プロパンガス解約時に起きやすい! 2つのトラブルと回避方法

プロパンガスを解約する際に、違約金などの様々なトラブルが発生するケースがあります。どのような場合に違約金が発生するのか、違約金発生の詳細や知っておくと便利なポイントなどについて、詳しくご紹介します。
トラブル1.プロパンガスの解約時に違約金が発生した!

プロパンガスの解約時には、違約金が発生するケースがあります。しかし、利用者にとっては寝耳に水であることが多くトラブルになることもあります。どのようなケースで違約金が発生するのか、詳しく解説します。
プロパンガスの違約金はどのような場合にどれくらい発生するの?
プロパンガス会社の切り替え自体には、お金は一切かかりません。しかし、切り替える時期によっては違約金が発生してしまう場合があります。
住宅を新築する際などに、プロパンガス配管工事代として15万円ほど費用が掛かるケースが多いです。しかし、プロパンガス工事費用として建設費用に計上されない事が大半です。なぜなら、1戸建て住宅のうち99%で、プロパンガス会社が工事費用を立て替えているからです。
プロパンガス会社が工事費用を立て替えてプロパンガス工事を行い、後日入居した際に「無償貸与契約」を結びます。「無償貸与契約」とは、一般的に15年間の契約を結び、その間に毎月のガス料金に工事費用を上乗せして支払い、費用を返却していくシステムのことです。
15万円程のプロパンガス工事費用を15年で減価償却する計算になるため、毎月1万円ずつ残存が減っていく流れです。そのため、最低でも15年は同じプロパンガス会社と契約を継続しなければなりません。
もし15年以内に契約を打ち切ってしまった場合、返し終わっていない工事費用を一括請求されてしまいます。仮に10年で他のプロパンガス会社に切り替えたとすると、残り5年分の5万円が残ってしまい、解約時に5万円請求されることになります。
⇒プロパンガス違約金相場と2つの精算方法
プロパンガスの違約金は新しいガス会社が肩代わりしてくれることもある!
プロパンガス会社の切替時に発生した違約金は、利用者が負担する場合と、新しいプロパンガス会社が肩代わりする2つの方法があります。
利用者自身で違約金を清算をする
違約金を利用者自身が支払う方法です。
新しいプロパンガス会社が違約金を肩代わりする
新しく契約したプロパンガス会社が、違約金を肩代わりしてくれる場合もあります。その場合、以下のような3つの契約方法になる事が多いです。
1.残りの契約期間を引き継ぐ方法
例えば5年残存期間がある場合は、新しいプロパンガス会社と5年の契約を結びます。
2.残りの契約期間は関係なく新たに一定期間の契約をする方法
残存期間が3年でも10年でも関係なく、新たに一定期間の契約を結びます。
3.違約金の額によって契約期間を変える方法
違約金10万円を目途に、10万円以下なら5年、10万円以上なら10年の契約を結びます。
新しいプロパンガス会社が違約金を肩代わりしてくれると利用者にとっては助かりますが、トラブルが起きるケースもありますので注意しなければいけません。
よくあるトラブルは、新しいプロパンガス会社が違約金を肩代わりすると言ったのにも関わらず、実際契約してみると一銭も肩代わりしてくれないケースです。意外と多いトラブルですので、契約書などをきちんと確認した上で契約するよう注意してください。
プロパンガスの「無償貸与契約」によるトラブルを避けるために
住宅の新築やリフォームの際にプロパンガス工事費用をプロパンガス会社が負担することで、長期間同じプロパンガス会社で契約してもらうための仕組みとも言えます。誤解しがちですが、プロパンガス会社にプロパンガスの工事費用を全て負担してもらえて、利用者は費用を負担しなくて良いという仕組みではありませんので、注意が必要です。
プロパンガスの契約をする際は、あらかじめ無償貸与契約になっていることが非常に多いです。しかし、そんな契約はした記憶がない!と思われる方も多いのではないでしょうか。
住宅の新築時などに、プロパンガス無償貸与契約のサインや捺印を他の契約書と一緒にまとめて行ってしまうため、よく確認しておらず気づかないうちに契約している場合が多いです。
そのため、無償貸与契約をしているという認識が無い利用者も多く、15年間契約になっていることに気づかず、後にトラブルになってしまうケースもあります。契約書を交わしていますので、法的な判断では残存金の請求額が合致している場合は支払いをしなくてはなりません。
本来プロパンガス会社と契約を結ぶ場合、その内容をしっかりと把握してから無償貸与契約を交わさなくてはいけません。本来は無償貸与契約の他に「一括払い」する方法もあるため、どちらかを選択する必要があります。
無償貸与契約のメリットは、建設の初期費用を抑えられる点です。抑えた費用を他の経費に充てる事が出来ますので、何かとお金がかかる新築時には大変助かります。
しかし、契約期間の途中でガス会社切り替えをしてしまうと違約金が取られてしまう点は大きなデメリットです。
無償貸与契約期間中にガス会社を切り替える事態を回避するには、優良ガス会社を選ぶ事が大切です。プロパンガス料金消費者協会の場合「ガス見守り保証」という制度があり、ガス協会が提示する適正価格を守り、不透明な値上げが出来ないよう保証されているため安心ですね。
適正価格を維持しているプロパンガス会社であれば、極端な値上げが無いのでプロパンガス会社の切り替えを考えずに済みます。そのようなプロパンガス会社と無償貸与契約を結ぶ事が出来れば、使う側としてはマイナスになる事は少ないでしょう。
トラブル2.プロパンガス業者が解約させてくれない!?

表向きはプロパンガス会社の変更が可能だと言われていても、実際には難しい地域も多くあります。
プロパンガス業界では「他社の顧客は横取りしてはいけない」という慣例が存在しています。そのためか、利用者がプロパンガス会社を変えたいと思っても、応じてくれるプロパンガス会社が少ないことも事実です。
プロパンガス会社Aからプロパンガス会社Bに変えようと思ったら、プロパンガス会社Bが拒否をしてきてプロパンガス会社Aに戻らざるを得なくなった、というケースもあります。
1997年にプロパンガスに関する法律改正があり、新規プロパンガス会社の参入が可能となりました。そのため、本来ならば利用者が自由にプロパンガス会社を選ぶことが出来ます。
自由にプロパンガス会社を変更できる環境があるにも関わらず、中小地域ではこうした慣例が続いているケースも見られ、プロパンガス会社を選択できる事自体を知らない利用者も多いのです。
2017年の4月には、都市ガスの自由化も始まります。そうなると、これまでスポットが当たっていなかったプロパンガスにも注目が集まり、より選択の自由が広まる可能性も期待できます。
プロパンガスの解約に関しては、利用者にとって分かりにくい部分が多い傾向があります。
契約時の注意点をきちんと理解しておくことで、優良プロパンガス会社と契約することが出来ます。優良プロパンガス会社と契約することで、トラブル回避だけでなく適正なガス料金でガスを利用することにも繋がります。
契約の際には契約内容によく注意し、ご自分の理想通りのプロパンガス会社と契約するようにしましょう。