一人暮しでも電力自由化の恩恵を受けられる?

一人暮しでも電力自由化の恩恵を受けられる?
一人暮しをしていると何かと生活費を節約しなければいけないと涙ぐましい努力をしている方も多いはずです。食費を削ってしまうと自分の健康にも悪影響を及ぼす可能性があるので、真っ先に検討したいのが電気代の節約をすることです。
電気代を節約する方法として今話題になっているのが、全面電力自由化によって契約する電力会社を変更したら電気代が安くなる可能性があるということです。もちろん、一人暮しでも電力自由化の恩恵を受けて電気代を今までより安くすることも可能ですが、注意しなければならない点もいくつかあります。
⇒電力自由化の仕組みと裏事情
一人暮しは電力会社を変えても安くならない?
電力自由化の最も大きなメリットといえるのは、複数の電力会社が良い意味で競争し合うことでより良いサービスを消費者に提供できるという恩恵が受けられる事です。
今までは、全国各地に存在している各地域の電力会社がある意味独占する形で消費者に電気を供給して料金を徴収していましたが、これからは複数の電力会社が新たに参入することで窓口の選択肢が増えて、それぞれ独自のサービスを提供してくれるため、消費者にとって都合の良い電力会社と契約ができるようになったのです。
サービス内容には、従来の電力会社よりも安い料金プランを設定している場合が多く、契約先を変えるだけで電気代を安くできるのです。
しかし、注意しなければいけないのが一人暮しの方で、契約先を変えるだけで必ず電気代が安くなるとは限らない場合が多いのです。全ての方を対象にして電気代が安くなるという恩恵を受けられないのは、各電力会社が設定している料金プランに違いがあるからです。
従来の電力会社が設定している料金プランよりも確実に低い価格で設定されているなら問題ありませんが、電力会社によっては異なる料金設定をしているため一概には言えないのです。
具体的にどのような料金プランになっているのか、一人暮しをしている方が多い東京電力管内で20Aにて契約していて1ヶ月120kWh使用した場合での一例をご紹介します。東京電力とミツウロコグリーンエネルギーで比較してみましょう。
20Aで1ヶ月間120kwh使用した場合
東京電力 従量電灯B
基本料金 | 561.60円 |
---|---|
電力量料金 | @19.43×120=2331円 |
合計 | 2892円 |
ミツウロコグリーンエネルギー
基本料金 | 561.60円 |
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電力量料金 | @21.43×120=2571 |
合計 | 3132円 |
このように20Aで契約している場合には、ミツウロコグリーンエネルギーの電力量料金単価が高く設定されているため、従来の東京電力が圧倒的に安い料金になることがわかります。では、1ヶ月に200kWh使用した場合ではどのような違いが生じるか確認してみましょう。
20Aで1ヶ月間200kwh使用した場合
東京電力 従量電灯B
基本料金 | 561.60円 |
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電力量料金 | @21.43×120=2571 @25.91×80=2072円 |
合計 | 4964円 |
ミツウロコグリーンエネルギー
基本料金 | 561.60円 |
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電力量料金 | @21.43×120=2571 @22.63×80=1810円 |
合計 | 4381円 |
このように一ヶ月に200kWh使用した場合では、ミツウロコグリーンエネルギーの料金が安くなることがわかります。
この結果からわかるように、一ヶ月の消費電力が少ない一人暮しの方は従来の電力会社で契約したままの方がお得になる可能性があり、消費電力がそれなりに多いのであれば、新しい電力会社に契約変更を検討した方が電気代の節約に繋がると考えられます。
一人暮しの方が電力自由化の恩恵を受けて電気代を安くするためには、現在電気代がどのくらいかかっているのか、毎月どのくらいの電力を消費しているのかを確認したうえで、現在契約している電力会社よりも有利な料金設定の電力会社があるかをしっかり確認しなければいけません。
一人暮らしのライフスタイルに合った電気代の節約方法
一人暮しの方が電気代を安くするためには、ライフスタイルに合った料金プランを設定している電力会社を検討することをおすすめします。ライフスタイルに合わせた料金プランに変えるだけで、思っていた以上に電気代を節約できる結果になる場合もあるのです。
⇒ひとり暮らしの電気料金を抑える3つの方法とは?
日中は会社に出勤して仕事をしており、自宅に帰ってくるのは夜になってからというライフスタイルの方は、一ヶ月のうち大半を日中は留守にしていて自宅にいるのは夕方から朝にかけてという場合が多いです。
留守にしている間は電気を消費することがほとんどないため、電気を使用することが多い夜間にお得な料金プランを設定している電力会社があると今までよりも電気代が安くなる可能性もあるのです。
例えば、東京電力が提供している「おトクなナイト8、10」という料金プランは、日中はあまり電気を使用せずに夜間に電気を使用することが多いという方におすすめできるプランになっています。
8は午後11時から午前7時までの8時間、10は午後10時から午前8時までの10時間に割安な夜間料金が設定されています。
東京電力の従量電灯Bの20Aで150kWh使用した以下の金額を基準にして確認してみましょう。
例)東京電力 従量電灯Bプラン
- 基本料金:561.60円
- 電力量料金:@19.43×150=2914円
- 合計:3475円
◎おトクなナイト8(昼間時間)
基本料金 | 1296円 |
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電力量料金 | @23.81×90=2142円 @31.75×60=1905円 |
合計 | 5343円 |
◎おトクなナイト10(昼間時間)
基本料金 | 1296円 |
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電力量料金 | @25.92×90=2332円 @34.56×60=2073円 |
合計 | 5701円 |
このように単純に全ての電気を昼間に使用した場合で比較してみると、通常の従量電灯プランより圧倒的に割高な料金プランになることがわかります。
実際に全ての電気を夜間だけに使用することはないと思いますが、仮に全ての電気を夜間に使用した場合で比較してみましょう。
◎おトクなナイト8(夜間時間)
基本料金 | 1296円 |
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電力量料金 | @12.16×150=1824円 |
合計 | 3120円 |
◎おトクなナイト10(夜間時間)
基本料金 | 1296円 |
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電力量料金 | @12.41×150=1861円 |
合計 | 3157円 |
このように全ての電気を夜間に使用したと仮定すると、従量電灯Bよりも割安な料金に設定されていることがわかります。実際のところは昼間にも電気を使用する事も想定されるため、必ずしも従量電灯Bで契約していた時よりも安くなるとは限りません。
しかし、できるだけ昼間に電気の使用を控えて、夜間に集中して電気を使用するようにしていれば、十分な電気代の節約効果を生み出すことができると考えられます。
⇒電力自由化で電気代を見直そう!電気代節約方法を考える
一人暮しは電気以外のサービスとの連携が狙い目
一人暮しの方が電気代を安くする方法として、電気以外のサービスを提供している会社の電力会社と契約するという選択肢もあります。
新電力会社の中には既に他の事業を手がけている会社が電力事業に参入し、新たな顧客獲得や既存の顧客に対して更に結びつきを深めるという目的を持っている場合が多いのです。既に契約している方はもちろんですが、これから新たに申込みをするという方にとってもメリットのある選択肢と言えます。
例えば、携帯電話サービスを提供しているKDDIが提供しているauでんきは、auユーザーにメリットのある電力事業として注目されています。一般家庭向けの電力事業を手掛ける前から大型マンション向けの電力事業を行っているという実績があります。
既存の電力会社と全く同じ電気料金で設定されているため、特にメリットがないのではないかと思われがちですが、使用した電気料金によって毎月1~5%相当がキャッシュバックされる仕組みになっています。
キャッシュバックは、auユーザーにはお馴染みのauウォレットというプリペイドカードにチャージされる仕組みになっていますので、いつも通りに電気を使用しているだけでも勝手にプリペイドカードにチャージが増えていくというメリットがあります。
一ヶ月の電気代が5千円未満であれば1%のキャッシュバック、5千円分の電気を使用しても50円のキャッシュバックなので、とてもわずかな金額に感じられるかもしれません。
しかし、1年で600円、2年で1200円と考えるなら今までの電力会社に契約したままよりもお得になると実感できるはずです。
他にも、ガスやケーブルテレビなどのサービスを提供している会社でも電気と合わせて契約するとお得になる料金プランを設定しています。既に契約済みのサービスで電力事業を手掛けることになった会社があれば、積極的に検討してみると良いでしょう。
一人暮しの電力自由化まとめ
一人暮しの方が電力自由化のメリットを得られる電力会社とは、それぞれのライフスタイルによって異なります。今までと同じ電力会社のままにしていた方が良いのは、一ヶ月に消費する電力量が元々少なかったという人です。
地域によっては既存の電力会社よりも安い料金設定にしている場合もありますが、一ヶ月の消費電力が少ない人にはあまりメリットがない料金プランを設定している会社が多いので必ず確認が必要です。
ライフスタイルを確認して時間帯によって電気を使う時間が集中しているという場合には、時間帯別の料金プランを設定している会社を検討しても良いでしょう。
他のサービスとセット割引を適用している会社もありますので、既に契約しているサービスが存在している場合にはこちらも検討してみると良いです。