低料金ガス会社は悪徳詐欺の可能性あり!!

日本はその独特の地形から、サービスの提供にも大きく地域差が存在することも多いでしょう。生活に必要な公共インフラであっても同じことが言えまして、その中でも特にガスは差が付きやすいものでもあります。
一般的に都市ガスのサービス外の地域ではプロパンガスを使わざるを得ませんので、利用者にとってはその使用料金に対して常に関心を払っている訳です。しかし周知の通り、プロパンガスは都市ガスよりも毎月に料金が高いので、それを如何にコントロールするかが大きなカギと言えるでしょう。
このような状況を反映してか、最近は低料金ガスのサービス展開が活況を帯びています。それでも、全ての業者が良質なのかというとそうではないようで、全体の業者数の増加に比例して悪徳詐欺を展開する業者もどんどん増加している状況のようです。
ここでは、急激にニーズの高まる低料金ガスに群がる悪徳詐欺の手口やその予防・事前対処法について解説して行きます。
低料金ガスが悪徳詐欺になりやすいお得感の罠!
低料金ガスがなぜ悪徳詐欺の対象になりやすいのかと言いますと、やはり目に見える形で料金が安いことを確認できることによって大きなお得感を抱く方が非常に多い点にあります。
このこと自体について問題はないはずなのですが、それが表面的なもので実際は長期的に費用がかさんでいくとすれば話は別です。これからも増え続ける低料金ガスについて、このお得感がどのようにして利用者を騙す罠になっているかをちょっと紐解いてみましょう。
人間は目先の費用の割引に対してとても弱い
日本では社会不安を反映して、これまでにない特殊詐欺が万蔓延しております。その中でも非常にメジャーなのが少し前に流行した【オレオレ詐欺】になりますが、詐欺手法としての知名度の高まりと警察などの啓発・取締り強化によって次第に少なくなっているのです。
しかし、最近の詐欺はお金を先に払わせない詐欺が多くなっていまして、低料金ガスはまさにそのために利用されやすいのです。人間の心理は現在支払う費用の割引に敏感に反応し、それが安くなると非常に良いサービスだと思い込んでしまいがちでしょう。実際のところ、これこそが割安感を助長する罠に他なりません。
特に高齢者になりますと、年金収入以外に収入源がないことも少なくありません。これにより、割引にとても弱い高齢者は、生活に欠かせないガス代の削減を目的に低料金ガス悪徳詐欺の餌食になりやすくなります。
低料金ガスの業者がすべて悪質と言う訳ではありませんが、なぜその費用が安いのかを自身でチェックできる知識が必要となるでしょう。
加入後にすぐに単価が上がるビジネスモデル
低料金ガスが悪徳サービスとして広がっている理由として、特定のエリアで展開する業者に限りがあると言う事情もありますが、やはり長期的に利益を組み込みやすいサービスと言うことが非常に大きいでしょう。
携帯電話・スマホなども初期費用は安くて毎月の料金に利益を転嫁しますが、低料金ガスも全く同じ収益モデルを持っています。しかし、携帯電話の事情が異なるのは、どのキャリアも全国展開しているので詐欺になりにくい点にある訳です。
プロパンガスの場合は上述のように地域差もあってどの業者でも良い訳には行かないので、いわゆる【言い値】が潜在的に組み込まれていく傾向にあるでしょう。それによって、加入後に理不尽にガスの使用単価が上がって行くことも少なくありません。
多くの悪徳業者は理不尽に安い価格を見せつけておいて、数か月から1年後には通常の料金とそれほど変わらない手法で毎月徴収するようになります。あからさまな低料金はまず手を出さないようにしてください。
低料金ガスの悪徳詐欺は電話勧誘が多い
低料金ガスにおける悪徳詐欺の代表的な手法の1つに電話勧誘が挙げられます。これは不特定多数の電話番号に手当たり次第に掛けることで、ターゲットにしやすい相手の品定めをするものです。
また、彼らが何らかの手段で手に入れた電話番号リストにはすべて有効な番号が揃っているとは限りませんので、一回一回連絡をしてその番号が実際に使用されているかをチェックするために電話勧誘に重きを置いています。
ターゲットを絞ると訪問して具体的な説明
一般的に悪徳詐欺業者は電話勧誘をした段階で、その電話番号の持ち主がセールスの対象としてマッチしているかどうかの判断を進めます。これによって、スピーディにターゲットを絞ることができると言う訳です。
そして、彼らは絞った電話番号に該当する家に一度訪問してみて家族構成などを客観的に見極めます。ここで彼らが考える理想的な家族構成は、やはり一人暮らしの高齢者になるでしょう。
低料金ガスの悪徳詐欺の際は複数人により時間をおいて訪問するケースもあって、極めて巧妙に且つ段階的に具体的な話を進めることも少なくありません。これにより、多くの高齢者は次々と進んでしまう手続きに戸惑いを感じながらも流されてしまいます。
時折悪徳詐欺業者によって既に一人暮らしの高齢者の情報を掴んでいることもあって、電話なども掛けずにいきなり訪問して具体的に説明を始めることもあるでしょう。この場合は多くの高齢者が罠に陥る可能性が高まるのです。
低料金ガスの悪徳詐欺は見えない形で現れることも!
低料金ガスの悪徳詐欺はその多くで対面勧誘を進めて来ますが、時として非常に意外な形で現れることもあるでしょう。賃貸の一戸建てや集合住宅などは既にプロパンガスが入っていることがほとんどなので、よほどの事情がない限り多くの方は継続して使い続けるはずです。
実のところ、一部の悪徳詐欺はこれに目を付けて利益を上げていることもありますが、具体的にどのような手法を用いるのか見ていきます。
新築アパートなどと結託しているケースもある!
賃貸物件において非常に安い価格で提供される場合、供給されているガスがプロパンであるのであれば比較的高いガス単価が設定されている可能性が高いでしょう。しかし、新築のアパートなどであれば少し事情が異なります。
新築物件の場合は低料金ガスが導入され、入居当初はかなり安いことも少なくないでしょう。しかし、入居者が複数年に渡って住み続けた場合にガス使用単価が急激に上がる可能性が高まることもあるのです。
このようなシステムは、その後新築でなくなっても特定の部屋に入居者が変わるたびに繰り返され、結果的にガス導入費用を入居者に転嫁する流れになっています。
これは管理者が意図的に悪徳詐欺業者と結託している場合もありますし、管理者に悪意はないけれど結果的に業者の片棒を担いているケースもあるでしょう。
プロパンガスの適正価格に関しても常にチェック!
この賃貸物件などでの低価格ガスの罠にはまってしまうケースの背景には、多くの方が普段からプロパンガスの使用単価に関心がないことにもあります。つまり、毎日使っているプロパンガスなのにその相場や標準となる単価を理解していないと言えるでしょう。
⇒プロパンガス料金を安くする方法
低料金ガスに関してはこのような方が多いほど悪徳詐欺に利用されやすくなり、長期的に見れば結果としてガス料金を払い過ぎていることになるのです。
しかし、プロパンガスの協会などに問い合わせてみれば地域差は存在するものの、それほど使用単価に大きな差異はないことが理解できます。入居している場所に関わらず、ガス料金が高いと不審に思った場合は協会に問い合わせて確認してみてください。
仮に不合理な価格だと客観的に判断できた場合、管理者に通知して業者を変えてもらうように通知することができます。まずはほんとうにその価格が適正なのかをすぐにチェックしましょう。
低料金ガスの悪徳詐欺の予防・撃退には基礎知識が必須
年々増え続ける低料金ガスにおける悪徳詐欺。結局のところ、自分で予防することが何よりも求められます。しかし、それを迅速に行うためにはそれ相応の基礎知識が必要になって来るでしょう。
また、悪徳セールス業者にとって、何より嫌なのは長々と説明してもなかなか契約にこぎつけられないことです。つまり、彼らは自分たちの時間を無駄に取られることを非常に煙たがるでしょう。ここではちょっとした予防・撃退対策を見て行きます。
プロパンガスの協会に連絡して良い業者を紹介してもらう
低料金ガスの悪徳詐欺に引っかからない基本は、プロパンガス料金消費者協会に良い業者をしっかりと確認しておくことです。たったこれだけとお感じになられるでしょうが、基本的に積極的なガス会社乗り換えを検討されているのであればこれが最も手っ取り早いでしょう。
そのガス会社の中から、さらに自分のライフスタイルに合ったガス会社をピックアップすれば、悪徳詐欺に脅かされることはないのです。
仮に協会が紹介してくれた業者が悪徳であった場合も協会に苦情を出せばきちんと対応してくれますし、基本的に協会自身の立場がまずくなるような業者を紹介することは彼らもデメリットしか得られないと言えます。
現在はネットで直接業者を探すことも気軽にできる時代ですが、このような時代だからこそ協会などの業界団体を十二分に活用することが消費者としての利益を守るための一番の近道となるでしょう。
セールスからの電話にはまず家族に相談することを強調
さて、多くの方が経験する低料金ガスの悪徳詐欺からの勧誘電話ですが、非常に簡単な方法で撃退できます。それが【家族に相談する】と言うことです。
悪徳セールスが最も理想的とするターゲットが一人暮らしになる訳ですから、そのターゲットに家族がいると言うことが分かると成約率が著しく悪くなると判断します。場合によってはその時点で勧誘を止めることもあって、非常に有効な撃退方法と言えるでしょう。
また、高齢者などは悪徳詐欺の話に一旦耳を傾けることも少なくなく、結果的に話を聞いてしまうこともあります。この場合も、やはり【子供に相談する】などの第三者の存在を強調して臭わすことが非常に良いのです。
悪徳詐欺は、基本的に数撃ちゃ当たれの精神で勧誘を進めて来ます。訪問の場合になると願わくばその場で契約を取りたいと思うほどです。これにより、悪徳詐欺にとって誰かに相談されることは非常にリスクが高いもので、時間が掛かる相手は諦めざるを得ないと言えます。
電力自由化でも同様の詐欺被害が報告されています。
こちらの記事では電力自由化に関する詐欺やトラブル事例を紹介していますので、参考にしてみてください。