガスと共同で参入準備を進めている企業はあります。他地域と比較すると流れは遅めではありますが、家庭向けの電力供給事情に参入する企業は徐々に増えてくると思われます。
ただ、沖縄本島と離島ではやや事情が異なりますので、本島で新規参入が進んでも、離島にお住まいの方は電力自由化の恩恵が受けられるかどうかは未知数です。各市町村といった自治体も含め、各団体の動きを注意深く見守る必要がありそうです。
高圧向けの新電力は続々増えているものの…低圧は…!
沖縄ガスとイーレックスが設立した「沖縄ガスニューパワー」という新電力が供給を開始していますが、高圧などの法人向けなのですよね。新電力事業はまず法人に始まり、次に個人…といった具合に拡大されていきますから、将来に期待できる…かもしれません。
沖縄電力の中にもお得になれる可能性が高いプランがありますので、タイナビスイッチで比較してみてください。簡単かつ、無料ですよ!