電気代の基本料金を見なおして安くする節約方法

電気代を節約したいなら、まずは基本料金を見直しましょう!家電の使い方を工夫するのもいいですが基本料金を安くしてしまえば、以降は自動的に節約が可能になります。
また、契約しているアンペア数を下げるだけで、毎月の基本料金が安くなって、結果、節約につながるって知っていましたか?
それでは、電気の基本料金が決まる要因とそれぞれの節約方法を紹介します。
電気代の中の基本料金の位置づけ
まずは、現在の電気料金明細の各項目内容を理解しましょう。電気の基本料金はどのように定められているのでしょうか?実際に電気料金の明細を見てみると、内訳が大きく分けて3つに分かれます。
- 1.「基本料金」:企業で設定される電気の基礎単価
- 2.「電力量料金」:消費電力に伴う支払い料金
- 3.「再生エネルギー賦課金」:再生エネルギーの利用を促進するための負担金
電気料金の計算方法
どこの電力会社と契約しても基本料金が必ずあります。基本料金をベースに消費電力の料金が上乗せされ、それを合わせて電力料金になります。企業の契約内容によって消費電力料金内容は異なりますが、基本料金は必ず必要とされるものです。
消費電力などの計算方法はこちらでわかりやすく解説しています。
⇒消費電力を計算してみよう!!誰でも簡単に出来ます
電気基本料金システムを知りましょう
普段の水道料金や電気料金等の明細を確認すると、どれも基本料金と記載された項目があります。基本料金は、大きく3つに料金振り分けがなされています。
従量電灯の違いによる料金単価の振り分け
一般家庭で利用される10-60Aの範囲で最も多くご契約いただいているメニューが「従量電灯B」と言われ、大型冷蔵庫を所有しているような商業施設の建物では、「従量電灯C」が適用されます。それらの中で、10~60Aの範囲で顧客の申請によりアンペア数が決定され、電気の基本料金が決定されるのです。
家庭で使用するアンペア数の違いによる料金単価の振り分け
実際に契約しているアンペア数によって料金差が生じます。アンペア数に応じた基本料金は電力会社によって若干違いはあります。
例)東京電力の従量電灯B
- 10Aで280.8円
- 15Aで421.2円
- 20Aで561.6円
- 30Aで842.4円
- 40Aで1123.2円
- 50Aで1404.0円
- 60Aで1684.0円
電気使用量による料金単価の振り分け
基本料金にはもう一つ。「1,2,3段料金」によって単価が分かれてきます。これは電気の使用料により料金単価が上がるシステムです。
- 1段料金:120kWhまで 1kWhあたりおよそ19円
- 2段料金:300kWhまで 1kWhあたりおよそ25円
- 3段料金:300kWh以上 1kWhあたりおよそ29円
このように、電気は、使用するほど1kWh当たりの料金単価が上がります。この3段階で使用料金を切り分けることにもちゃんと意味があります。国民の生活水準を守るために最低料金が組み込まれたり、電気量の使用し過ぎの家庭には、それを抑えるための単価を上げるような仕組みを設けて、注意を促す狙いがあるのです。
これらの基本設定には電気を利用する頻度の低い人、高い人へのそれぞれの配慮がなされています。細かな単価設定が電気を売買する人への生活を支える糧となっているのです。
電気料金の基本料金はここで変わる!2つの大きな要因
電気の基本料金が「何で変わるのか?」かを知らければ、見直しようがありませんね。現在のあなたの契約内容で見るべきポイントは、この3つです。
- 支払い方法
- 契約アンペア数
- 電気料金プラン
まずは「支払い方法」と「契約アンペア」の見直しで電気代の基本料金を安くしましょう。また、電力自由化で新たに選べるようになる新電力や新電気料金プランでも、基本料金が割引になることがあるんです。これについてはこの記事の終わりでお伝えします。
支払い方法を口座振替にする
あなたは電気料金をどのように支払っていますか?コンビニや振り込み、Creditカードに口座振替など、様々な支払い方法がありますよね。この中で最もやってはならない方法は、コンビニでの支払いや銀行振り込みです。
口座振替なら毎月54円(税込)の割引となり、クレジットカード支払いならポイントが貯まるのでお得ですが割引はありません。カード支払い時に54円以上に相当するポイントが貯まるならクレジットカードがお得ですし、そうでないなら口座振替の方がお得です。
(※北海道電力、東北電力、沖縄電力の3社は口座振替割引を行っていません。カード支払いにしましょう!)
契約アンペア数を下げる
電気料金の節約といえば、アンペア(A)を下げることですよね!家庭内で一度に使える電気の総量に応じて基本料金が設定されています。10〜60A(kVA)とブレーカーに書いてあるか、色で区別してあるはずですよ。
数字が高いほど多くの家電を同時に使えるので基本料金は高くなります。数字が小さければ基本料金は安くなりますが、一度に使う電力量がアンペア数を超えてしまえばブレーカーが落ちてしまうので注意する必要があります。
また、東京電力の従量電灯の最小アンペア数は10Aですが、6kVA以上からしか選べない電力会社や電気料金プランを契約する場合はアンペアダウンは不可能です。
契約アンペアの単位にはAとkVAの2種類があります。この2つの違いは特にありませんので、1kVA=10Aとして考えましょう!
電気代の基本料金に表記のあるアンペアとは?
電気代の基本料金を語る上で欠かせない「アンペア」という言葉。
毎月自宅のポストに投函されている電気料金の払込票にも「20アンペア」や「30アンペア」、はたまた「50アンペア」などと記されていますよね。
アンペア数はどうやって確認すれば良いかなど、電気代に関係する単位もこちらで詳しく解説していますのでご覧下さい。
アンペア数の確認方法やその他の単位
アンペアとは電流の単位のことで、契約しているアンペア数によって一度に使用できる電気の量が異なります。
「ブレーカーが落ちる」というのは、例えば20アンペアで契約しているにも関わらず、一度に20アンペア以上の電力を使用した際に、強制的に送電がストップしている状態のことを言います。
この場合でも、下がったアンペアブレーカーを上げることで簡単に送電が開始されますので心配ありません。
ちなみに、このアンペア数をもとに毎月の電気料金の基本料金が決定していて、この基本料金+使用した分の電力量の料金が請求されている、ということなんです。
つまり、契約しているアンペア数が低ければ低いほど基本料金が下がり、電気料金を節約することができます。
とはいえ、各家庭によって適切なアンペア数があるのも事実ですので、やみくもにアンペア数を下げればいいというわけでもありません。
もし手元に払込票がなくて契約中のアンペア数を確認できない場合は、室内の分電盤に取り付けられているアンペアブレーカーにもアンペア数が記載されていますので、それを見て確認してみてください。
アンペア数によってどれくらい基本料金が変わるの?
アンペア数によって決まる電気料金の基本料金は、契約している電力会社によって異なります。それでは早速、東京電力を例に見ていきましょう。
アンペア数 | 基本料金(月) |
---|---|
10アンペア | 280.80円 |
15アンペア | 421.20円 | 20アンペア | 561.60円 |
30アンペア | 842.40円 |
40アンペア | 1123.20円 |
50アンペア | 1404.00円 |
60アンペア | 1684.80円 |
東京電力の場合は、10アンペアから60アンペアの7プランから選ぶことができます。
あくまでも月額の基本料金になりますので、月ごとで考えると差異はありませんが、年間で計算すると大幅に変わってきます。
したがって、契約アンペアの見直しを図ることで、容易に節約が可能、ということなんです。
例えば東京電力で50アンペアから40アンペアにプランダウンした場合、月額では280.8円と差はごく僅かに感じますが、これを年間に計算すると3369.6円の節約につながります。
つまり、一回の飲み会代が浮くという計算です。
契約しているアンペア数を下げただけで飲み代が一回タダになると考えたら、なんかお得な気分になりませんか?
ちなみに、大手電力会社でそれぞれ50アンペアから40アンペアにプランダウンした場合はこのような差になりますので、ぜひ参考にしてみてください。
《北海道電力》
50アンペア(1674.00円)→40アンペア(1339.20円) 334.8円/月 お得!
《東北電力》
50アンペア(1620.00円)→40アンペア(1296.00円) 324.0円/月 お得!
《北陸電力》
50アンペア(1155.00円)→40アンペア(924.00円) 231.0円/月 お得!
《中部電力》
50アンペア(1404.00円)→40アンペア(1123.20円) 280.8円/月 お得!
《九州電力》
50アンペア(1458.00円)→40アンペア(1166.40円) 291.6円/月 お得!
こう見ると、一番お得なのは北海道電力の334.8円/月。年間で計算すると、実に4000円以上の節約につながります。
最適なアンペア数は何を目安にすればいいの?
アンペア数を下げれば電気料金の基本料金が節約できるとはいえ、50アンペアから10アンペアに極端なプランダウンをするなど、やみくもに下げれば良いというわけではありません。
その家庭に適したアンペア数というものがあります。
ただ、何を基準にアンペア数を決定して良いのか分からない方も多いと思いますので、一般的に使用する家電製品の平均的なアンペア数を見ていきましょう。
家電製品 | アンペア数平均 |
---|---|
インバーターエアコン(冷房) | 6.6アンペア |
インバーターエアコン(暖房) | 8.6アンペア |
テレビ( 21インチ) | 0.9アンペア |
冷蔵庫( 420L) | 1.5アンペア |
電気オーブンレンジ | 13.2アンペア |
IH炊飯器(1L炊き/炊飯時) | 11.0アンペア |
クッキングヒーター(最大時) | 48.0アンペア |
電気カーペット( 2畳用) | 5.1アンペア |
電気掃除機 | 10.0アンペア |
ドライヤー | 6.0アンペア |
こたつ | 5.0アンペア |
例えば15アンペアで契約しているにも関わらず、8.6アンペア消費するエアコン(暖房)と、10.0アンペア消費する電気掃除機を同時に使用した場合、合計で18.6アンペアになりますので瞬時にブレーカーが落ちてしまいます。
ここでポイントとなるのは、スマートフォンのパケット通信料と違い、その月で使用できる電気量の制限とは異なります。あくまでも、“一度に使用できる電気量”の制限になります。したがってこの例の場合、エアコン(暖房)を消して電気掃除機を使用すればブレーカーが落ちることはありません。
実際にアンペア数をシミュレーションしてみよう
一般家庭で使用する電気には、炊飯器の保温や冷蔵庫など24時間連続して使用するものと、テレビやエアコンを始めとした運転時間が比較的長めのもの、そして掃除機や電子レンジなど短時間運転で使用する電気の3パターンに大別することができます。
24時間連続して使用する家電製品
家電製品 | アンペア数 |
---|---|
冷蔵庫(420L) | 1.5アンペア |
炊飯器の保温運転 | 0.5アンペア |
電気ポットの保温運転 | 0.5アンペア |
比較的長い時間使用する家電製品
家電製品 | アンペア数 |
---|---|
テレビ( 21インチ) | 0.9アンペア |
インバーターエアコン(冷房) | 6.6アンペア |
インバーターエアコン(暖房) | 8.6アンペア |
電気カーペット( 2畳用) | 5.1アンペア |
こたつ | 5.0アンペア |
照明器具 | 0.2アンペア |
比較的短い時間使用する家電製品
家電製品 | アンペア数 |
---|---|
電気オーブンレンジ | 13.2アンペア |
IH炊飯器(1L炊き/炊飯時) | 11.0アンペア |
ドライヤー | 6.0アンペア |
クッキングヒーター(最大時) | 48.0アンペア |
アイロン | 12アンペア |
食器洗い洗浄機 | 12アンペア |
《24時間連続して使用する電気機器》は常に計算に入れておく必要があります。
よって、2アンペアは常に消費すると想定できます。
また、テレビ(0.9アンペア)とエアコン(8.6アンペア)、照明器具(0.2アンペア)などは、計算上消費する電力量に含めるのが妥当な電気機器に当てはまりますので、先ほどの2アンペアにさらに10アンペアを追加して算出します。
この時点で12アンペア消費していますので、契約アンペア数を30アンペアと想定した場合、残りは18アンペアのみになります。
これに《比較的短い時間使用する電気機器》が追加されますので、自炊する機会が多く、電子レンジ(13.2アンペア)とIH炊飯器(11.0アンペア)の同時使用が想定される場合は、40アンペア以上で契約しないと度々ブレーカーが落ちてしまう、といった事態に見舞われます。
上記のように、同時使用が想定される電子機器をリストアップすることで、契約すべきアンペア数(基本料金)を割り出すことができます。現在の電気料金と照らし合わせながらぜひ算出してみてください。
アンペア数の変更方法は?日数はどれくらい必要?
これまで、アンペア数を変更するだけで基本料金が下がり、結果、電気料金の節約につながるというお話をしてきましたが、では一体、アンペア数を変更するにはどのような手続きが必要なのでしょうか。
一般的には、各電力会社の「お客さまサービスセンター」に問い合わせをして、アンペア変更の工事の日程を決定後、工事をして終了、という流れになります。
ちなみに作業はおよそ30分ほどで終了します。
そして、電力会社によって多少の誤差はありますが、問い合わせから数日もあれば工事に来てもらえます。
「工事まで最短で何日必要ですか?」と実際に電力会社に問い合わせをしてみたところ、東北電力の場合は4日後が最短、東京電力の場合は翌日が最短、という回答でした。
しかし、引っ越しシーズンの3月や4月は混み合うことが多いため、余裕を持って問い合わせをした方が良いようです。
この時に注意したい点としては、アンペア数を変更する場合、基本的には1年毎の契約になりますので、電気をあまり使用しない春と秋のみアンペア数を下げる、ということはできませんのでプランの変更は慎重に検討しましょう。
作業は全て無料で行ってくれますので、契約期間にある程度の縛りがあるのも納得ですね。
世界と日本との電気基本料金の比較
日本市場の電気基本料金は高いと言われていますが、実際に世界と比較するとどうなのでしょうか?東日本大震災の影響を受けてから、日本電気基本料金もかなり高い水位を示していますが、それでもドイツやイギリス、イタリアと比較すると電気料金や基本料金は低いようです。
これは、ヨーロッパ諸国の発電が火力に頼っており、火力発電に必要な化石燃料の輸入によって税金がかかるためです。アメリカは、自国でとれる石炭を利用して発電を行っているため、電気代は、日本の半分以上も安い基本料金で取引されています。
既存の電力会社と新電力の基本料金を見極める
電力自由化によって、新電力会社との契約の中には様々なプランが増えているため基本料金が安くても損することもあり、また、基本料金が高くても電力料金で得する場合など企業によって様々です。基本料金を確認するのと同時に、ご家庭の電気の使用方法にあった特徴のプランを持つ企業と契約することがとても重要になってくるのです。
基本料金は、現在の契約内容と新たな新電力会社の契約を把握していないとわかりません。そのためにしっかりと電気料金明細に記載される基本料金や、使用料金の仕組みを理解することが大切です。
電力自由化後のセット割で基本料金が安くなる
電力自由化でセット割が大きな注目を集めています。電気と一緒に特定のガス会社・インターネットプロバイダを契約することでセット割引が適用されるんですよ!基本料金が割引される例として、東京ガスのガス・電気セット割を見てみましょう。
東京ガスのガス・電気セット割
東京ガス
はガス小売事業者でもありますが、電気の小売事業に新規参入してきた特定規模電気事業者でもあります。その東京ガスが提案するガス・電気セット割なら、都市ガスと電気料金メニューの「ずっとも電気1」・「ずっとも電気2」・「ずっとも電気3」(電気料金メニュー名)のいずれかを一緒に契約すると、電気料金の基本料金がひと月に270円(税込)割引されます。
電気の基本料金を下げればお得が続く!
電気料金の基本料金を安くする要因、そして安くする方法を紹介しました。この中で一番簡単な方法は口座振替ですね!アンペアダウンは使用する家電について調べる必要があります。同時に多くの家電を使わない方にピッタリですね!
生活スタイルによっては電力自由化以降のセット割で大幅に得をする可能性があります。電気使用料金と一緒に、今の契約プランと新しい料金プランのどちらがお得かをシミュレーションしてみましょう!
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