【徹底比較】電化上手が廃止! 東京電力のスマートライフプランとの違いは?

なんと、東京電力の電化上手というプランが、いつの間にか廃止になっています!
オール電化向けのプランのため、通常の電気料金プランを使っていた方は聞いたこともないと思いますが、オール電化住宅の方や、電化上手を利用中の方にとっては他人ごとではありません。
電化上手に代わるスマートライフプランという新しいプランができたとはいえ、電化上手とどういった違いがあるのか? 電化上手から乗り換えるべきなのか? もろもろの疑問に答えていきたいと思います。
電化上手が廃止! 継続利用はできるけど、できない場合も?
東京電力の電化上手プランが、2016年3月31日をもって新規受付を終了しました。電化上手は、エコキュートや電気温水器などを利用しているオール電化住宅向けのプランであり、全電化住宅割引という非常に魅力的な割引もされていました。オール電化住宅に住んでいる方からすれば、いつの間にか廃止になっていて、驚いたかもしれません。
しかし待ってください。あくまでも新規受付が終了したのみで、既に契約していた方はこれまで通り継続利用できます。
とはいえ、引っ越しなどで転居先で新たに契約する場合は利用できず、別のプランを契約することになるため、その点は注意が必要です。
電化上手の代わり? スマートライフプランとは?
電化上手の新規受付が停止したことで、これから契約しようと思っている方はどのプランを契約すれば良いか、悩むかもしれません。ですがオール電化住宅向けのプランは、電化上手だけではありません。
電化上手の代わりとして、スマートライフプランと呼ばれる新しいプランができました。基本的にお得になる家庭は電化上手と同じく、エコキュートでお湯を沸かしたりなど、夜間にたくさん電気を使う方です。またスマートライフプランの方が、シンプルな料金体系になっています。
電化上手とスマートライフプランを徹底比較
電化上手に未加入の方は、スマートライフプランを契約することになると思いますが、現在電化上手に加入している方は、電化上手を継続するか、スマートライフプランに乗り換えるか、2つの選択肢があります。そこで、2つのプランではどちらが優れているのか、比較してみました。
電化上手の料金体系
~6kVA | 1296円 |
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7kVA~10kVA | 2160円 |
11kVA~ | 2160円+1kVA増えるごとに280円80銭 |
電力量料金に関しては、季節や時間帯によって以下のように電力量料金が4種類に分けられています。
夏季昼間時間(7月1日~9月30日の10時~17時) | 38円72銭 |
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夏季以外の昼間時間(10月1日~6月30日の10時~17時) | 31円73銭 |
朝晩時間(7時~10時及び17時~23時) | 26円01銭 |
夜間時間(23時~7時) | 12円25銭 |
スマートライフプランの料金体系
昼間時間(6時~翌1時) | 25円33銭 |
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夜間時間(1時~6時) | 17円46銭 |
※基本料金は、1kW(15Aに相当)あたり450円の料金となっております。
基本料金は、前年で最も多く電力を使用した30分間を基準として設定される「スマート契約」です。東京電力のスマート契約は節約家にお得なプラン!!
電化上手からスマートライフプランに変更すると?
ざっと見比べた限りでは、スマートライフプランの方がわかりやすくて魅力的ですが、実際はどちらがお得なのか。電気料金を簡単に比較できるタイナビスイッチで、実際に比較してみました。
契約アンペアを60A、ひと月の電気代が1万円の方が、電化上手からスマートライフプランに乗り換えると、どうなるのか? シミュレーションしてみると……

なんとスマートライフプランにすることで、年間でおよそ2万円も損をしてしまいます! プランを乗り換えただけで大きな損失となりますので、既に電化上手の家庭は、スマートライフプランに乗り換えず、電化上手を継続した方が良いでしょう。
オール電化住宅向け以外のプランの比較はこちら↓東京電力の電気料金プランを従来のプランと新プランで徹底比較
スマートライフプランの方がお得な家庭もあります!
先ほどのシミュレーションから、電化上手の方が圧倒的にお得という結果が出ましたが、実は必ずしも全ての家庭がお得というわけではありません。というのも、電化上手の昼間時間(10~17時)の電力量料金は、夏季が1kWhにつき38.72円、他季が31.73円です。
スマートライフプランの場合、この時間帯は25.33円のため、電化上手のままでは、夏場の昼間時間は電気代が恐ろしいほど高騰してします。オール電化の場合、深夜に電気を使っておくのは基本ですが、それができない家庭なら、スマートライフプランに軍配が上がります。オール電化の弱点を公開!!知らないと後で損をする?!
スマートライフプランならではの特典
年間2万円も損をしてしまうのは大きいですが、一応スマートライフプランにもメリットはあります。
- 住宅設備修理サービス(エコキュートや電気温水器、IHクッキングヒーターなど)
- 電気料金1,000円(税抜)につき5ポイント貯まります
- Web申込みで500ポイントプレゼント
※ポイントはTポイントか、ポンタポイントのどちらかを選べます。
特に1つ目の修理サービスは無制限&1回の修理につき、上限50万円/台まで対応可能です。もしもエコキュートや電気温水器が壊れたとしても安心です。
廃止になったのは電化上手だけではない
実は東京電力のプランは、電化上手以外にもいくつか廃止になっています。
- 時間帯別電灯[夜間8時間型](おトクなナイト8)
- 時間帯別電灯[夜間10時間型](おトクなナイト10)
- 季節別時間帯別電灯(電化上手)
- ピーク抑制型季節別時間帯別電灯(ピークシフトプラン)
- 時間帯別電灯(夜得プラン)、時間帯別電灯(朝得プラン)
- 時間帯別電灯(半日お得プラン)、曜日別電灯(土日お得プラン)
- 低圧高負荷契約(おまとめプラン)、農業用低圧季節別時間帯別電力
- 深夜電力、融雪用電力
電化上手が廃止になった理由とは

なぜここまで多くのプランが廃止になったのかというと、プランが廃止になった3月31日の翌日から電力自由化が開始されたからです。電力自由化とは?
電力自由化が始まったことで、東京電力以外の新しい電力会社とも契約できるようになりました。そこで、東京電力はそれに対抗しようと料金メニューを見直し、スマートライフプランのような、新しいプランを用意しました。
しかし電化上手が廃止になったのは、電力自由化が原因だけではありません。というのも経済産業省は東京電力に対して、オール電化住宅向けの深夜電力割引制度を廃止するよう求めたことがあります。また下記記事にある通り、深夜電力自体も年々値上がりしていました。深夜電力と夜間電力は何故値上がりを続けるのか?
深夜に劇的に安くなる電化上手を廃止し、程よく調整されたスマートライフプランが発表されたのは、必然といえるでしょう。
電化上手の家庭は、電力自由化が始まった今でも継続利用がおすすめ!
昼間の時間はスマートライフプランの方がお得ですが、やはり夜間に電気料金が圧倒的に安くなるのは見逃せません。また電力自由化が始まったことで、多くの新電力会社・プランができましたが、深夜間に安くなるオール電化に対応したプランはほとんどありません。未契約の方は電化上手を選べませんが、既に契約しており、夜間に電気を大量に使っているのならば、むやみに乗り換える必要はありませんよ!
電化上手でない方こそ電力会社の比較を!
既に電化上手を契約している方なら、記事内でも解説した通り、継続利用が一番です。しかしそれ以外の方は、素直にスマートライフプランを選ぶよりも、新電力会社のプランにした方が安くなるケースもあります。
オール電化の方がお得になれるプランは多くありませんが、0ではありませんよ?