電力業界に殴りこみ!『新電力』はどんな業界から参入してくる?
今年から始まった電力自由化により新規に電気事業に参入する新電力企業は、様々な料金メニューやプラン打ち出しています。それに負けじと既存の大手10大電力会社も、新電力に対抗して新しい料金メニュー、プランを打ち出してきます。
一般家庭が選択する範囲は、これまでの地域の電力会社から、異種業種の新電力から選択できますが、一体どういったジャンルの企業が参入してくるのでしょう。
業界別の主な新電力とプランの特徴
「ガス系会社」
ガスの業界も、来年からはじまる自由化の制度改革が進められているようです。ガス会社の場合、発電所を保有している会社もあり、また資本力も大きく、これまで取引をしている顧客も多いので、安心感もあるでしょう。
プランとしては、ガスと電気のセット割引が柱となっています。消費者は、ガスと電気を同じ会社から選べると言う、大きなメリットがあります。
ガス各社は、電気とガスのセット割を中心に、地域に密着した基盤を活用しながら数多くのプランとサービスを打ち出しているようです。
ピックアップガス系会社:大阪ガス
電気の販売、発電ともに抱負な実績を持っている大阪ガスですが、この地方の大阪出身の加入者数は圧倒的です。
すでに15年以上電力販売活動を行っているだけ、最新鋭で高効率の天然ガス火力発電所も保有しているので、電力においての経験が豊かな会社です。
国内だけでも約184万kWの電源を保有していて中でも注目されているのが、太陽光を集めたソーラーパネルも使用しているのがメリットです。
実践的にエネルギーの開発も行っているので、信頼できる電力配給を約束してくれます。今後ますます安定した電気の供給を約束してくれます。
その他のガス会社:東京ガス、西部ガス、TOKAIグループなど。
「石油系」
ガソリンスタンドを経営する石油元売り会社も、新電力として参入します。これらの事業も、ガス会社と同じく、自社で発電設備を所有しており、これまでオフィスビル、学校などの電力の販売を行っており、電力事業に対して、かなりの実績を持っています。
また大手電力会社やガス会社にはない、給油所という小売り施設を持っているのも大きな強みとなりそうです。
契約するとガソリン代の値引きにつながる、つまり燃料代のセット割引ができます。全体的に電気の安さ、ガソリンの安さとなど、それぞれ個性あふれるプランを打ち出しています
昭和シェル石油、JXエネルギー、東燃ゼネラル石油などがあげられます。
「通信系」
携帯業界で電力自由化の流れにおいて最も積極的に動いているのが、ソフトバンクです。携帯業界は電力業界のようなエネルギー関連とは相いれないように見えますが、ソフトバンクは太陽光発電を武器にした電力会社としての一面を見せようとしています。
ソフトバンクは太陽光発電を全国各地(29か所)に設置することで、安定した発電事業を可能にしています。
また、ドコモやauも大手電力会社とタッグを組むことで電力市場への参入してきています。auは、関西電力とドコモは東京電力や中部電力と提携しています。
各社とも通信技術という強みを生かした新電力として、電力業界に新しい風を吹かせる事が期待されています。携帯電話各社は、電力とのセット割契約を結ぶことで、顧客を囲い込もうと必死な展開を行っています。
ケーブルテレビとのセット割なども見られ、ケーブルテレビ、ネット回線、固定電話とのセット割のプランなども打ち出しているようです。
通信系は全体的に電気代だけではなく、サービス重視の傾向が見られます。
ソフトバンク、KDDI,ジュピターテレコム、など。
「流通系」
流通小売り各社も、新電力として数多くの企業が参入してきます。流通業界は、他の新電力と違って、小売り店舗を最大限に利用した展開が見込まれます。
そうした実情を踏まえて、多くのサービスを企画することができ、他業界と一味違ったサービスプランが見られます。
COOPのほうが有名かもしれませんが、生活協同組合も参加しています。
他に流通系の参入業者といえばパルシステム東京、アイグリッド・ソリューション、MCリテールエナジー、大阪いずみ市民生活協同組合などがあります。
「電鉄系」
東急電鉄系が新電力として早くから参入の意思を示し、「東急パワーサプライ」を設立しました。ここでは、PASMO定期券購入時のポイントが、2倍になるなど電鉄系ならではのサービスプランを打ち出しています。東急電鉄など。
「旅行会社」
旅行会社のH.I.Sも新電力として参加します。旅行会社の強みは、北は北海道から南は九州まで、広いエリアにネットワークを持っていることです。そして、旅行とのセット割が期待されると言うことでしょう。
「新興電力会社」
これまで、業務用販売をしてきた新興の電力会社も参入しています。東芝と阪和興業共同出資で設立された「イーレックスグループ」は家庭向け、電力小売業に参入してきます。
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純粋に、安い価格で、広範囲の顧客をターゲットとした戦略が目立っています。ユニークな新電力として注目を集めているのが、地産地消をモットーとしている四国松山市の「坊ちゃん電力」でしょう。
電気の使用量に応じて、坊ちゃんプラン,マドンナプラン、赤シャツプラン、山嵐プランなどを設け、ガス、ネット回線、太陽光発電、ホームセキュリティーなどとのセット割引を実施しています。
イーレックス、坊ちゃん電気、など。
「自治体系」
地方自治体は、新電力として電力事業に参入する動きが活発化しています。地方自治体は、他の電力と参入動機が、少し違って、「地元で生産したものを地元で消費する」という考え方が、根底にあります。
つまり、地産地消の考え方です。これは流通コストの削減にもつながり、地元の経済や雇用環境に貢献すると言う最大のメリットがあります。
電力も、長距離を送電すればロスも出てくることは確かです。これを地産地消にすれば、これまで支払ってきた電力会社の電気料金よりも安くできるとあって、各地方自治体も積極的に取り組む姿勢を見せているようです。
ミヤマスマートエネルギー、鳥取市民電力、泉佐野電力等があります。
「住宅関連企業」
電力を多く消費するのは、やはり家庭です。その家という財産に暮らしに欠かせない電力を結びつけることは数多くのメリットがあり、電力自由化に合わせた使い勝手の良い電気設備を建設段階で取り付けることができます。
ソーラーパネルを設置したり、家庭用蓄電池をオプションで付けたりすることで、住宅関連企業がより深く居住者のくらしのカスタマイズが可能になります。
住宅業界が電力業界に進出する事は、電力自由化によってその垣根が取り払われた後、自然な流れとなるでしょう。
電力自由化によって電力業界に様々な業界が参入し、構造が複雑化することが想像できます。どの新電力と契約するのが一番お得なのかをしっかり吟味する必要がありそうです。
大和リビングユーティリティーズ
電力自由化で新たなPPS企業が、続々と増えていく中で、住宅業界も参入を始めました。
大和ハウスでは、電力自由化以前から法人向けの電力事業を展開してきました。今まで培ってきた節電対策、電力に関するノウハウを活かして参入してきます。
グループ会社である、大和リビングユーティリティーズによって、自社が管理する物件向けにオリジナルのサービスを提供していくようです。
大東エナジー
大東建託のグループ企業の1つである「大東建物管理」が設立した大東エナジーからも、賃貸向け用の新しい電気料金プランが提供されます。
数多くの賃貸物件を保有する大東グループは、既存のノウハウや販売網を活かして、電力自由化自由化に向け、物件オーナーや入居者に対して付加価値の高いサービスを行う方針を発表しています。
レオパレス・エナジー
レオパレス21が展開する「レオパレス・エナジー」では、自社の管理物件の節電や電気代に関するサービスを行う方針を決め、電気料金の体制変更が行われることが見込まれています。
レオパレスでは賃貸物件入居者の電力をまかなう計画が打ち出されています。これにより、屋根上の太陽光発電によって得た電力を、レオパレス・エナジーを通して電力供給する体制ができあがります。
まとめ
電力自由化後、大手電力会社は、これまでのエリア限定販売の枠が外れて、エリアの境界を越えて、販売が許可される形となりました。
例えば、東京電力はこれまで販売エリアが関東地区に限られていましたが、関西でも中部でも販売できるようになったのです。
さらにいつも利用しているサービスと結びつけることによって、様々なサービスを受けられることができるでしょう。あなたの身近にある業界サービスを賢く利用してお得に電気を利用しましょう。
電力自由化がスタートしてから、一般家庭でも電力プランが選べるようになりました。
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