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電力自由化

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《世界の電力自由化》ドイツに学べる電力自由化の経緯

2016年4月1日、日本で電力小売りの全面自由化が始まりました。契約切り替えの申込みは3月23日時点でまだ「0.5%」という発表があり、今後、増えていくことは確実です。
しかし、「もう少し時間が必要だ」「慎重に考えたい」「判断材料が足りない」などの理由で様子見している状況のようです。
⇒電力自由化とは?

そんな時は、経験者の意見が参考になります。電力自由化先進国ドイツの電力自由化事情は、二転三転しながらも現在は落ち着いていい状態に向かっています。そんなドイツから学べることは何でしょうか?

電力自由化先進国のドイツに学べることは多い

“学んでいる様子”

EUは2007年に電力自由化をスタートしましたが、EUの中でも最も電気料金が高いといわれるドイツは、10年近く前の1998年にすでに電力自由化に踏み切っています。

電力自由化新参者の日本は、日本と似ている勤勉や節約重視型の国で、電力自由化ではかなり先輩のドイツに学べることも多いのでは、と思います。

ドイツの電力事業をささえるシュタットベルケ

ドイツにはご存じのように大都市集中型ではなく、中都市がいくつもあって国家が成り立っています。そういう国家の成り立ちや歴史的背景も加わって、電力事業を支えるものに地域ごとの電力会社が多数存在します。

この地域ごとの電力会社の総称を「シュタットベルケ」といいます。個人や民間レベルでは太刀打ちできないインフラ整備や運営を行うために、どんどん発達しました。

電力自由化になっても生きのびたシュタットベルケ

電力自由化になって100社以上の新規事業者が電力業界に参入してきたので、シュタットベルケの存在も危ぶまれました。でも実際は、新規事業者の方の倒産が相次ぎ、シュタットベルケは生き残りました。
⇒電力自由化の仕組みと「裏事情」

シュタットベルケが生きのびた理由

シュタットベルケが生きのびた理由として考えられることは、次の3つがあります。

  • シュタットベルケが地域に根ざして市民の信頼を得ていること
  • 新電力がたびたび不祥事を起こして信頼を失ったこと
  • 頼りになるはずの電力・ガスの比較サイトが中立を守っていないので、市民が混乱してしまったこと

では、ひとつひとつ見ていきましょう。

シュタットベルケが地域に根ざして市民の信頼を得ていること

地元の電力会社であるシュタットベルケは

  • 「地域の資源を活用」
  • 「地域の雇用に積極的」
  • 「地元の人への親身なサービスを提供」

という3つの特徴を武器に、電力自由化で劣勢になるだろうという予測を裏切りました。そしてその後、シュタットベルケを買収と合併した企業が40%程度のシェアを獲得しました。

※「地域の資源」=地域の水力発電所の運営・廃棄物処理炉からの熱の利用のこと
※「雇用に関して」=一つのシュタットベルケがあれば正規の社員やそれ以外の社員を含めて「5600人程度の雇用を生み出すことができる」
※「地元の人への親身なサービス」=家を訪問して省エネサービスを行ったり、自身の発電所から発生した熱を供給するなど

新電力がたびたび不祥事を起こして信頼を失ったこと

シュタットベルケとは対照的に、新電力は電気代を安くするかわりに1年分の電力料金の前払いや、一定額の預り金を要求するなど最初から強気の姿勢でした。

ところが「Teldafax」と「Flexstrom」という新電力会社が2011年,2013年と立て続けに倒産、それもたくさんの顧客を抱えてサービスを十分に提供する前に倒産したこともあって、新電力に対する信頼を大きく裏切ることになりました。

電力とガスの比較サイトが中立を守っていないので市民が混乱してしまったこと

新電力に興味をもって「電力とガスの比較サイト」を開いてみても、紹介料をもらっている会社を優先的に扱うなど中立性が疑われるような事態も発生しました。新しい電力会社に切り替えようと思っても、どこがいいのかわからなくなってしまうのです。

どうにか信頼できるサイトは有料ということもあって、「やっぱり昔から信頼できるシュタットベルケにするのが一番の得策」、と市民が思うようになったのは当たり前のことです。

電力自由化後にドイツの電気代は上がっている

“値上がっているグラフ”

2000年に新電力として新規事業者が大量に参入することで、自由競争が生まれ、一時は電気代は下がりました。

しかし、新規事業者の倒産や不祥事が相次いで起こり、新規事業者に対する信頼が失われていき、各地にあるシュタットベルケが買収や併合して生まれたRWE、E.ON、EnBW、Vattenfallの4社がほぼ寡占(独占)状態になると、価格競争も薄れ、電気代は元の高値に戻っていきました。

電力自由化後にドイツの家庭用電気料金は値下げになった?

“値下げしている”

しかし、2015年ごろから再生可能エネルギー促進のための費用「賦課金(国民が負担するお金)」が下がりはじめ、予想としては2017年ごろまで下がった状態を維持できるだろう、ということになりました。

理由は2014年の賦課金が高めだったので、余剰金が生まれたことによります。ドイツの電気料金のなかに占める賦課金の割合は、再生可能エネルギー優先法(EEG)が施行された2000年以降毎年上昇し、2014年には21.4%にも達していました。

ドイツの家庭用電気料金は1kwhあたり平均で約40.8円
日本の東電の電気料金は29.93円

こうやって比べてみるとドイツの電気代がかなり高いことがわかります。ただ、ドイツの実質的な電力そのもの(発電や送電、配電、小売り)の費用は約19.4円なので、電気代の約半分以上は税金が占めているということです。

このことから賦課金が下がることによって、1家族4人の電気料金が年間約4900円下がる、という見通しになるようです。

賦課金が下がると共に

  • 自然エネルギー発電が大幅に増加したこと
  • 電力卸売価格が10%程度下がったこと

も重なり、ようやく少しずつ電気代が下がってきました。

電気代が下がってきたのは「法改正の威力」

こういう状況の変化は、2014年8月1日発効の『2014年改正再生可能エネルギー法』によるところも大きいです。

<改正再生可能エネルギー法の主な目的>

  • 過剰な補助やボーナス制度を廃止してコスト上昇を抑制すること
  • 電力に占める再生可能エネルギーの拡大を2025年までに40~45%、2035年には55~60%にすること
  • 再生可能エネルギーを国内のみならずヨーロッパの電力市場にまで統合させていくこと

再生可能エネルギーの拡大については、太陽エネルギー、陸上風力、バイオマス、洋上風力という種別ごとに、目標値まで具体的に設定されていることから、力の入れ具合が本当に達成させるぞ!というドイツ政府の意気込みがわかります。

変わりつつある電力市場

ドイツの4大電力会社RWE、E.ON、EnBW、Vattenfallのうち、最大手の「E.ON(エーオン)」はこういう状況を見越して、再生可能エネルギー関連事業に重点を置く体勢に変わってきています。

消費者にとってなにより大事な「電気の安定供給」と「電気代の安さ」。この2つが「賦課金の減少」「自然エネルギー発電の大幅増加」という変化によって達成されつつあります。

また、電力市場にとっては電力価格を安定させ、かつ、再生可能エネルギーの拡大を達成していく基盤が出来上がったとも言えます。

ドイツは電力自由化と再生可能エネルギーへの取り組みを並行

“再生可能エネルギー寄せ集め”

ドイツは電力自由化と同時に、再生可能エネルギーへも積極的に取り組みました。

2014年 発電に占める再生可能エネルギーの割合が26%にまで到達
2022年までに 原子力エネルギーを段階的に廃止する予定
2050年までに 電力の80%を再生可能エネルギーで補えるようにする

というような目標をたてています。

※再生可能エネルギー
太陽エネルギー、水力、風力、バイオマス(=木質資源、下水汚泥、家畜の糞尿、食物の残りカスなどの動植物から生まれる再生可能な資源のこと)

固定価格買い取り制度の影響

再生可能エネルギーによって発電された電力を政府が買い取る「固定価格買い取り制度」(FIT)が2000年に導入され、それにつれて再生可能エネルギーに参入する企業も増えましたが、電力買い取り費用は結局市民が負担するため、電気代がますます上がることになってしまいました。

もともとEUのなかでも電気代が高い、ということで電力自由化に踏み切るのが早かったドイツなのに、電力自由化されても電気代は下がりませんでした。それどころか再生可能エネルギーの買い取り費用も国民負担となり、ますます電気代は高くなりました。こんなところからドイツの試みは失敗だったという意見が生まれました。

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