電力自由化と契約アンペア数について

電力自由化になって電気代を節約するために、いろいろ検討している人も多くいるでしょう。しかし、電気代を節約するのは契約アンペア数を見直すことによっても可能です。
自分の家の契約アンペア数を見直しして電気代を節約する
電力自由化で安い電気料金の電力会社を選択することが可能になりました。しかし、契約アンペアを自分で見直しすることによって電気代をさらに節約できます。
契約アンペア数とは
電流の単位をアンペアと言います。ほとんどの家では契約アンペア数が30A、あるいは40Aになっています。契約アンペア数が自分の家ではどのくらいかは毎月電力会社から届けられる検針票に書かれているので確認してみましょう。
仮に、自分の家の電気の契約アンペア数が30アンペアで足りるにも関わらず、契約アンペア数が40アンペアになっていた場合には、電気料金の基本料金分を余計に払っているため損するようになります。
このように、電気料金の基本料金が契約アンペア数によって違ってくるので、適正に契約アンペア数を選ぶことによって電気代を節約することができます。
契約アンペア数は電気を利用する人が自由に選択することができます。一般の家庭において電気を契約する場合に契約が最も多いのは、「従量電灯B」の契約メニューです。
「従量電灯B」の場合には電気を使う状況によって電気を利用する人が10アンペアから60アンペアまでの契約アンペア数を選択することができます。10アンペアから60アンペアまでの契約アンペア数は7種類あり、契約アンペア数は電力会社に依頼するとすぐに変えることができます。
契約アンペア数を下げると電気代をどのくらい節約できるか
10アンペアほど契約アンペア数を下げた場合=月に200円~300(年間2400~3600円)程度電気代を節約することができます。そのため、電気料金の詳細について次にご紹介するような方法で一度チェックしてみましょう。
電力会社に全く連絡していなければ契約アンペア数は30アンペアあるいは40アンペアになっています。そのため、1人暮らし…あるいは家族が3人までの場合というような、電気をそれほど使わない場合は、契約アンペア数を電力会社に依頼して下げる方がいいでしょう。
一つ低い契約アンペア数にすれば、電気代を260円月に節約することができ、3000円以上年間に節約することができます。
また荒技になりますが、契約アンペア数を「ブレーカーがたまに落ちるくらいのもの」にわざとしておけば、「ブレーカーが落ちると困る・めんどくさい」という理由から自然と節電するようになります。
東京電力の契約アンペア数ごとの基本料金
ここでは東京電力の契約アンペア数ごとの基本料金・ブレーカーの色についてご紹介します。
<契約アンペア数ごとの基本料金とブレーカーの色>
・10Aの場合 260円 赤
・20Aの場合 520円 黄
・30Aの場合 780円 緑
・40Aの場合 1,040円 灰
・50Aの場合 1,300円 紫
・60Aの場合 1,560円 茶
※他の電力会社の場合、当然このケースとは違ってくるのでご注意を。
普通の家の場合、契約アンペア数は30~40Aで問題ありません。しかし、30Aの契約アンペア数の場合には、場合によってはブレーカーが落ちるケースが少し多いかもしれません。
ちなみに電気代を節約するために契約アンペア数を50Aから40Aに下げた人もいるそうですが、全く問題なかったそうです。
東京電力で平成28年5月31日までの場合、ほとんどの一般家庭で使われている契約アンペア数が30アンペアの場合の電気料金単価(税込)は842.40円になっています。
これより少ない契約アンペア数の20アンペアの場合は、電気料金単価(税込)は561.60円になります。このため、毎月の電気料金単価(税込)の違いは280.80円になるため、3369.60円に年間ではなります。
契約アンペア数が30アンペア、あるいは40アンペアに現在なっている場合、電気品を使う状況などによって、契約アンペア数を1ランク下げることができるかをチェックしてみるといいでしょう。
自分の家の契約アンペア数は電気料金が書かれている検針票をチェックすると分かります。あるいは家の中にある分電盤のアンペアブレーカーの数字や色を東京電力の場合にはチェックしたり、電流制限器のつまみの色を九州電力の場合にはチェックしたりすると、容易に契約アンペア数が分かります。
※関西電力の場合は電気料金制度がアンペア数によるものを採用していないので、このように契約アンペア数を下げることによって電気代を節約することはできません。
実際に電気の契約内容を見直そう
契約アンペア数を下げる方法
<契約アンペア数を下げる方法>
契約アンペア数を下げる手続きとしては、電気の契約をしている電力会社の窓口に連絡をして「契約アンペア数を下げたい」と伝えて、分電盤にあるアンペアブレーカーを変えてもらうのみです。
費用は、ほとんどの場合「無料」でブレーカーを変える工事は行ってくれます。しかし、設備の状態によってはブレーカーを変える工事が有料になる場合もあります。
ブレーカーを変えるのが有料になる場合は、契約アンペア数を下げることによって節約することができる料金(年間)と、アンペアブレーカーを変える費用を比べてみましょう。
自分の家にマッチした契約アンペア数をチェックする方法
契約アンペア数を下げる場合、注意しなければいけないのが家電の消費電力です。家電品の消費電力はワットの単位になっていますが、契約アンペア数はアンペアが単位になっているため困った方も多いのではないでしょうか?
30アンペアの契約アンペア数の場合には、電力が約3000ワット使用できると言われています。しかし、この電力で家電品をどのくらい稼働することができるかをチェックするのは手間が少しかかります。
ここでは、簡単に自分の家にマッチした契約アンペア数をチェックする方法についてご紹介しましょう。
<自分の家にマッチした契約アンペア数をチェックする方法>
方法としては、契約アンペア数について東京電力・北海道電力・東北電力の公式サイトで紹介されているシミュレーションを使って、実際に自分の家で使っている家電品の台数と消費電力量を入力するのみです。
東北電力の公式サイトでのシミュレーションの場合は、ワットで家電品の消費電力量を入力でき、自由に家電品を入力することができる欄も一緒にあるため便利です。
しかも、現在どのくらいアンペア数に余裕があるのかが現在の契約アンペア数を入力すると分かり、契約アンペア数を見直しする際のアドバイスも行ってくれます。
電気代を契約アンペア数を下げて節約することができるのは、明らかに現在の契約アンペア数に余裕があり過ぎる場合です。
<現在の契約アンペア数をチェックする方法>
毎月電力会社から来る検針票に書かれているアンペア数を確認するだけです。数字で契約アンペア数についてきちんと書かれているのですぐに分かると思います。
もう一つの方法は、家の中にある分電盤のブレーカーに書かれているアンペア数を確認するものです。この場合は確認の方法が電力会社によって違っているため少し分かりにくいと思います。
電力会社ごとの契約アンペア数をチェックする方法
ここでは、電力会社ごとの契約アンペア数を、分電盤のブレーカーでチェックする方法についてご紹介しましょう。
<北海道電力の場合>
安全ブレーカーにあるつまみが、例えば、黒色の場合は10A、赤色の場合が30Aなどのようになっています。
<東北電力の場合>
アンペアブレーカーに表示されています。
<東京電力の場合>
数字と色でアンペアブレーカーに表示されています。
<中部電力の場合>
サービスブレーカーにあるスイッチの色で表示されています。
<北陸電力の場合>
数字でブレーカーに表示されています。
<九州電力の場合>
数字と色で電流制限器にあるつまみに表示されています。
<関西電力、四国電力、中国電力、沖縄電力の場合>
契約アンペア数がありません。そのため、契約アンペア数を下げても、この4つの電力会社の場合には電気料金の基本料金が安くなりません。
基本的にこの4つの電力会社の電気の契約は「電気使用料と最低利用料金」という料金体系になっており、契約アンペア数によって電気料金の基本料金を決めるものではないからです。
余裕を契約アンペア数には持たせておく
契約アンペア数を下げることは電気基本料金を安くすることに繋がりますが、一つ注意しておいたほうがいいことがあります。
それは「契約アンペア数には余裕を持たせておく」ことです。
「契約アンペア数を下げたら使える家電品が限定されてしまう」ような状況であれば、無理して下げないようにしましょう。
こういう場合は契約アンペア数での節約はあきらめ、新電力の会社に乗り換えて安い電気料金の電気を使ったり、省エネの家電品を使ったりするほうにシフトチェンジしたほうが有効的だと思われます。
電力自由化ではまず適正な契約アンペア数を確認する
電力自由化が始まって、従来の電力会社だけでなく、違った業種から新しく電力業界に参入する新電力の会社からも電気を買うことが可能になりました。
それぞれの新電力会社の電気料金プランには割安なものが多く出てきておりますが、我々、使う側の人間が、環境に対しても家計に対しても電気を使用する方法を見直さないと、大きな効果は期待できません。
東京都:電気の契約アンペア数をチェックするように言っている
東京都では、新電力の会社へ乗り換える場合に電気を使用する方法を見直して、電気の契約アンペア数をチェックするように言っています。
契約アンペア数を下げることができれば毎月の電気代が節約でき、省エネになるためです。
東京電力の電気を利用している場合、契約アンペア数を30アンペアに40アンペアから下げると、毎月約280円電気料金の基本料金を節約することができます。なお、電力会社によっては、契約アンペア数による電気料金の基本料金を決めていないところもあるため注意しましょう。
契約アンペア数を下げても問題ない
<契約アンペア数とは>
電気を一緒に使用することができる量のことで、ブレーカーが契約している電気量をオーバーすると落ちて電気が止まります。しかし、同居している家族数が子どもが結婚して少なくなったなどの場合は、契約アンペア数を下げても問題ない場合もあります。
大きなアンペア数の家電品としては、エアコン、電子レンジ、IHクッキングヒーター等が挙げられます。エアコン、電子レンジ、冷蔵庫、テレビを一緒に使用することを考えて契約アンペア数を40アンペアにしている場合でも、それぞれの家電品を一緒に使用するのを止めたりすると、30アンペアに下げることも可能です。
家電品の台数や種類を東京電力の公式サイトで入力すると、契約アンペア数の適正なものをチェックすることができます。契約アンペア数を下げて電気代を節約したい場合には、このようなものを利用すると便利です。
省エネの対策も行う
また、使用している電球を白熱のものからLEDのものに換える、トイレの便座にヒーターがついている場合にはいつもはふたを閉めておく、などのような省エネの地道なものも効果があります。このような対策を行った上で、新電力の会社の電気料金プランを検討する方がいいでしょう。
それぞれの新電力の会社の電気料金プランは、同じ契約アンペア数であれば、多く電気を使用するほど安くなるものがあります。
従来は電気料金の単価が、多く電気を使用するほど上がるようになっていましたが、ほとんどの新電力の会社の電気料金プランは、逆に多く電気を使用するほど電気料金の単価が安くなっています。新電力の会社に乗り換える機会に、電気を使用する方法を見直してみましょう。
まとめ
電力自由化で電気代を節約できるようになりましたが、電力会社を選択する前に、自分の家の契約アンペア数を見直して、電気代を節約する方が先ですね。
契約アンペア数と料金プラン見直しでもっと電気代節約!
このように、契約アンペアを下げれば毎月約280円電気料金の基本料金を節約出来る場合もあります。このように自分の家にマッチした契約アンペア数にして節約することも大切ですが、電気料金プランの見直しでもっと電気代が節約できるかもしれません。
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