液化天然ガスLNGとは?

LNGとは簡単にいうと地中にある天然ガスを冷やして液体にしたものです。
そのため、天然ガスとLNGは成分が一緒でも天然ガスが気体でLNGが液体ということです。
どちらもよく聞く言葉ですが違いがよくわからなかったという方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
もともと自由化だったLNGですが、2018年4月から都市ガス自由化されることで都市ガスの価格競争になるでしょう。
もともと自由化されていたLNGは価格競争がなく高値で売られているケースが目立ちました。
しかし今後は都市ガス自由化により国民がガスの価格に関心を持つことから価格設定が安くなる見通しです。
こんな疑問はありませんか?
- LNGと天然ガスの違いは何?
- LNGはどうして液体なの?
- 原料はどこから来るの?
今後ガスの関心は自由化により高まり、ガスを家庭のエネルギーにすることで節約になる場面も増えてくることも考えられます。
ですから、今からLNGのことを詳しく理解して疑問を解決しておきましょう!
⇒ガス自由化を電力自由化から学ぶ
LNG=液化天然ガス
LNGは英語で「Liquefied Natural Gas」で液化天然ガスという意味です。これを省略して「LNG」と表現します。
天然ガスを液体にしたものをLNGと呼びます。
天然ガスは本来気体で自然界にあるもので、メタンが主成分の可燃性ガスです。
メタンのほかにプロパンやエタン、ブタンなどが含まれています。
天然ガスは地下に存在しているガスを呼び、マグマから吹き出る火山ガスも含まれます。
火山性のガスは不燃性のものがほとんどで水蒸気や炭酸ガス、硫化水素ガスなどの天然ガスを表現します。
必ずしも天然ガスは可燃性のガスというわけではありません。
天然ガスは都市ガスが一般的な使われ方ですがの原料にするだけでなく、使い道はさまざまです。
クリーンで天然資源ですからこれからの時代に注目されるエネルギーでLNGは日本国民にとって大切なエネルギー源です。
ガスを液体にして運ぶのはなぜ?
天然ガスを液体にして運ぶ理由は600分の1までに体積が減るからです。
この天然ガスに圧力をかけ、-162℃以下に冷却すると気体に変化します。
気体にすることで体積が大幅に減り、運びやすくなることから、天然ガスを運ぶには気体にするのが一般的な方法です。
減る量は600分の1までになるのですからタンカーで簡単に輸送ができ便利です。
LNGを気体に戻す方法はLNGが流れているパイプに海水などをかければ温度差により液体から気体に変化します。
また、天然ガスを気体にしただけではなく、液化するときに硫化水素や二酸化炭素を取り除き洗浄され有害物質のない状態が、LNGです。
日本のLNG(液化天然ガス)の国内生産の割合と輸入先
2014年の統計で見ると、日本で生産される天然ガスの割合は消費量に対して2.2%です。
そのほかの97.8%は他国から輸入していることになります。
輸入量は8851万トンで莫大な量で天然ガスの輸入量が世界で最も多いのが日本です。
国内での天然ガスがとれる量が乏しく輸入に頼っているのがわかります。
では、日本はどこからLNGを輸入しているのでしょうか。
日本のLNGの輸入先
1位:オーストラリア:20.8%
2位:カタール:18.2%
3位:マレーシア:16.9%
4位:ロシア:9.5%
5位:インドネシア:6.5%
6位:その他:28.0%
天然ガスを消費する量は国内生産量で足りない場合は他国から調達しなければなりません。
国内消費量よりも多く生産ができる国であれば輸入も必要なく無理に生産しなくてもよいため、輸出が可能です。
輸入量に対して生産が多いのであれば、貯蔵すればよいのです。
天然ガスの生産率で最も多い国はアメリカ合衆国です。
その次がロシアですが、輸出率が最も高い国はロシアが世界で1位です。
そのため埋蔵量と生産量ではロシアが最も多いことになります。
エネルギー資源が多い国は天然資源が豊かで輸出が可能ですが、日本は他国から輸入しなければエネルギーをまかなうことができません。
日本は天然資源が全般的に乏しく、輸入に頼らないとならなく、特にLNGはほぼタンカーなどで輸入されている資源だということです。
LNG(液化天然ガス)の使い道とは
LNGは、クリーンな資源で有害な物質である一酸化炭素を含まず、燃焼したときに石炭や石油のように二酸化炭素の排出量が少ない利点があります。
LNGはエネルギー量が大きく有効活用ができる豊富な資源として人気があります。
このLNGは2005年度では主にこのような使われ方をしています。
- 発電用のエネルギー:60%
- 民間の都市ガス:28%
- 製造業:6%
- 送配損失等:4%
- 建設業:1%
使い道は主に発電用のエネルギーです。
現在では天然ガスをエネルギーで使う際に出る熱や蒸気を有効活用し発電し、家庭や産業の電力供給に役立てることで電気の購入量を減らせるシステムにも注目を集めています。
ガスは自動車用燃料電池の原料にも使われており、今後の自動車生産分野での使われる割合が増える見通しです。
今後もLNGは広い分野で活用されるでしょう。
LNGがエネルギー源として使用される割合は1970年代ではわずかでした。
しかし現在は石油や石炭の次に利用されている第三のエネルギー源として使われ、世界で取引されているLNGの約5割は日本で輸入をしており、日本がどれだけLNGをエネルギーとして活用しているかがわかります。
その量は約6,200万トンで日本のエネルギー自給率が低い表れでもあります。
日本のエネルギー自給率はわずか4%です。
オーストラリア、カタールなどから輸入されるLNGは日本の貴重なエネルギーとして有効活用されているのです。
天然ガスはどうやって採取されるのか?
約10億年という長い年月を経て海中のプランクトンの死骸などは海底に沈みヘドロとなった地層に長年溜まり海底に圧力がかかり油分が石油に変化します。
石油は地熱で温まりやがて気化し、天然ガスとなります。
天然ガスはガス井の掘さくのやぐらを建て、地中の奥深くのガス層まで掘さくをします。
その深さは500mから2㎞にまでなりガス井を作りガスを採取します。
ガスの採取方法はさまざまですが、ガスリフト方式で、汲み上げる方法が一般的です。
私たちが当たり前のように使う天然ガスはこのように採取されております。
そしてほとんどが海外からの輸入ですので、-162℃のLNGをより安全に運ぶためにLNG運搬専用の船で運ばれてきます。
運搬船のタンクは-162℃の低温に耐えられる構造で断熱性にも優れています。
そして都市ガス用と工業用に分け、パイプラインから一般家庭や工場などの幅広い分野で使われています。
LNG(液化天然ガス)や天然ガスの性質の違い
空気より軽い?重い?
LNG
空気よりも重く、床付近に溜まります。
天然ガス
空気より軽い性質ですので天井付近に溜まります。
臭いは?
プロパンガス
漏れたときにすぐ発見できるように臭いをつけています。
天然ガス
臭いがありません。
LNGは万一漏れた場合、臭いのほかに白煙が上がり目視で漏れているのが分かる性質があります。
-162℃のガスが漏れ、気化し空気中にある水分が冷えることで起こる現象です。
気化したガスは、空気より軽いため天井付近に溜まります。
漏れたときは臭いがあり、目視もできるため安全なエネルギーです。
LNGはボンベに入っている状態でしか見たことがない方がほとんどです。
しかし、LNGは液状で私たちの身近なエネルギー源であります。
地球上の天然のものでつくられたエネルギーのLNGは日本国民の大切なエネルギーとして今後も供給されていきます。
また、エネルギーとして欠かせないものに電気があります。
クリーンな電気で注目を浴びている再生可能エネルギーの存在も忘れてはなりません。
電気は素材で選ぶ時代と注目を浴びています。
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