プロパンガス会社を変更するための条件とは?

いま使っているプロパンガスの料金は高いのでもっと安い会社に変更したい。プロパンガスを使っている人で、こうした希望を持っている人は少なくないはずです。なぜならプロパンガス業界は価格競争力が乏しいため、業者によって料金がまちまちだからです。そのため高い会社と契約した場合は都市ガスの倍近い料金も珍しくないのです。それでは使う人はたまりませんから、安い業者に変更したいと思う人が増えてきます。
こうした考え自体は当然であり、安い業者を探して契約を切り換えることは間違ってはいません。
とはいえ、安い業者を探すことから始まって、契約変更のためのいろいろな条件をクリアするのは簡単なことではありません。でもこれを正しく行わないと、せっかくの変更が失敗に終わることが少なくないのです。その条件とは次のような点です。
プロパンガス会社を変更するための条件はコレ!
プロパンガスの料金が高い!家計を節約するためにもっと安い業者に切り換えなければ。そう考えてせっかく良い業者が見つかっても、肝心なのは切り換えの方法です。大事なプロパンガスの切り替えが失敗に終わらないために、ここではまずプロパンガス会社の変更のための5つの条件を知り、その対処方法を理解しましょう。
合わせて2017年からスタートするガスの自由化についても知っておくと更に理解が深まります。
条件1:呈示された料金が適正価格かどうかを確認する
プロパンガスは都市ガスとは違い料金に一定の基準がないためガス会社の自由裁量で決められます。その結果、業者によって料金はまちまちです。つまり適正に近いものから、それを大幅にオーバーしたものまで様々なのです。
したがって会社変更に際しては業者が呈示した料金を鵜呑みにせず、それが適正価格かどうかをよく確認する必要があります。とはいえ、プロパンガスの値段についてはガイドラインのようなものが無いため判断に難しさがあります。ではどうしたら良いかと申しますと、判断の一つの材料として都市ガスの価格を基準にするのです。そのためには次のことを覚えておいてください。
条件2:業者が挙げた「無償貸与」の条件をよく確かめる
無償貸与とはプロパンガス設置の際の配管工事や給湯器取り付け費用、それに給湯器の代金などを契約時にガス会社が負担して利用者に貸与する条件のことをいいます。ほとんどの契約にこの方式が採用されますが、大事なのは条件の内容です。これをよく確認しておかないと後々トラブルの原因になることが多いからです。
なぜなら無償貸与の条件として解約時の工事費精算や設備の買取などが条件になっているケースが多いからです。これでお分かりだと思いますが、無償貸与は一見利用者にあり難い制度のように見えるのですが、実際は業者の方に都合が良い条件なのです。
条件3:配管設備の所有権がどちらにあるかをきっちり確認する
条件2でも説明したようにプロパンガス契約には無償貸与という条件があって、配管設備などの費用を利用者に請求せず無償で貸与する制度があります。しかしこの制度は業者切り替え時にトラブルの原因になりがちです。なぜなら業者側が配管の所有権を盾にとって設備費用の一括精算を要求するからです。
こうしたことを避けるためには、契約時に設備の所有権がどちらにあるのかについてじゅうぶん説明を受けておく必要があります。そのためには書面に書かれている「設備の所有権」に関する内容をしっかり確認しなければいけません。それに併せて工務店などと交わす契約書にある「ガス設備の費用負担」の内容についてもしっかりチェックすることが欠かせません。
条件4:契約書面が正しく記載されているかどうかを確認する
プロパンガスの契約は、業者側が利用者側に「液化石油法14条書面」という書類を渡すことによってなされます。液化石油法とは難しい名前ですが、言い換えれば「プロパンガス法」のことです。この書面には次の内容が記載されています。記載された事項については事前説明の内容と相違がないかどうかをよく確認する必要があります。
液化石油法・14条書面の内容
- プロパンガスの種類
- 引渡し方法
- 料金制度やその考え方など
- 配管設備の所有権及び所有関係など
- 設置場所の変更・修繕・解約などで発生する費用の負担方法
- 給湯器や配管設備などの所有権が業者側にある場合の利用法や代金支払方法
- 解約時における利用者の設備や機器買取費用の算定方法
- 利用者と業者双方の保安上の責任範囲
条件5:委任状 には法的拘束力がないことをよく理解しておく
プロパンガス契約時には業者と利用者の間で委任状が交わされますが、これは「プロパンガスの切り換えに際しての必要な作業は利用者の代行として新しい業者に一切を任せる」ということを記載した書面です。
ただし、この書面は契約書と違って法的な効力はありません。ということは、例え委任状を交わしたとはいえ、契約を必ず履行しなければいけないということはなく、問題があれば撤回することも可能なのです。
これをよく理解していなければ、業者が委任状を盾にして不利な条件を呑ませようとすることがあります。
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まとめ
競争原理が当たり前に働く資本主義社会日本にあって、いまだにそれが通用しない業界があります。
非常に珍しいことですが、プロパンガス業界がそれに当たります。この業界は競争意識が極めて乏しく、そのために価格設定は業者の思うままで、利用者は高い料金を押し付けられることが珍しくありません。
これに対して利用者側は業者の切り替えで対抗せざるを得ません。しかし問題は切り替え条件の複雑なことです。これをよく知らず安易に行ったばかりに、せっかくの切り替えが無駄になった例は数知れません。
そんなことのならないように、ここで説明した切り換えの条件をしっかり頭に入れておくことお勧めします。