電力自由化詐欺に騙されない3つのポイントとは?

電力自由化詐欺とは?
電力自由化に伴い「詐欺の被害」が増加しているのをご存知でしょうか?
電力自由化詐欺相談が国民生活センターにすでに200件以上もよせられています。
2016年4月の電力自由化を待たずにこれだけの悪徳商法が増えています。
相談されていない案件を踏まえると500件近くの実際の被害が上がっていると想定されます。
2016年4月からスタートした電力自由化ですが、まだまだ認知度は低く詳しく理解している人は少ないと言えます。
人の理解が進む前に、あの手この手をお金をだまし取ろうと企んでいる詐欺師は更に増えてくると考えてよいでしょう。
「何か大きな変化」が起きる時、それに便乗して詐欺事件は必ずといっていいほど起こります。
ポイント1:その場で決してお金を払わないこと!
電力自由化の詐欺の中でも、やはり多いのが「その場でのお金の請求」です。
「電力自由化では電力会社を自分で選ぶことが出来る」、ということは「既存の電力会社から切り替える」と言う事になります。
その時、「何かしらの費用がかかるのでは?」と思っている方は多いようです。
しかし電力会社を切り替えるからといって初期費用がかかることはありません。
「メーターを交換しなければいけませんから、その交換費用が必要です」などと、もっともらしいことを言われてしまうと、ついついお金を払う気になってしまうかもしれません。
詐欺師は消費者の無知につけ込み、このような方法でお金をだまし取ろうとします。
一見「メーターの交換」と聞くとそれっぽくも感じますが、交換費用がかかることはまずありません。
電力メーターをスマートメーターに切り替える必要はたしかにありますが、消費者が負担することはなく、無料で交換してくれます。
中には「シールをブレイカーに貼るだけで節電できる」なんて言ってお金を払わせようなんて手口もあります。
冷静に考えればそんな夢の様な方法あるわけないのですが、訪問販売で言葉巧みに話を持ちかけられシールを買ってしまったと言う被害が実際に起こっています。
被害額はなんと「5万円以上」とのこと。
夏場は特に節電意識が高まる時期ですから、このようなありえない手口でも騙されてしまう方はいるようです。
前払いを要求されたら要注意!
電力自由化によって電気代を今よりも安くすることは可能です。
そこにつけこみ「うちの電力会社に決めてくれたら電気代が安くなります。しかも前払いすればもっとお得に」…こんなありがちな内容で勧誘してくる業者もあります。
そして「電力の切り替えはうちでやっておきます」と伝え、その場を去っていくようです。
しかし実際は電力会社の切り替えはされておらず前払いで支払ったお金だけが無駄になってしまったなんて事に。
電気代の前払いなんて絶対にありません。
このように訪問販売ですとその場でお金を請求されることがあります。
「検討します」といって、帰ってもらいましょう。
その場で決してお金を払わないことです。
既存の電力会社を解約し、新しい電力会社と契約する手続が必要となりますので、お金がかかるようなイメージもあります。
しかしこれらの手続は基本的に無料で行えますし、電気の契約で手付金が必要ということは絶対にありません。
ポイント2:その場で契約・押し印はしない!
訪問販売であるのはお金の請求だけではありません。
あれこれもっともらしい説明をして「契約や押印を迫られる」ことだってあります。
特に訪問販売の場合、考える余裕がありませんので冷静な判断ができずその場で契約してしまう方が多いようです。
訪問販売の際に「それっぽい肩書を名乗ってくる」というのは詐欺師の常套手段です。
例えば「〇〇電力保安部」なんて如何にもそれっぽいですよね?
知らない人からすれば、その肩書を信じてしまいその場で契約してしまうかもしれません。
実際に上記のようなそれっぽい肩書を名乗り、「電気料金を安くする方法」「料金見直しの提案」等と言葉巧みに個人情報を聞き出されそうになった方もいるようです。
でも、絶対にその場でサインしてはいけません。
相手も引かず強く迫ってくるかもしれませんが、ここでも「検討します」といってサインや押印はしないことです。
ポイント3:登録小売電気事業者なのかを必ず確認!
電気を売る事ができるのは、経済産業大臣に登録申請書を提出し、審査の上、登録を完了したものだけです。
こうしてきちんと登録されたいる事業者を登録小売電気事業者といいます。
電力会社と契約する際は、まずその電力会社を確認することが大切です。
中には販売代理店が訪問してくる場合もあり、これだとその会社が小売登録されているかが分かりません。
これに違法性はありませんので、その場合は必ず「契約書」をもらうと良いです。
契約書が本物であれば電力会社の名前が必ず記載されているはずです。
適当にごまかされることもありますので、大元の電力会社に確認すると良いですよ。
電力自由化詐欺の手口
ここでは電力自由化詐欺の手口を実例を元に解説していきたいと思います。
気をつけなければならない注意点は2点
- 電気代が安くなるという訪問販売・電話セールスには気をつける
- 電気が安くなるという電力の小売自由化とは直接関係のない商品には気をつける
以上の2点に気をつけ、少しでも怪しいと思ったらすぐに国民生活センターに問合せしましょう。
資源エネルギー庁が現在、登録してある小売電気事業者一覧を掲載しています。
こちらに記載されていない会社から営業があった場合は気をつけてください。
儲け話を持ちかけてきたら詐欺濃厚
また、中には「儲け話」を持ちかけてくる業者もあります。
これは電力自由化に限った話ではないですが、実際にあった事例では「投資資金を要求したり、電力債の購入を促すもの」です。
お金が儲かる話は誰もが興味を持つことかもしれません。
しかし世の中には決してうまい話なんて存在しません。
そもそも本当に儲かるのであれば、わざわざ他人に教えたりしませんよね。
冷静に考えればあり得ないことだと分かるのですが、高齢者の方の中にはこういった儲け話に騙されやすいようです。
電力自由化で儲けることなんてまずないですから、このような訪問販売や電話での勧誘が合った場合は間違いなく詐欺だと思ってよいでしょう。
電力以外もあわせて売りつける詐欺も!
国民生活センターの報告によると電力の小売り自由化に便乗し、太陽光発電システム、プロパンガス、蓄電池、電気給湯器の勧誘が行われているとの事です。
- 「太陽光発電システムを導入すれば電気代が安くなりますよ。」
- 「プロパンガスを導入すれば電気代が安くなりますよ。」
- 「蓄電池を導入すれば電気代が安くなりますよ。」
- 「電気電気給湯器を導入すれば電気代が安くなりますよ。」
このような手口で電力の小売自由化とは直接関係のない商品を契約させるという手口です。
確かに、これらの設備をつければ電気料金は安くなりますが、安くなる金額以上に設置費用が掛かります。
太陽光パネル設置に関する勧誘詐欺を詳しく見ていきましょう。
例えば「今太陽光パネルを設置すると、高い料金で買電が可能ですよ」といった内容です。
太陽光発電は固定買取制度によって買取価格は決められているんです。
⇒電力自由化と太陽光発電どっちがお得?
ですから電力自由化によって買電料金が上がると言うことはありません。
太陽光パネルの設置は非常に高額なものです。
しかも設置したパネルでは一切売電できず泣き寝入りする可能性が非常に高くなります。
設置料金を請求する詐欺
設置料金を請求してくる詐欺があります。その代表的なものがスマートメーターで、スマートメーターの設置にはお金がかかりません。しかし中には「スマートメーターの設置にお金がかかる」として、料金を請求してくる詐欺グループがあります。嘘ですので絶対にお金を払わないでください。
スマートメーターは詐欺の被害金額としてはまだましな方で、先程解説した電線やエコキュート(電気でお湯を沸かす設備)、太陽光発電システムとなりますと、その被害金額はもっと多くなります。
個人情報を聞き出そうとする詐欺
直接的なお金の被害こそないものの、個人情報が漏れるのも怖いです。電力自由化は契約書に多くの個人情報が書かれています。いけない手段で個人情報を得ようとする輩もいます。
<契約変更しなくても個人情報を聞き出そうとする詐欺>
電力自由化といっても必ずしも新しいプランが安いとは限りません。特に夜間に電力を多く使う人は従来のプランの方がお得なケースが少なくありません。
それ以外の理由で契約変更をしないのも自由ですが、それにもかかわらず「手続きが必要」と言っては個人情報の入力を「契約書」なるものに記入させようとする人達がいます。契約変更をしないのであれば何の手続きをしなくてもいいので、記入しないようにしましょう。
<検針票を見ようとする>
個人情報漏えいの元となるのは検針票です。
※検針票とは
毎月の電気使用量や電気料金が書かれている紙です。確かに電力自由化で新電力を検討する際には検針票があった方がいいです。しかし、検針票のすべての情報が必要なわけではありません。
月の電気使用量や電気料金、供給地点特定番号や契約プランさえ分かれば、それ以外の情報は必要ありません。それにもかかわらず、住所や氏名が記載されている検針票を見ようとする人には注意した方がいいでしょう。
詐欺じゃない訪問販売もあるので見分けることが大切!
訪問販売は100%怪しいと思っている方も多いのですが、必ずしもそうとは限りません。
例えば地元のガス会社ですと新規顧客を獲得するために訪問販売を行ないます。
電力自由化により電気事業に参入するガス会社もありますので、訪問販売が一概に怪しいとは言い切れないんですね。
とは言っても、訪問販売に抵抗がある方が殆どでしょうから、その場で無理に契約する必要はありません。
後でじっくりと検討しそれから決めれば良いだけですからね。
電力自由化詐欺を防ぐために
自分の身を守るためには、トラブルや詐欺を事前に見抜く目も必要です。
ここでは、そのポイントをいくつか紹介します。
義務を果たしているか?
契約内容などについて不明な点は、その会社に相談をするといいでしょう。経済産業省では電気事業者に対して行うべき4つの義務を定めています。
- 契約条件(料金や契約期間など)の説明
- 契約書など書面の交付
- 苦情や問い合わせに対する適切な対応
- 事業を一時止める、あるいはやめる際のお知らせ
この義務を果たしていない業者とは契約をしない方がいいでしょう。
契約を急がせるか?
業者の中には「今ならお得」と言って契約を急がせる業者もあります。ちょっと見てみると確かに安いのですが、様々な条件が付いた上で安い場合が多いです。条件についてもしっかり説明してくれないうちは、契約をしないことです。
電話や訪問販売で契約しない
中には「この辺りを回っていたのでついでに寄ってみました」と言う訪問販売の業者もいます。電力自由化の契約でも、電話や訪問販売は確かにクーリングオフ(一度結んだ契約を無条件で解約できる制度)の対象となっています。
しかし「クーリングオフがあるから大丈夫」と思っていても、相手がお金だけ持ち去って消えてしまってはお金を取り戻すことはできません。それを避けるためにも、電話や訪問販売では絶対に契約しないようにしましょう。
電力会社との契約でもクーリング・オフは適用されます!
今ほどもお伝えした「クーリングオフ」はやはり最後の砦と言わざるを得ません。
もし仮に、訪問販売や電話勧誘で契約してしまっても「クーリングオフ」を行いましょう。
「電力会社の契約もクーリングオフ出来るの?」と思う方も多いかもしれませんね。
条件や期間はありますが、電力会社との契約であっても可能ですので安心してくださいね。
「後で冷静になって考えてみたら、やっぱり必要ない」というケースは決して珍しくありません。
また、強引な勧誘で契約してしまう方も中にはいるかと思います。
消費者生活センターに相談すればクーリングオフのやり方を丁寧に教えてくれますので、わからない場合は聞いてみると良いですよ。
クーリングオフが適用される条件は「訪問販売・電話勧誘販売で新料金の申し込みをした場合」です。
期間は法定書面を受け取った日から起算して8日以内であればクーリングオフが可能です。
まとめ
このように、電力自由化詐欺は決して人事ではありません。
特に年配の方はターゲットになりやすいですから、お年寄りの家族がいる家庭は要注意です。
「その場でお金を払わない」「契約しない」「押印しない」「登録小売電気事業者かどうか確認する」…以上のことを忘れずに覚えておき、もしも勧誘が来た時でも騙されないようにきちんと対処できるようにしましょう。
また、何か怪しいと思ったらすぐに消費者生活センターへ連絡することもお勧めします。
安心の比較サイトで情報収集してから電力会社切り替えを
電力自由化に便乗した詐欺行為が増えています。記事にあるように、初期費用や前払いといったことはありえませんので、契約しないよう気をつけてください。
電力会社を切り替える際は、事前に情報収集をしてしっかりした会社のプランを選ぶようにしましょう。
タイナビスイッチでは、業界精度No.1を自負する電気料金シュミレーションができます。こちらで色々な料金プランを比較してから切り替えを検討すれば安心です。