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電力自由化

新電力に変えたら電気料金の請求が来ない!?電力自由化で発生した遅延トラブルとは

新電力から電気料金の請求が来ないトラブルについて解説

電力自由化が始まっておよそ2ヶ月が経過しました。新電力に乗り換えた人や既存電力会社の新しい電気料金プランに変更した方には、そろそろ一回目の電気料金請求が来る頃ですよね。何円安くなっているかなと電気代の変化を心待ちにしていたユーザーの期待をよそに電気料金の請求が届かない事例が多発しているのです!

5月時点で首都圏の約2万5,000件に対して請求が遅れている

今回、電気料金の請求が遅れているのは東京電力管轄内の小売電気事業者90社に契約している家庭や事業者など。このエリアは電力自由化で新電力へ乗り換えた家庭の約6割を占めるほど切り替えが進んでいた地域でもあり、通知の遅延件数は5月末の時点で約2万5,000件にも上っています。

一体何が起こり、そして遅延の対象となった人はこの先どう行動すれば良いのでしょうか?まずは現状起こっていることを整理するために、このトラブルがどうして発生しているのかを知っておきましょう。

通知遅れの原因は「システムトラブル」。それってどこのシステム?

なぜ特定のエリアでここまで大きな問題が発生したのか、特定のどこかではなく90社にも上る電力会社で電気代の請求通知が遅れているのかということについて、まずは新電力がユーザーへ電気代を請求するときの流れを追ってみていきましょう。

新電力がユーザーに電気代を請求できる仕組みに関係が大きい

新電力と契約したユーザー宅には無線通信を使って無人検針を可能にする次世代電力量計の
スマートメーター
が設置されます。スマートメーターで各顧客の電力使用量を計測し、ひと月分を集計して確定することでその月に請求する電気代が計算されるのですが、このデータ集計業務は実は新電力ではなく東京電力パワーグリッドという会社によって行われます。

東京電力パワーグリッドというのは2016年4月に分社化された3つの事業部門の1つで、一般発送電を担う会社のこと。一足早くホールディングカンパニー制に移行した東京電力では既に発電(東京電力フュエル&パワー)、電気小売(東京電力エナジーパートナー)、発送電(東京電力パワーグリッド)と別会社になっていたというわけですね。

つまり、東京電力エリアに存在する全ての新電力と東京電力エナジーパートナーは、東京電力パワーグリッドが所有する発送電網を利用して電気を各家庭に供給しているのです。

新電力が電気料金を請求する仕組み

今回の騒動は一般発送電を行う東京電力パワーグリッドのシステムトラブルにより顧客の電気使用量データが新電力に届いていないことが原因とのことで、これでは電気代の算出も、新電力から顧客への請求も不可能になってしまいますよね。影響はもちろん東京電力(エナジーパートナー)の新プランに乗り換えた家庭にも出ています。

なぜ遅延トラブルが起こった?

それでは、このようなトラブルがなぜ発生したのか。この事態に直結した出来事といえば電力自由化開始直前の駆け込み需要でしょう。短期間に大勢の人が電力会社を乗り換えたことでスマートメーターの設置作業が遅延し、事前申し込みをしても電力自由化に間に合わなかった家庭が続出したのは記憶に新しいところです。

こちらの設置遅れはようやく収束しかかっていたところですが実は内側ではまだまだ大変忙しい事になっていたようで、従来の電力量計からスマートメーターに移行するにあたりメーターの情報や契約者情報をシステムに登録するという作業が発生するのですが、そういった内部データ調整作業にも遅れが出ていたようなのです。

つまり今回の請求遅延は、電力自由化で電気料金プランを新しくした方の一部が影響を受けているということになります。まだ乗り換えていない方や、電力自由化が始まるずっと前にスマートメーター設置済みの方にはおそらく影響は出ないことでしょう。

6,400件のデータ消失の可能性も?!電気代は一体どうなる?

6月下旬まではここまで解説したように単なる通知遅れだと発表されていましたが、東京電力パワーグリッドによると通知遅れが発生している25,000件の内、なんと最大6,400件については使用量のデータが消失してしまった恐れがあるというのです!

これについて東京電力パワーグリッドは新電力48社に対して前年同月の電気使用実績から当月分の電気料金を算出するように提案していますが、システムトラブルで一括処理できない以上全ては人力計算なのでしょうか。

さらに前年度と今年度の燃料費や気候の変化を加味して計算しなくてはならないとあれば、考えるだけで頭が痛い…もとい、正しくない電気代を請求される可能性を持つ事態にまで及んでしまったことが本当に残念でなりませんね。

これらの事態に影響を受けているのはユーザーばかりではなく、実は新電力も同様だったりするのです。

想定外過ぎる事態に新電力も困っている

今回の東京電力パワーグリッドによるトラブルで困っているのは、実は新電力も同様だったりします。電気料金が請求できず、収入が入ってこないという事態にありながらも電気を調達しなければならない、さらに請求の遅延は新電力の対応に不備があるのではといった苦情や問い合わせの多さに新電力も頭を悩ませているのです。

一般家庭なら支払いが遅くなっても特別に憂慮するべき問題はありません(一大事ではあります)が、ビルなどの顧客相手ではそうもいきません。テナント毎に請求するべき電気料金も請求できず、収支計画がめちゃめちゃになってしまうからです!

もっと厳密に資金運用が行われる自治体などが相手なら、請求の遅れによる遅延損害金を発生させてしまう可能性すらありますからね。

さらに窓口に問い合わせをしても繋がらなとなれば今度こそ新電力自身の評判が落ちるばかり。必要があれば電気代を個別に手計算したケースもあるようで、電力自由化で乗り換え世帯を多く集めた人気新電力ほど、問い合わせと対応による影響は大きいことでしょう。

人件費負担が増大!電気代への影響は?


新電力の料金の安さは人件費カットに支えられている
面もあることですし、今回の騒動にかかったイレギュラーの人件費は誰が負担するのかも気になるところ。少なくとも5社の新電力が今回の対応にかかった負担分を東京電力パワーグリッドに補償請求することも検討しているようで、電気代に安易に転嫁されないことが伺えて一安心…と言えるのかもしれません。

追記:8月24日の発表によると、小売電気事業者が遅延対策のために発生した費用のうち「人件費、郵送代、システム改良費のうち追加的に発生した費用の請求」には東京電力PGが応じる方針とのことです。

請求遅延は長期に渡る恐れも!ユーザーができる対策

新電力から電気代が来ない!ユーザーがとるべき対策

電気代の請求遅延が起こる原因がなんであれ、いつになったら電気代の請求が来るのかが一番気になりますよね。電気料金プランを替えて電気代が安くなっている(はず)と言っても、数ヶ月分の電気代精算が溜まっていくと思うと恐ろしいばかりです。

そんなシステムトラブルが無事に収まり、電気料金の請求がいつになるかは、なんとまだ予測できていません。短くて6月末頃、長ければ9月以降まで続く可能性すら囁かれています!

追記:東京電力PGの発表によれば、7月までの検針分を9月中旬には解消する予定とのことです。
再追記:東京電力PGのの発表によれば、9月20日時点で電気使用量データを確定させるための調査と確認を全て実施。データ消失など、電気使用量を確定できず協議に入るものを除きほぼ解消に至ったとのことです。

それまで電気代の支払いが無くて家計は楽になるしラッキー!…ということはまずあり得ませんね。いつかは電気代の請求が来るのです。それも、遅れていた数カ月分の電気代を一気に支払わなければならない可能性すらあるのです!

そのような事態になったらまずは契約先の新電力に分割支払の相談をしたいところですが、それに応じてくれるかは今のところ不明で、電話窓口は繋がりにくいことでしょう。すでに請求遅延に関しての問い合わせが殺到している状態ですし、人員を抑えて電気代を安くする体制をとる新電力なら電話窓口の数も限られていると予測できます。

そこで私達ユーザーは、電気料金の請求がまとめて来た時に備えておくことが必要かと思います。契約中の電力会社が会員サービスを提供している場合、電気の使用量を確認する「見える化」というサービスが参考になる可能性が高いです!

見える化サービスから電気代を予測できる可能性

見える化サービスが提供されているなら前日までの使用電力量データが時間毎に保存されており、ユーザーがいつでも参照できるようになっている可能性が非常に高いです。つまり30分毎に累積した一月分の使用電力量だけなら、ユーザー・新電力の双方で把握できるのです!

このデータを元に電気代を計算すれば良いのではという思いもありますが、システムとしてそういう仕組みではなかったのですから仕方ありません。前月と比較した大まかな目安の金額を推測し、その分を貯蓄しておけば来る電気料金の請求にも対応できるようになります。

電気使用量から電気代を計算するには

従量電灯の電気料金を自力で計算するなら段階毎に電気使用量を区切り、それぞれに設定された単価をかけると大まかな金額が算出できます。

例えばこちらは東京電力の電気「ずっとも電気1」です。アンペア数によって決まる基本料金と、電気使用量から計算できる電力量料金を合わせると電気代の目安にできるでしょう。ひと月の電気使用量が380kWhなら、最初の140kWh×23.24円、209kWh×23.45円、29kWh×25.93円を基本料金と合わせてください。契約アンペア数はブレーカーに書いてあります。

東京電力の電気「ずっとも電気1」


電気代に含まれる燃料費調整額や再生エネルギー発電促進賦課金

の計算はちょっと複雑なので、確実に電気代を調べる必要があるなら新電力に問い合わせるのが一番です。

遅延じゃないけど支払い日がずれる可能性も

これまで遭遇することのなかった電気代の支払いに関するイレギュラーで不安になる方も多いですが、電気代の支払いタイミングが遅れている人の中にはトラブルが原因ではない方も存在します。その条件は「セット割」で「一括支払い」に対応した方です!

ここで挙げるのは東京電力管轄内の家庭に電力を供給している「東京ガスの電気」の例ですが、ガスと電気のセット割に契約すると電気料金はガス料金と合算して請求されるようになります。電気を検針された後に行われるガス検針に合算して電気・ガス料金を確定し、従来のガス支払日に合わせて精算するということですね。ガスの検針日と電気の検針日は異なるのが通常ですから、従来の電気検針日によっては妙に電気代の支払いが遅いと感じることもあるかもしれません。

ただし合算は遅くとも翌月には行われますので、電気代の請求が2ヶ月以上来ない、もしくはガスのみの支払いが2回以上続いている場合は電気料金請求が遅延している可能性が高いでしょう。いつか来る請求通知に備えて、準備をしておくべきです。

電力自由化に不信感?今後も続く影響とは

何事も革新的なサービスが始まった当初はトラブルやメンテナンスがつきものとはいえ、重要なライフラインである電気にトラブルが起こったときの不安の大きさは並のものではありません。そのため当分の間は不安定な状況が続くことを予想し、一旦落ち着くまで様子見をする方が多かったのではないでしょうか?

4月にスタートした電力自由化直後にも、電力会社を実際に変更したという家庭は予想よりも少なかったですよね。今回のトラブルはまさに、電力自由化がスタートから躓いたことを印象づける内容となってしまいました。

早期解決と信頼の回復が必須

新電力に契約を変えた途端に発生した今回の金銭にまつわるトラブル。電力会社に求める大きな要素である「信頼性」が損なわれてしまったとすれば、電力自由化の発展に暗い影を落とし続けるでしょう。

既に信頼性の低い新電力と契約してしまったという見方も出てしまっているようですが、今後はこういった事態が起こらないようにしていただきたいものです。何より春夏の電気代を一度に支払わずに済むように、事態が早急に収拾してくれることを切に願っています!

電力自由化トラブルは落ち着いた!さあ、安心して安い電気プランを選びましょう!

スマートメーターによるシステムトラブル、折角の電力自由化なのに、電力会社を切り替える気持ちも萎えてしまいますよね。

でも大丈夫!現在はシステムも正常稼働して、電力会社も切り替え体制が整っています。

ここはじっくり落ち着いてタイナビスイッチの高精度シミュレーションでご自宅の電気料金がいくら安くなるか見てみましょう。

きっと驚きの結果が出ますよ!

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