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電力自由化

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《世界の電力自由化》中国に学べる電力自由化の難しさ

中国の電力自由化は政府が主導して推進していくシステムなので、日本や欧米のように公的機関と民間が協力して取り組むやり方とは違っています。

そのせいもあってか、2002年に発送配電分離という、電力自由化にとっては大きなきっかけになることが起こって自由化が加速されても、いまだに全面自由化にまでは至っていません。

また、中国では国土の広さのために送電網の整備がなかなか進まない国内事情にも関わらず、高速通信ネットワーク整備など目新しい取り組みにも力を入れています。

そういった、新しいものをどんどん取り込んでいく中国のやり方にも学べることがありますし、日本の電力自由化のためにも近隣国である中国との協力関係は大切です。

まだまだ、どこの国にとっても電力自由化は模索段階です。少子化対策で人口が減っても、いまだに多くの国民を抱える中国の電力自由化への道を調べてみました。
⇒電力自由化へのあゆみ『大韓民国』

中国電力自由化で大気汚染は解消されるのか

“大気汚染”

読む前に知っておきたいキーワード:赤色警報
<赤色警報とは>
中国で2年ほど前から始まった大気汚染に対する警報で、赤色は最高レベルの警報。2015年12月北京市で初めて発令された。学校は休校になり、車は規制された。

読む前に知っておきたいキーワード:化石燃料
<化石燃料とは>
植物や動物の遺骸が変化して生まれた燃料。
石炭、石油、天然ガスなど。燃焼すると、二酸化炭素の排出や大気汚染の原因になる。化石燃料にかわる再生可能エネルギーの開発や、化石燃料をクリーンにする技術もある。

中国では、大気汚染の問題は深刻です。2015年12月には、北京市で初めての赤色警報が発令された後、中国の10都市でも赤色警報が発令されました。

急激な経済成長に伴って、自動車からの排出ガスの増加、建設ラッシュによる建設現場などからの大量の粉じんの発生、化石燃料の使用による二酸化炭素の排出などが組み合わさってスモッグとなっています。

国連の地球温暖化対策会議で中国の代表団は、いまだに全エネルギーの6割以上を占める石炭を、せめて都市部の石炭消費だけでも削減するために再生可能エネルギーの開発に投資を続けることを発表しました。

中国の二酸化炭素排出量が削減すると、世界全体の二酸化炭素排出量削減にもつながります。また、中国が再生可能エネルギーの開発に投資することで、再生可能エネルギー価格がさらに下がることになれば、地球温暖化の問題解決にもつながる可能性があります。

中国電力自由化での智能電網(スマートグリッド)への道

読む前に知っておきたいキーワード: 智能電網
<智能電網とは>
次世代送電網、スマートグリッドのこと。
スマートグリッドには、いまのところ明確な定義はない。

智能電網への動機

中国は、2009年から智能電網導入への取り組みが活発化しています。

急速な経済成長で電力が不足する事態が起き、電力を安定供給させることが必須事項になっていくとともに、大気汚染の問題も発生して再生可能エネルギー導入を積極的に行う必要性が生じたからです。「2020年までに50兆円を投資する」と報道されています。
⇒電力自由化で再生可能エネルギーの時代がくる?

この智能電脳―スマートグリッドは、大まかないい方をすれば、再生可能エネルギーなどの分散型電源を大規模に導入するためのシステムです。

電力会社の発電、送電、配電を分散させてITで結ぶとともに、今まで受け身でしかなかった消費者側も、電力会社を自分で選びとることで能動的に関わり、ムダを省いて最適な電気のシステムを目指す送電網です。

どの国も取り組むことになった動機は、いろいろあります。(日本では2011年の福島原発事故が原因)

智能電網への経緯

2002年の電力体制改革によって、それまで国営の電気事業を一手に引き受けていた国家電力公司が、送電事業と発電事業に分かれてから智能電網への道が開かれます。

中国を6ブロックに分け、送配電事業を華北、華中、華東、東北、西北の5ブロックを「国家電網公司」、南方を「南方電網公司」の2社に分けて、5大発電会社などから電力を購入するシステムになりました。

2004年には、地域によって電気料金を変えていたことを改め、石炭の価格変動に応じて電気料金を改定できる「炭電価格連動制」を導入し、電力市場を整備する方向を固めます。

中国の電力市場の問題点は、資源が豊富な西部地域から経済成長が著しい東部沿岸地域への送電網の整備が整わないことで、送電ロスを減らすためにも智能電網への取り組みが強くなったようです。

中国の電源構成と再生可能エネルギーへの取り組み方

中国の電源構成は、約7割が火力発電、2割が水力発電、その他を原子力と水力以外の再生可能エネルギーで占めています。火力発電や水力発電は減少傾向、原子力と再生可能エネルギーは増大傾向です。

今後の計画としては、

  • 省エネ目標をたて省エネについての知識を一般に広めて強力に推進すること
  • 原子力や風力、太陽エネルギー、廃材や木くずのバイオマスなどの再生カ可能エネルギーを発展させて電源構成を改良すること
  • 西部地域の資源開発や天然ガスの開発や送電網開発を増強することで電力の安定供給を目指すこと
  • 国際協力を推し進めること

などを挙げています。2020年までに、エネルギー総消費量に占める再生可能エネルギーの割合を15%にまで上げることが目標になっています。

智能電網への取り組み方

日本では、「段階的に電力自由化を推進していこう」という姿勢が強いですが、中国は政府主導なので、外交面も含めた新しい取り組みに積極的です。

2016年のトピックスをみても、3月24日にはタイの発電事業者であるRATCH社と原子力発電所のプロジェクトを共同で行い、タイやその他の国でクリーンエネルギーを共同で開発するとしています。

また、3月30日にはチェコと「原子力と再生可能エネルギー分野における全面提携に関する覚書」を締結しています。また、智能電網を推進するためには欠かせないスマートメーターの導入にも熱心です。

中国電力自由化での国際送電連系の実現

“世界各国がつながる”

読む前に知っておきたいキーワード: 国際送電連系
<国際送電連系とは>
国どうしの送電システムで、ある国で電力が不足した場合、他国からの電力を融通することで電力不足をしのぐこと。

政府主導のメリットとデメリット

中国の電力自由化、智能電網は、中央政府や国営企業の絶対的な主導のもとになされています。そこが欧米や日本との大きな違いですが、どちらにもメリットもデメリットもあります。

<政府主導の場合のメリット>
「外交関係から国際送電連系が確立しやすい」
さきほどのトピックスでみてもわかるように、ひんぱんに他国との共同プロジェクトを展開していて、そういうルートから国際送電連系への道が開かれやすい、ということがあります。

再生可能エネルギーの導入には、自国だけではなく他国との連系が避けられません。水力資源が豊富な国と風力資源が豊富な国で融通させる、という具合に、地球レベルで電力不足が起こる問題に対処するためには、国際送電連系で融通させるシステムが絶対必要です。

そういう点が政府主導であると、比較的容易に行なえるよさがあります。

<政府主導の場合のデメリット>
1.本来なら民間の電力会社が行う国内の送電網の整備と強化など段階的に着実に行っていかなければならない
2.国際送電連系との足並みが揃わない

そこは、国内の足固めを民間の電力会社が請け負い、国際連系など対外的な取り組みを政府が行うという日本や欧米のよさになります。

エネルギー事情からみた国際連系

読む前に知っておきたいキーワード:EV
<EVとは>
電気自動車のこと。
二酸化炭素や排気ガスの排出がないので、環境に優しい自動車。

石炭の場合
石炭は、中国にとってまだまだ中心的な電源です。国内では石炭資源が豊富で輸出もしていますが、同時に供給不足もあり、石炭を輸入もしています。

石油の場合
自動車が急増し、消費量が年々増加しています。国内では、大慶油田などの国内油田、近年では沖合油田の開発も進んでいます。
ただ、国内油田は底をつく状態なので、輸入でまかなっています。
中東、インドネシア、カザフスタンなどの探査権、産出権を持っています。

天然ガスの場合
ガス田は、西部の3盆地と沖合に主にあります。経済発展が著しい東部沿岸地域への輸送路や海底パイプラインの建設を行っています。
輸入計画も進んでいます。

西部大開発計画として、西部地域に豊富に埋蔵されている石炭や天然ガス、水力などのエネルギー資源の開発を進め、経済の中心である東部沿岸地域に送る送電網の整備や、新彊ウイグル自治区と上海を結ぶ天然ガスのパイプラインが進められています。

また、自動車産業もガソリン車からEV(電気自動車)への転換期になっています。そして、EVに蓄電された電力を買い取ってもらったり、家庭で使ったりすることも考えられています。

この分野でも、中国は新規産業として位置付けていて、環境問題への取り組みもあって強力に推進していくと思われます。

電力自由化で日本と中国の協力関係は樹立できるのか

“日本と世界(中国)”

中国は広大な国土、膨大な人口、そして西部地域の豊富な資源、東部沿岸地域の急激な経済発展、そして中央政府の強力な指導力という、日本とはスケールの大きさが違う国です。

しかし、日本にとっては近隣国ですし、歴史的にも深いつながりがあります。エネルギー問題でも、送発配電の分離、再生可能エネルギーの導入、スマートメーターへの取り組みなど、日本がこれから本格的に始まる電力自由化の数歩先を行っています。

しかし、中国は立ち遅れている送電網の整備の技術など、技術面では日本がお手本になれることもあります。

国際送電連系にも熱心である中国の電力市場で、日本と中国が協力関係を樹立できるならば、日本にとっても電力自由化が進展するきっかけにもなると思われます。

日本との協力関係は樹立できるか

日本と中国は、もし協力できるなら世界でも指折りのエネルギー産出国になる可能性もあります。こと、電力事情についていえば、日本にとっても、恐らく中国にとっても大変助かることが多いはずです。

エネルギー問題は、もう地球規模の問題に発展しています。国どうしが連系することは、一番大切でしょう。

再生可能エネルギーの問題も日本は、これから取り組まなければいけない問題です。中国にさまざまな技術を提携することで、中国の大気汚染問題を助けることにもつながり、そしてそれは日本の大気汚染の解決にもなります。

中国を近隣国だと認識することから始めるのが、大切なようです。

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