電力自由化 電気を売る会社の選び方 徹底比較

電力を売る会社をこれから選ぶ時代
電力の小売り自由化が、一般家庭向けにも開始されました。これからは、電力の購入先を自分で選ぶ時代になったことを意味します。でも、実際にどの会社から電気を買った方が得なのか?と言うことはあまり知られておりません。
今回は、そんな電気の小売りを行う電力小売業者の徹底比較を行いたいと思います。
もうこれで迷うことはありません。
電力を売る会社は電力自由化でどんなプランが増えた?
電力小売自由化で、まず電力の小売りを行ってきた電力会社ではどんなプランが増えたのでしょうか?各電力会社の動きをまとめてみました
⇒お得なキャンペーンを実施している『新電力会社』の一覧
北海道電力
北海道電力の場合、深夜電力の割引率が高くなる「3時間帯別電灯(eタイム3)」というプランを開始しております。これは、通常どの時間で使用しても電気料金単価が同一だったものが、深夜電力など需要が少ない時間帯の金額が安く設定されているプランです。
ただし、その分基本料金が3000円ほどと、通常の従量電灯より高く設定されております。
東北電力
東北電力の場合、電力自由化と合わせて新料金プラン「よりそう」をサービス開始しております。これは、22時から翌朝9時までの時間帯の電気料金が安くなるプランで、「よりそう+ナイト12」プランなどは、夜間電力が安いため、昼間家を空けていて、夜に家にいる人にとってはお得なプランです。
電気料金単価が22時から翌朝9時までが安くなり、それ以外では高く設定されているプランです。
東京電力
東京電力の場合、一定の電力使用までは定額となるプレミアムプランを発表しています。
これは、電気の使用量が多い家庭ではお得なプランとなります。それ以外では、他の電力会社と同様の夜間電力割引の「夜とくプラン」も同時に発表しています。
その他は、従来通りの従量電灯なども選択できるようなラインナップを用意しています。
中部電力
中部電力の場合、自社ポイント「カテエネポイント」を貯めることができるプランを発表しています。さらにそのポイントがつく料金プランで多く電気を使った場合に、電力単価が安くなる「トクトクプラン」というものも発表しています。
ポイントについては、東京電力も料金プランとして用意しています。中部電力との大きな違いは東京電力の場合、「Tポイント」になるというところです。Tポイントであれば他の提携業者でも使用することができますが、カテエネポイントは現在、電気料金のみに適用することとなっております。
関西電力
関西電力は、夜間割り引き等の他の電力会社でも同様のプランの他に、「季時別電灯PS」というプランを発表しているのが特徴です。これは7月~9月の13:00~16:00までをピーク時間として、電力単価を高くしています。
そして、それ以外の部分を他のプランよりも電力単価を安くするというプランです。夏場のエアコン需要を抑えるために、節電に取り組めばお得になるというものです。夏場のピーク電力需要は、電力会社への過剰な需要となります。それを抑えるために、上手く考えたプランではないでしょうか。
北陸電力
北陸電力の場合、時間帯による電力単価が異なるプランを発表しています。他の電力会社のような多彩な電力料金プランは見られませんでした。その分、プランの説明が分かりやすく、説明をみてこう思ったのに実際は違ったというような誤解は少なそうな印象です。
中国電力
中国電力も、他の電力会社同様、一定使用まで料金定額プランや夜間電力単価を安く抑える料金プランを発表しています。気になった点は、一定使用まで料金定額プランの販売時に、基本料金はなしと記載していた部分です。
電力を全く使わなくても、定額の電気料金がかかるため基本料金がないと言えますが、少し誤解を招く可能性があります。
四国電力
四国電力では、平日の電力単価と休日の電力単価が異なる「ホリデーeプラン」を発表したことが特徴です。他の電力会社では、時間帯によって電力単価を変えるプランが多い中、四国電力では休日の需要に特化したプランとなっています。
九州電力
九州電力では、夜間の電力単価割引プラン等もありますが、「スマートファミリープラン」があるのが特徴です。電力を多く使用する家庭の一定以上の電力を使用すると、従来の従量電灯よりも電力単価を割引するというものです。電力を多く使用する家庭にメリットがあるプランを発表しています。
沖縄電力
沖縄電力については、電力自由化が始まった4月以前のプランのままとなっております。
これは、電力自由化により、各送電線でつながっている事業者は他の電力会社や新規参入業者にシェアを奪われる可能性があるのに対して、沖縄特有の事業があります。それは、沖縄本島、他の島はそれぞれ独自の発電機による電力供給を行っているため、電気を他の地域から供給するということができません。
沖縄本島と近い九州が送電線でつながっていないため、送電線を使って電気を送ることもできません。また、日本の他の地域と比べて、沖縄の電力需要が少ないため、敢えて沖縄に発電所を建設して供給を行おうとする新規参入業者がいないことも影響しています。
このような理由から、沖縄では電力自由化前と同じ状態が継続されているものと考えられます。
電力会社の動き
以上、国内電力会社10社の一般家庭向けの料金プランの主な特徴をまとめました。大きく分けると、多くのプランを用意したのが、東京電力、中部電力、関西電力の3社でした。
これは、東京電力は東京、中部電力は名古屋、関西電力は大阪と言った大都市圏を供給館内に抱えているためと考えられます。
この3地域は、新規参入業者にとっても魅力的な市場であり、熾烈なシェアの奪い合いが行われるのは必至と考えられます。
隣接エリア同士の競争
電力会社同士の競争も、自由化により今まで以上となります。特に東京電力と中部電力、中部電力と関西電力は隣接したエリアとなるため、他と比べて参入がしやすいです。
大規模需要家向けの電力販売は既に自由化しているのですが、自動車メーカの電力年間契約に、中部電力管内であるにもかかわらず、関西電力も名乗りを上げたことでも話題になりました。このようなことがこれからは一般家庭でも起こるものと考えられます。
電力自由化後の新規参入業者の状況
電力自由化によって、電力会社以外の会社も一般家庭向けに電力を販売することも可能となりました。多くの新規参入業者が名乗りをあげましたが、ここでは主にガス会社、石油会社、通信会社について解説します。
⇒電力自由化とは?
ガス会社(東京ガス、大阪ガス等)
東京ガスや大阪ガスといった都市ガス会社は、電気とガスのセット割りを販売することを発表しました。これはガス会社で電気を購入するとセット割り引きを提供して、ポイントが付くというプランです。
ポイントもTポイント、Ponta、楽天などから選択することができ、利用者にとってもメリットがあります。
石油会社
エネオスを展開するJXグループや出光などの石油販売会社も電力小売りに参入します。
電力単価は電力会社より安くするプランを発表し、競争する姿勢を全面に出しています。
また、グループにガソリンスタンを多く持つため、電力を一定以上購入した場合はガソリンの販売価格を割引するといった販売戦略を打ち出しています。
これらも電力会社から一般家庭の顧客が流れるものとも考えられ、電力会社は脅威と見ているのではないでしょうか?
通信会社
通信会社では、現在、ソフトバンクとKDDI子会社のAUが電力小売り参入を発表しています。これらは、携帯電話料金と電気料金のセット割りを目指しています。
しかし携帯電話の料金体系は非常に複雑で、電力販売の前に光回線とのセット割りも既に行っている携帯電話会社が、電気とセット割りでどこまで安くなるのかが非常に不透明です。
携帯電話料金は分かりづらいため、セット割りで安くなると言っても、期待ほど安くならない可能性もあります。
光回線とのセット割りが始まった際にも同様の声が聞かれました。通信会社との契約は、少し様子見の状態が望ましいと思われます。
その他の業者
アメリカの新規参入業者のイーレックスも、電力販売に参入を発表しています。しかし、積極的に営業はまだしていないため、知名度もなく、大きな話題には上がっていません。
新規参入業者の特徴
電力の新規参入業者は、他の業種で大きなシェアを持って、市場拡大を狙って参入している業者が殆どでした。これは、小売りの参入に、電力の安定供給義務があるため、小さな会社は参入できないという事情があります。このため、電力の新規参入が他の大手企業ばかりとなってしまったのです。
これからに期待??
電力市場の開放を目的とした自由化です。様々な企業が様々なサービスを提供して、電気の利用者も自分に合ったプランを選択できるようになっていってほしいものです。
⇒新電力会社をいろいろな面から比較
電力を売る会社は慎重に選びましょう
今年の四月から、一般家庭でも電力の購入先を電力会社以外からも選択できるようになりました。これからは電気の安定供給も重視し、料金が高くなりすぎないプランを選ぶこともできるようになりました。
多くのものの中から選択できるようになった反面、その選択に失敗する可能性も出てきます。
お得なプランを契約したはいいが、話と違ったといっても、全て自分の責任になります。契約書にサインする時には、自分が不安になったことや、災害時の安定供給など、質問することが今までより多くなります。
様々なことを学んで、失敗しない電力販売業者の選択を行いたいものです。
電力自由化のメリットを最大限受けるためには、事前に電気料金プランの比較を!
電力自由化により、私達消費者が自由に電力会社を選べる時代になりました。電力会社の切り替えは1分で出来て簡単ですが、事前に安定性や料金についてしっかり確認しておくことが大切です。
新電力の中でもお得かつ安定した電力供給をしている会社も多くあります。一度今の料金プランを他のものと比較しておきましょう。
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