西部ガスの電気料金プランはガスとのセット割!

今年4月から電力自由化が始まりましたが、みなさんは電力会社を乗り換えたでしょうか?電力自由化が始まる前にとった統計データでは「すぐに電力会社を乗り換えるのは不安があるので、知り合いや近所の人など誰かが乗り換えた様子を見てから乗り換えよう」と考えている人が一番多いという結果でした。
この統計データからすると、多くの人はまだ電力会社を乗り換えていない、ということになってきますね。
そこで、今回は西部ガスにスポットを当てて、電気会社を乗り換えたとしたら、どのようなメリットがあるのか、具体的に何円ほどお得になるのか、など調べていきたいと思います。
皆さんのお住まいの地域や契約を考えている電力会社のすべてが同じプランを打ち出しているわけではありませんが、乗り換えを考えている人にとって参考になる点があるかと思います。それでは見ていきましょう。
西部ガスの電気料金プラン
西部ガスのプランをご紹介する前に、西部ガスのライバル・競合相手となってくるのはどの会社だと思いますか?そうです、九州地方を牛耳る
九州電力
が存在します。
今まで地域のすべての顧客を管理していた九州電力にとって、同じく福岡県の大手都市ガス会社である西部ガスが電気にまで参入してくるとなると、どんな攻勢となるのか恐怖であったことが予想されます。
セットプランなどを打ちだしたら……九州電力の顧客が一気に西部ガスへ取られてしまう可能性もあるからです。
西部ガスに対する抗戦かどうかはわかりませんが、九州電力は今までの電気料金プランとは異なる新たなプランを発表しました。
プランの中に電気を多く使えば割引がある、という料金プランを打ち出しました。
図からわかる通り301kWh以上電気を使う家庭には、電気料金の単価が安くなるので、こちらのプランに加入するとお得になります。
このプランに対し、西部ガスはあくまで真正面から交戦しようとせず、ガスを多く使う顧客を囲い込み逃さない方向でプランを打ち出しました。
その前に確認しておきたいのがガスを多く使う家庭はどんな家庭?かということです。
ターゲットはガスがメインの家庭
オール電化のようにオールガスという言葉もありますが、残念ながらオールガス住宅でも電気を契約しなくてよいわけではありません。電気の契約は必要となってくるので電気の基本料金は発生してくるのです。
ガスで電気を発生させるのではなく、ガスの力で使用する電気の量を最小限に抑える、といった感じでしょうか。
オールガス、オール電化が向いている家庭はどんな家庭でしょうか。日中あまり家にいない共働きの家庭は電気の深夜料金割引が利用できるオール電化の方が向いていて、日中も電気をよく使う家族が多い場合はオールガスが向いているようです。
オールガス住宅の良い点は、ガスコンロが使えるので、ガスの炎で調理を楽しみたい人や、ガス給湯器でのお風呂に入ることができます。給湯器に関していえば、お風呂の湯に変化があるわけではないので、強いて良い点を挙げるとガス給湯器はコンパクトでエコキュートなどと比べると場所をとらないことでしょうか。
このようにオール電化の家庭が存在するように、オールガスの家庭もあります。
西部ガスはこのガスを多く使う家庭を優良客とし、顧客として手放さない方向で考えたようです。
西部ガスが行った電気料金の割引について
西部ガスのガスと電気のセット割引の内容について見ていきます。
ガスと電気のセット割りのオススメ会社はこちらをご参考下さい。
⇒ガス✕電気セット割特集!!どのガス会社がオススメ?
ますは九州電力従量電灯Bに相当するプランから見ていきましょう。
次に九州電力の従来電灯Cに相当するプランを見ていきましょう。
西部ガスで電気を契約する場合は、電気のみでの契約も受け付けていますが、ガスとセットで契約した方がお得になるようにプランを打ち立てています。
それは電気の基本料金を割り引くプランです。しかしどの契約者でも基本料金を割引するのではなく一定の基準を設けています。
西部ガスは500円割引!
アンペアという契約をしているのをご存知でしょうか。これはその契約アンペアを超えて家庭内で電気を使用した時にブレーカーが落ちる、というしくみになています。つまり一度に使える電気の上限を決めれるような感覚です。
この契約アンペアが30~50アンペア以上の契約の場合に、基本料金を約124円から500円割引することを提示しているのです。
500円という金額、あなたはどう思いますか?けっこうな割引金額だと思うでしょうか。それとも電気とガスのセットで申し込みをするなら、もっと割り引いてくれてもいいんじゃない?と思うでしょうか。
実際には全国的に見ても、500円の割引率は大きいようです。特に九州地方は電気料金が低い方なので、それで500円の割引があるのは大したことだ、という見方もあります。
どっちにせよ個人の感覚次第というところがありますが、電気のみの契約の人は約65円~125円しか割引されません。この金額に比べるとやはりセット契約の500円割引は大きく感じられるでしょう。
しかしこの割引方法では、電気を多く使う家庭にとっては、さほどメリットがありません。
なぜかと言うと先ほどご紹介したように九州電力の方で ある一定以上の電気を使う契約者には割引するプランが新プランとして出てきたからです。
これにより契約容量40アンペアで比較した場合、毎月511kWh以上電気を使用する家庭には、西部ガスで電気を契約するより九州電力で電気を契約した方がお得になります。
こういったことから、西部ガスはオール電化のような電気を多く使う家庭の顧客を、自社で無理やり契約させる気はなく、ガスを自宅のメインの燃料として利用している顧客にメリットがあるようなプランを打ち出していることがわかります。
やや保守的な電力自由化への参入をしているようにも感じられますが、ガスメインの顧客を逃さない、という点では来年にガス自由化も発表されているので、安全な策をとっている、との見方をすることもできるでしょう。
西部ガスの電気料金プランその他の特典
電力自由化で乗り換えてもらおうと、料金プランの他に西部ガスは様々な特典も用意しています。
電気とガスのセット契約者対象で、ポイント付与を実施を打ち出しました。
Tポイント、ポンタ、楽天、WAON、JQ,nimocaなどで200円の電気料金支払いで1ポイントがためることができます。
このようなキャンペーンを打ち出すことで、新たな契約者を獲得しようと奮闘している様子がうかがえます。
付加価値を高めることで、必要以上に新規顧客を獲得しようとするよりも、価格によらずに西部ガスに価値を感じてくれる顧客を増やしていきたい意向があることを西部ガスは発表しています。
ここだけのちょっと内緒話
最後に、西部ガスと西部電気の関係は昔からライバルのような関係にあったようです。
長年同じ地域でエネルギー事業に関わっている以上競争が発生するのは仕方がないかもしれません。しかし今回の西部ガスの電気への参入を見ていると、そこまで西部電力の顧客を奪い取ろうという感じが見られるわけでもなく、スマートに来るガス自由化の時に和解を求めるような柔らかな参入の仕方だと捉えることもできます。
この世の中に電気とガスという燃料が存在する以上、どちらか一方ですべてをまかなおうとするのは危険だと感じられ、独占性が高すぎるのかもしれませんが、競合会社としてもお互いに譲りつつ協力し合いうまく共存していくことが求められているのでしょうか。
この対策に対しガス自由化の時に西部電力がどのような参入の仕方をしてくるのかが、見ものありますが、今回は一旦来年のガス自由化までの間、第3者の私たちから見ると平穏なところで落ち着いているようにも感じられます。
おわりに
いかがでしょうか。西部電力と西部ガスは九州地方という日本の一部の地域ではありますが、これと似たような電気とガスの関係がどの地域でもあるのではないでしょうか。来年にはガス自由化も発表されているので、電気とガスの関係が激化する地域もあるかもしれません。
今回は西部ガスの電気料金プランをご紹介しましたが、あなたのお住まいの地域のガス会社でもセット割引など打ち出している会社があるでしょう。
まだ電力自由化の乗り換えをしていない家庭や検討中の家庭も、この記事を参考にしていただき、よりメリットのある方法で電力自由化に参戦していただければ、と思います。