水道料金が値上がりを続ける理由!料金比較で見る今後の課題とは

水道料金が値上がりをしています。電気、ガス、水道といった公共サービスの中で、水道料金の値上がりが深刻です。
今後も値上がりは続くのでしょうか?またその原因とは!?私たち消費者ができる光熱費、水道代値上げへの対応策はあるのでしょうか。
今後の気になる水道料金(上下水道)の値上がり、光熱費節約方法を解説いたします。
水道料金は今後も値上がりする!
水道料金はどれだけ値上がりしているのでしょうか。過去10年の結果を確認してみましょう。全国的な推移を以下にまとめましたので参照ください。
(総務省統計局家計調査を参考に作成)
2009年、2010年頃より著しく上昇が始まり、そのころと比較するとの増加額(年間)は以下の通りとなります。
- 1人世帯: 約2500円増加(年間)
- 3人世帯: 約4000円増加(年間)
- 6人世帯: 約11000円増加(年間)
水道を多く使用するご家庭の場合、水道料金の増加額は約10000円前後ともなるのです。10年で10000円も増加してしまうのです。20年経過すれば20000円という計算になってしまいます!現状の状態のままであれば、今後も水道料金は同じような推移で値上げが続くと考えられるのです。
水道料金の地域格差
水道料金のさらなる問題として地域格差があります。大都市と人口の少ない市町村とを比較すると料金に差があることをご存知でしたでしょうか?今後、特に深刻となるのが市町村の水道料金です。
まず、以下の大都市と市町村の水道料金(平均月額)比較結果をご覧ください。
- 大都市: 3,783円
- 中都市: 4,508円
- 小都市A: 4,385円
- 小都市B: 4,455円
※大都市(政令指定都市及び東京都区部(静岡市を除く))
※中都市(大都市を除く人口15万以上の市) 人口5万以上の市
※全国 小都市A(人口5万~15万未満の市)
※小都市B(人口5万未満の市)
(総務省統計局家計調査、2015年データより)
大都市とそれ以外の都市では、月額にして800円の水道料金の差があるのです。
大都市でも今後深刻となる値上げは、人口の少ない都市ではさらなら値上がりとして降りかかってくるのです!
では今後懸念されている水道料金の値上げ要因とは何なんでしょうか?続いて確認してみましょう。
値上がりの原因は?
値上がりを続ける水道料金。なぜ値上がりしているのでしょうか?
以下が現在、水道事業者が抱える主要な問題をとなります。
- 人口減少
- 老朽化
- 技術的人材の確保
- 耐震化への対応
日本政策投資銀行による水道事業者へ向けたアンケートでは、事業者自身がもっとも危惧している問題として「人口減少」と「老朽化」があるのです。
人口減少(給水人口の減少)に関しては全体の81.2%、設備の老朽化・更新投資に関しては94.4%の事業者が課題と上げているのです!今回は特に注目される人口減少と老朽化の影響について確認してみたいと思います。
人口減少すると水道料金が値上がりする!
人口減少といえば日本全体の問題でもありますが、小さな市町村であれば過疎化の問題としてテレビなどでもよく目にするのではないでしょうか。この人口減少という問題は水道事業者の水道料金の徴収額の減少へとつながっているのです。
水道事業は、地域の住民で上下水道設備の運営費を分担しているようなものです。ですから単純に人口が少なければ一人当たりの割合が増えてしまい、水道料金の値上げとしてなってしまうわけです。
水道管路の交換率が1%以下!!交換に130年かかる見込み
さらに、問題となるのが老朽化です。実際に2014年に埼玉県秩父市では、大きな問題となりました。
当時、埼玉県秩父では老朽化が進み水道管の「約3割が漏水」しているという衝撃的な問題を抱えていたのです。そのため「35%の値上げ」という話が上がったほどです。
老朽化の問題は、一部の地域に限ったことではなく日本全国で起こりうる問題なのです。厚生労働省の調査では、水道管路の耐用年数40年を向かえた水道管の更新率が0.77%と1%にも満たない状態で、130年ですべてが交換できる計算になるのです。それでは新たに交換されたものも130年間使用しないといけなくなります。130年なんて使用できないですよね!現実には先ほどの秩父の例のように、漏水の発生やまたは破裂など大きな問題へと発展してしまいます。だから水道管の交換、老朽化への対策が急務となっているのです。
老朽化で値上げは必至!
説明させていただいたように、老朽化は急務の課題となっています。なぜ老朽化への対策が進まず水道管の交換に130年もかかってしまうのでしょうか。
その一つの要因として、収入の減少があります。先に説明しました人口減少による影響で、水道事業者の収益減少が問題となり、大規模な改修が難しくなっています。今後、さらに耐用年数を迎える水道管の交換の必要性は増してきます。それでも足りない運営費や改修費のために水道料金の値上げは避けられないものと思ってください。
水道事業者へのアンケートにおいても問題の解決策として、以下の回答がが最も多くなっているのです。
- 水道料金の値上げによる解決: 69.6%
- 国や自治体による補助金による解決: 42.3%
※参照:日本政策投資銀行「わが国水道事業者の現状と課題」より
さらにアンケートの中では、2025年頃の値上げ率の想定に関する回答があります。
- 0%以上5%未満の値上げ: 3.1%
- 5%以上10%未満の値上げ: 13.9%
- 10%以上25%未満の値上げ: 23.0%
- 25%以上50%未満の値上げ: 5.1%
- 50%以上の値上げ: 1.0%
- 値上げの必要はない: 7.9%
- 不明: 43.6%
- 回答なし: 2.3%
※参照:日本政策投資銀行「わが国水道事業者の現状と課題」より
46.1%の事業者で値上げの可能性があると回答し、23.0%の事業者は「10%以上25%未満の値上げ」というかなり多い額の値上げを考えていることが判明しているのです。水道事業者自身がすでに値上げなくして、水道供給は難しいと判断しています!
水道事業者の対策は!?
水道業界も、ただ値上げをしようと思っているわけではありません。現在、経営統合なども含めた「水道事業の広域化」進められ、老朽化や耐震対策で膨らむ設備費や人材不足を解消するために、事業の統合が進められています。先に説明した埼玉県秩父市においても平成28年4月1日より広域化となり、秩父市、横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町を1つの水道事業(上水道のみ)運営を開始しているのです。
また水道料金の上昇や安定した経営を実現するために、厚生労働省では「新水道ビジョン・水道事業ビジョン(地域水道ビジョン) 」を策定しています。これまでの事業計画では、老朽化や人口減少に対応できていません。今後はそういった部分を考慮した事業計画を行い、次の世代につながる永続的な水道事業への取り組みができるように広域化などの方策が示されたわけです。
しかし、広域化だけでは解決しきれないお金の問題がまだ残っていることも事実です。私たち消費者はただ水道料金、光熱費の値上がりを受け入れなければならないでしょうか!?次に、消費者である私たちができる対策について解説したいと思います!
光熱費は下げられる!
水道事業に関しては政府含めこれ以上の値上げが進まないよう、さまざまな方策が練られています。しかし、実際に10年で10000万円前後の値上がりが起こっています。水道料金が値上がりを止められないのであれば、他の光熱費の節約を考えてはいかがでしょうか?
水道料金の値上げ分を、電力自由化で補ってみてはいがでしょう。
光熱費の節約ができる制度が2016年4月よりスタートしています。それが「電力自由化」です。電力自由化を利用すれば、年間1万円の電気料金の削減も可能となっています。電気代の安さ、ポイントや特典、または環境への配慮など希望の電力会社選びが、当社タイナビスイッチを電気料金シミュレーションを利用することで簡単に電気料金プランの比較・検討することが可能となりました。
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