大多喜ガスの天然ガスはガス自由化で強みへ!

今年(2016年)には電力自由化がはじまり、来年にはガスの自由化も開始を発表しています。急なエネルギー事情の変化で、電気もガスも自由化したけれど乗り換えてよいものか?と思案している人もいるでしょう。
そんな人のために、自分の住んでいる地域ではなくても、ガスや電気の事業者の取り組みや、自由化に対しどんなことを考えて、どのように電気・ガスの自由化に参戦していっているのかを知ることで、知識の幅が広がり選択の役に立つでしょう。
電気・ガスの自由化に対し、消費者としてどのように参加していくのか、今までとは違った面から考えていけたらよいです。
今回は千葉県の大多喜ガス株式会社の電気・ガス事業への取り組みを中心にご紹介していきます。
大多喜ガス会社紹介
大多喜ガス株式会社は千葉県茂原市茂原に本社があるガス会社です。K&Oエナジーグループの子会社です。昭和31年からある地元に根差すガス会社ですが、今年と来年から始まる電気やガスの自由化に伴い、総合エネルギー企業として電力事業へ参入してくる動きを発表しています。
大多喜ガスは天然ガスを扱う会社
天然ガスってどんなエネルギー?
まずは一般的は天然ガスという資源についてご紹介します。
天然ガスは成分のほとんどがメタンでできおり、一酸化炭素が含まれていないので、安全だと言われています。
また重さは空気より軽いので、万が一ガス漏れした場合は、天井にたまります。これに対しプロパンガスは空気より重くもれた場合は床など足元にたまります。
一般的な天然ガスはインドネシア、オーストラリア、マレーシア、ブルネイなどの生産地から液体(LNG)にしてタンカーで運ばれてきています。液体にすることで気体より体積が1/600になり運びやすくなります。
しかし大多喜ガス株式会社で提供される天然ガスは南関東ガス田で作られたガスなので、地産地消されています。
大多喜ガス株式会社で扱う天然ガスは、焼却した時に二酸化炭素や窒素酸化物の排出量が少なく、環境に優しいエネルギーです。また埋蔵量も世界中に多いので、長期的に安定して使用できるエネルギーとなっています。
天然ガスがどういったエネルギーかだいたいおわかりいただけたところで、どうやって作られるのか不思議に思った人もいるでしょう。
「天然」と言うからには、自然の中で作られているエネルギー資源だということは想像がつくかもしれません。
天然ガスができるしくみをもう少し詳しく見ていきましょう。
海は太古の昔からあるので、もちろん海の中の微生物やプランクトンも昔から存在していました。それらの死骸が砂や泥の中にたまり、長い年月をかけ地層の圧力を受けることで、油分が染み出て石油になりました。また地熱で温められることで気体となり、地層の曲がった部分にたまったのが天然ガスです。
大多喜ガス株式会社のガスに対する取り組み
大多喜ガス株式会社は都市ガスとしてガスを提供している会社で、環境にやさしい千葉県産の天然ガスを家庭に送っています。地元の人しか社名までわからないかもしれませんが、全国209社のガス販売会社があるうちの第5位という販売量を誇ります。
天然ガスは燃えるときに他の燃料に比べ二酸化炭素の排出量が少ないことから、環境にやさしいエネルギーとされています。
千葉県産天然ガスは南関東ガス田から算出されており、一酸化炭素や硫黄分などを含まない良質なエネルギーです。この天然ガスは関東天然河原斯開発によって生産されており、料金も全国平均と比べて安価に提供することができています。
海外から輸入した天然ガス(LNG)の場合は、輸送量や為替など様々な影響で価格が変動しがちで、一定して安価に提供できるかはわかりません。
大多喜ガスはガス自由化に参入することに対し、天然ガスの開発や生産段階から消費者への提供までを一貫して行えるグループ内の強みを生かしてガス自由化の競争に参戦していこうと考えています。
こういった強みを生かすことができるのも、千葉県産の天然ガスが安定して供給できる埋蔵量の資源であることと、使用しても環境を汚染することがなくクリーンなエネルギーであるという自信を持てることが挙げられるのではないかと考えられます。
大多喜ガスグループガス事業
大多喜ガス株式会社のグループ事業としてガス事業を展開しています。千葉県産天然ガスを中心に広げられているネットワークを簡単にご紹介したいと思います。
大多喜ガスは関東天然瓦新開発という天然ガスを自社生産している企業とネットワークを結んでガスを調達しています。
そのネットワークには同じく自社で天然ガスを生産している日本天然ガスという会社と千葉県産天然ガスというガス会社ボイルオフガスという東京電力・ガスの会社も関わってきています。そのネットワークを活用し大多喜ガスは一般家庭や業務用・産業用に天然ガスを提供しています。
しかし大多喜ガスは天然ガス以外にLNGネットワークも構築しています。LNGとは先ほどご紹介したように海外から輸入している天然ガスのことです。大多喜ガスではLNGは一般家庭ではなく、業務用・産業用を中心に販売、提供しています。
その他のグループで事業を展開することの強み
大多喜ガスではガスの生産から販売まで、グループ内で行っているので、安定したサービスを提供することができます。生産している業者と販売業者が違うと、どうしてもやりとりに時間がかかってしまいがちですが、同じグループ企業が担当することでスムーズに安価にガス資源を提供できます。
また千葉県産天然ガスは安定して供給できるエネルギーでありますが、自然の中でできている産物なので、万が一何かがあることも可能性がゼロではありません。大多喜ガスでは天然ガスの他LNG、BOG、オフガスなど 天然ガス以外にも複数のガス源を確保しているので、万が一の時にも、エネルギーを提供できる体制を整えています。
その中でもやはりガスの料金については、全国的に見てもトップクラスの安価な料金での提供が実現しています。
大多喜ガス株式会社の電気への取り組み
今年の4月から電力自由化が始まり、大多喜ガス株式会社も電気事業への参入を発表しました。
自社で発電するのではなく、千葉県内のガス事業者から電気を購入し同じ年の10月から電気事業での卸販売を開始する予定となっています。一般家庭6000件ほどの契約があると見込んでいるようです。
大多喜ガス株式会社のその他の取り組み
大多喜ガス株式会社は天然ガスだけを提供しているのではありません。
その他にヨードの生産も行っています。ヨードとは何かご存知でしょうか。
ヨードはヨウ素のことで、天然ガスを採取する時の水に含まれています。人間の体に必要な生理作用を持っていて、人体に必要不可欠な栄養素です。
日本では8割近くが千葉県でヨードが生産されており、南米、チリなどに輸出もしています。
おわりに
いかがでしょうか。千葉県から遠く離れている地域に住んでいる人も、読んでみると参考になる点があったかもしれません。お住まいの地域で天然ガスを販売しているかどうかは様々ですが、もし取り扱っている事業者があれば、地球環境に優しい天然ガスについて問い合わせてみるのもよいでしょう。
クリーンな天然ガスはガス漏れしたらわかるの?という疑問を持った人がいるかもしれません。大丈夫です。天然ガス自体は無臭なので、ガス漏れした時にわかるように、ちゃんと臭いをつけてありますよ。
また大多喜ガスはガスに関しては千葉県で作られた天然ガスを千葉県を中心に販売し燃焼する地産地消を行っていますが、ヨードにかんしては世界各国に輸出しています。ヨードについて少し述べましたが、意外に生活の様々なものに使用されている物質です。例えばうがい薬や液晶パネルのフィルムなどです。ヨードは世界の8割が千葉県で生産されており、大多喜ガスも有数の生産者として名乗りを上げています。
今回は大多喜ガスのご紹介が中心となりましたが、電力自由化の次にはガスの自由化が待っているので、ガスについても知識を蓄え悔いなく資源の選択をしていきたいものです。