電力自由化後の『熊本地震』そのとき電力会社の対応は?

2016年4月14日、熊本県で大きな地震が起こりました。このたびの地震で被災された皆様に、お見舞い申し上げます。
日本は地震大国であると言われるように地震が多い国です。「阪神淡路大震災」「北海道南西沖地震」「東日本大震災」「中越地震」そして、今回の「熊本地震」。
いつ自分の町で地震が起こるかわからないと思いませんか?日本に住む以上、私たち日本人は「地震が起こった場合に、どうすべきか」考えておく必要があります。
さらに、今年から始まった電力自由化は、地震にどう影響を与えているのでしょうか?熊本地震で起こった事を考えながら、それぞれの電力会社の対応を見ていきましょう。
熊本地震での「九州電力」「新電力会社」の対応
引用元:九州電力
2度の震度7の地震が起こる事態となった熊本では、熊本県や大分県の広範囲に渡り20万戸を超える家庭が停電しました。
送電設備は146回線が停止し、発電所や送変電設備など多くに被害が起こりました。復旧作業は他県の応援も含め、夜を徹して行われ、14日の前震発生から6日後の20日には「停電はほぼ解消した」と伝えられました。
熊本県の既存の電力会社は「九州電力」です。電力自由化を期に、ご家庭によっては、「九州電力」以外の新電力会社を選択されている方もいる事でしょう。対応について見ていきましょう。
熊本地震後の九州電力の対応
- 4~6月の電気料金の支払期限の延長
- 電気料金の免除(4月から6ヶ月の間で避難や家屋の損壊などで全く電気を使用しなかった場合)
- 被災により、電気設備が不使用になった場合、基本料金は日割りで免除
- 家屋の再建、臨時電気設備の工事費の免除。
こういった措置を4月18日(本震の2日後)には発表し、最寄りの営業所で受付があります。そして、新電力会社である「西部ガス」「auでんき」「丸紅新電力」「HTBエナジー」なども、同じような被災者への特例処置を実施しています。
ここで重要なのは、停電などのトラブルは居住地域の送配電会社が行いますが、料金や契約などのトラブル時の連絡先は、契約している電力会社の窓口になるという事です。
災害で自宅が停電した場合は送配電会社が対応
日本は台風や地震など災害が多い地域です。とりわけ停電は電気にたよった生活をしている私たちは不安をかきたてられます。
しかし、安定供給のセーフティーネットが以前より強化されています。今回の熊本地震でも、大手電力会社9社が高圧発電機車、クレーンが取り付けられた高所作業車を出動させました。
このように、大きな災害が起こり、大規模な停電の場合、送配電外車である大手電力会社がライフラインの回復に尽力してくれます。
熊本地震でも電気の復旧は、水や都市ガスより早かったという事からみても、新電力会社を利用している方も安心できる事がわかります。
もしも、回りの家は電気が使用できているにもかかわらず、我が家だけ停電しているという場合は、ブレーカーの確認後、自分で送配電会社連絡を取る必要があります。
しかし、スマートメーターが設置されていれば、自動で電気が復旧するようになっています。
避難するときは、ブレーカーを切り、ガスの元栓は閉めよう
災害が起きて、避難しなければならない場合があります。まず、家を出る前に、火災やガス漏れの原因になる場合があるので、電気のブレーカーを切り、ガスの元栓は閉めるようにしましょう。
今回の熊本地震は、震度7の地震の後に、何度も震度5~6の余震が来ています。こういった、頻繁に強い地震が来る場合、家に入る事ができない状況も考えられます。
命を守る事は最優先ですが、こうした行動は、二次災害を防ぐ事になるので、こういった情報を家族で共有しておく必要があります。
日頃からできる防災対策
災害が起きた場合、自分で避難場所を知っている事がとても重要です。さらに、食品はもちろん、様々な生活用品を準備しておきましょう。
避難場所の確認
各自治体の避難場所の確認はもちろん、出先での避難場所を調べておく必要があります。その場合、「東京防災」のガイドブックには、「避難に車は利用しない」と明記されています。
熊本でも都市部は、徒歩で避難された方が多くいました。しかし、都市部から少し離れた所では、家の近くの空き地やスーパーの駐車場に車で避難した人も大勢います。
熊本地震では、避難場所が被害にあい、避難場所として機能しないという事態が起こりました。避難所が遠い場合や、自家用車がある場合など、こういった手段もあるという事も、頭の片隅においておく事も重要です。
電気がない場合、便利な物
大きな地震は各家庭だけでなく、お店も被害を受ける事になります。さらに、地震により道路が寸断され、物流がストップしてしまうと、物を購入することが難しくなります。そのためにも、必要最低限の物は各家庭で準備しておく事をおすすめします。
・生活用品
「カッセットコンロ」と「ガスボンベ」がおすすめです。電気が利用できない時に、お米を炊く事や、お湯をわかす事はできます。熊本地震では震度7~6の被害にあった家庭の多くでエコキュートが転倒し、1ヶ月たっても修理待ちでお風呂に入る事ができない方もいます。
東日本大震災の際も、このような転倒被害が多く、「国民生活センター」には多くの相談が持ちかけられています。設置に不備がないか、利用されている方は確認しておくと良いでしょう。
蓄電式のダイナモライトや、ラジオ、スマホの充電ができるモバイルバッテリー、ウェットティッシュなど、必要最低限のものから、季節に応じて利用できるような物を入れておきましょう。
・食品
水は生活必需品です。保存水など購入しておくと、断水があった場合でも安心です。非常用持ち出し袋の他にも、家に準備しておきましょう。
缶詰やレトルト食品、栄養補助食品など家族の嗜好に合わせて準備が必要です。どこでも火を利用せずに食べるような、乾パンやクッキーなどもおすすめです。定期的な見直しや、賞味期限チェックを行いましょう。
子どもは環境や食べ物が変わると不安になる事があります。賞味期限で入れ替える際に、非常食を食べて、味になれておくもおすすめです。そこで防災意識も高められる事も期待できます。
・季節で必要な物
停電した場合、その季節により必要な物が大きく違います。まず、夏であれば、電池で利用できる扇風機や、熱を出した時におでこに貼る「冷えピタシート」、蚊取り線香などもおすすめです。
冬であれば、防寒シートや、カイロ、石油ストーブなどを準備しておくのも良いでしょう。非常用持ち出し袋も、定期的に見直しを行い、季節商品を入れ替える事も大切です。
・家具の転倒防止
家具が倒れて、避難通路を妨げる事もあります。家具の転倒を防ぐ耐震グッズを利用しましょう。
特に玄関が備え付けではない、シューズボックスがある場合、転倒し玄関から出られないという事も起こります。そうならないためにも、突っ張り棒などで支えておきましょう。
備え付けでない食器棚は、突っ張り棒で転倒を防ぐのはもちろん、ガラス戸がある場合は、「ガラス飛散防止シート」がおすすめです。怪我を未然に防ぎます。耐震用のストッパーや、接着マットなど利用して、家財をしっかり守りましょう。
オール電化で停電になってしまったら
オール電化は災害に強いと言われています。熊本地震においても、電気が復旧したのは1週間と、水道や都市ガスに比べて早く復旧しています。
今までの震災でもインフラの中で、1番早いのが電気です。オール電化の普及率は地方が高く、北陸17%・中国14%・四国12%・九州11%という順番です。大都市でオール電化の普及率が進まないのは、割安な都市ガスがあるからと考えられています。
停電になっても安心
オール電化では太陽光発電があれば、昼間の天気の良い時間は発電する事が可能です。さらに家庭用蓄電池があれば心強いですね。エコキュートが転倒などせず、利用できる状態であるならば、タンクのお湯を利用することは可能です。
しかし、断水している場合、タンク内の温度が高温のため利用することができません。しかし、タンク内に残っているお湯を利用することはできます。その場合、高温なので、温度に注意して使用しましょう。
アフターケアはエコキュートの購入先がポイント
家がある地域の震度や、土地の強弱にもよりますが、熊本地震で大きな被害を受けた地域では、エコキュートが倒れ、家の周辺に転がされている状態だったそうです。
すぐに対応してもらえた人と、なかなか対応してもらえなかった人の差は、地域に密着した施工店であるかどうかです。機器購入と、施工業者が違う場合、揉めるといったトラブルも起こります。
さらに、多くの顧客を抱える大規模な施工会社となると、対応に来てもらうまで時間がかかる事も考えられます。
熊本地震は、夜の地震のため、人的被害は免れましたが、昼間の地震で人通りが多い地域であれば危険は増します。信頼できる施工業者に依頼し、保証、地震保健についても確認しましょう。
災害時のことも考慮しながら電気代が節約できる電力会社選びを
熊本地震による停電時、電力会社が高圧発電機車を出動しライフラインの復旧に努めました。大手電力会社の場合こうしたセーフティネットがあり比較的安心ですが、記事を参考にご自分でも災害時の準備をしておきましょう。
電力自由化により新電力も選択できるようになっていますが、こうした災害時のことも考えつつなるべく節約になる電力会社を選びたいものです。大手電力会社で料金プランを変更するだけで電気代の節約になるケースもあります。
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