清水建設 | 再生可能エネルギー100%電力小売事業を開始
現在、全世界で二酸化炭素排出量の減少や脱原発が騒がれており、日本でも地球環境対策の一貫として再生可能エネルギーが注目を集めています。
⇒再生可能エネルギーの電力専用市場が存在するってホント?
そこで、大手総合建設会社である清水建設では、2016年9月、経済産業省より小売電気事業者として承認を受け、再生可能エネルギー100%の電力小売り事業を展開し始めました。今回は清水建設の新しい事業展開を参考にし、再生可能エネルギー100%の電力小売り事業について書いていきます。
清水建設の再エネ100%のメリットと仕組み

清水建設では再生可能エネルギー100%の電力小売り事業を展開しており、まずは自社に関連する施設へ電力の供給を行っています。
今後の見通しとして清水建設が施工に関わる施設にも電力供給を進めていく計画があり、顧客との関係を強化するという目的があります。
全世界にたくさんの企業がありますが、再生可能エネルギー100%を実現している企業は少ないことから、その模範的な立場となる清水建設は積極的に事業を展開していくと予測します。
⇒電力自由化で再生可能エネルギーが主役の時代がくる?
再エネ100%で企業イメージアップ
クリーンなエネルギーである再生可能エネルギー100%の企業だということが世間的に知られるようになることで、企業イメージが大幅にアップすること間違いありません。
もちろん清水建設としては、地球環境を第一に考えた事業ではありますが、それが企業イメージアップに繋がるのであれば、投資効果は計り知れません。
今後、BtoBへの電力供給が開始されることで、その供給している施設も企業イメージアップとなり、清水建設にとっても非常に大きな宣伝効果に繋がります。
「損して得取れ」ではありませんが、再生可能エネルギーのデメリットに臆することなく事業を着実に進めることで、収益の大幅アップも期待出来ます。
地球に優しくイメージアップ、収益アップと、一石三鳥と言っても過言ではありません。
パリ協定を狙った戦略
清水建設の再生可能エネルギー100%は、パリ協定の発効を狙った1つのビジネス戦略とも言えるでしょう。
パリ協定というのは、2020年以降の地球温暖化対策を定めている国際的な協定であり、平均気温上昇を2度未満に抑えることを目的としています。
このパリ協定は世界各国で注目を集めていることから、いち早くその取り組みを行うことで清水建設としては顧客の確保に繋がります。
再生可能エネルギー100%の電力を提供するのは日本国内では初めての試みであることから、今後の動向に注目したいところです。
自社開発電源と買電
清水建設では、再生可能エネルギー事業で失敗しないために、自社開発の電源確保と他の発電事業者からの買電が必須となります。
既に水力発電やバイオマス発電などの自社開発電源を持っており、さらにクリーンな電力だけを提供している発電事業者から電気を調達しています。
これにより再生可能エネルギー100%を達成しているのです。今後、清水建設のBSP事業(施設運営管理サービス)が、より充実し、拡大していくことは間違い無いでしょう。
日本における再生可能エネルギーの重要性

世界的に見てここまで原発に依存している国は珍しく、先進国である日本は世界に先立って再生可能エネルギーの普及を進めていくべきです。しかし、先進国の中で最も再生可能エネルギーの普及が進んでいないのが今の日本です。
「世界に認められる日本」「世界が憧れる日本」を目指しているのにも関わらず、このエネルギー事情は全くの逆効果になってしまっています。
最先端の技術で世界を驚かせている日本なのですから、再生可能エネルギーの普及を進めるのは非常に重要性の高い課題です。
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再生可能エネルギーのメリット
再生可能エネルギー100%という言葉が注目されている理由は、いくつかのメリットがあるからです。
再生可能エネルギーの中で最も有名で代表的な存在と言えるのが太陽光発電ですが、太陽の光が地球を照らしている限り、半永久的にエネルギーとして使用出来るというメリットがあります。つまり太陽光発電でしたら、資源が枯渇するリスクが殆ど無いのです。
そしてもう1つの大きなメリットが「クリーンでエコロジー」だということで、化石燃料のように燃やす必要が無いため、温室効果ガスの発生が無くなります。
太陽光発電はもちろんのこと、バイオマス発電に関しても、燃焼の必要はありますが二酸化炭素の排出量は0になります。
再生可能エネルギーのデメリット
再生可能エネルギーのデメリットとしては、発電量が不安定だということが挙げられます。例えば太陽光発電は夜間に電力を作ることは出来ませんし、風力発電は風が吹いていなければ意味がありません。
また設置に広い場所が必要で、初期費用も高いというデメリットもあります。
このようにいくつかのデメリットもありますが、「背に腹は代えられない」ということで、クリーンとエコロジーを求める動きが加速しているのです。
国全体での再エネ100%は可能なのか

日本では新しい試みである清水建設の再生可能エネルギー100%ですが、日本国内全体が再生可能エネルギー100%を実現出来るのでしょうか。
国内で使用する電気を全て再生可能エネルギーにすることが出来れば、原発の恐怖に怯えることが無くなりますし、火力発電の大気汚染の心配も無くなります。そんな夢のような話が可能なのか考察していきましょう。
国内再エネ100%を目指す3つの条件
WWFの報告によりますと、2050年までに世界中の電力を再生可能エネルギー100%にすることは決して不可能では無いとのことです。 しかしそれを実現するためには、3つの条件が必要不可欠となり、当然私達日本も同様に取り組んでいく必要があります。
自然エネルギーの拡大
再生可能エネルギー100%を目指すためには、今よりもさらなる自然エネルギーを拡大しなければいけません。
考えられる自然エネルギーとして、太陽光発電、風力、水力、バイオマス、地熱などが挙げられ、これらを効率よく電気へと変える技術の進歩も同時に必要です。
現在のところ、日本で自然エネルギーに頼っているのは全体の5%弱に過ぎません。つまりまだまだ拡大する余地は十分にあり、まず最初は50%自然エネルギーに頼るところを目標とする必要があります。
大規模な節電
国や大手企業が先導した節電が必須であり、それに続き私達一般家庭でも十分な節電をしなければいけません。東日本大震災以降、確かに節電をする企業や家庭が増えてきましたが、再生可能エネルギー100%の達成には、まだまだ足りません。
業務や生活に支障を与えない範囲内で、大規模な節電を心掛けることが大切です。
「我が家一軒だけが節電したところで何も変わらないだろう」という考え方は大きな間違いであり、全世帯での節電が大きな第一歩になるのです。
段階的に原発の廃炉

原子力発電の恐ろしさは私達日本人が痛感していることであり、原則として新しい原発の設置は避けるべきです。そもそも原発というのは、一度設置したら寿命まで30年かかります。
つまり新規に設置するとなると、その設置費用を無駄にしないためにも、最低でも30年は稼働しておく必要があります。このことから新しい原発の設置は避け、既存の原発に関しても、順番に廃炉へと進めていかなければいけません。
⇒脱原発を促進する再生可能エネルギーの3つの理由
この段階的な原発の廃炉は、現在の日本における最優先課題と言ってもおかしくありません。原発がこの世から無くならない限り、永遠に再生可能エネルギー100%を実現出来ないのです。
いかがでしたでしょうか?
清水建設が提供する再生可能エネルギー100%の電力小売り事業は、日本の再生可能エネルギー普及に大きく貢献することとなるでしょう。
これまで政府から報告されている将来的な再生可能エネルギーの供給量は、40~60%程度です。専門家を交えての供給量目安ですから、再生可能エネルギー100%は夢のまた夢と思われるかもしれません。
そのように結論付けてしまえばどんなに簡単なことでしょう。政府の報告だからと言って、そこで思考停止してはいけません。「不可能なことだ」と決めてしまわず、技術先進国である日本が先導して「目標達成の方法」を世界に発信していかなければいけません。
その先駆けとして、清水建設の再生可能エネルギー100%が注目されているのです。
日本も再生可能エネルギー供給率upでさらに節電!一般家庭も電力会社切り替えで節電!
このように、まだまだ再生可能エネルギーの普及率が低い日本ですが、今回の清水建設の再エネ100%により普及率upへの期待が高まります。一般家庭でも再生可能エネルギーを導入できれば一番ですが、初期費用なども考えると難しいことが多いですよね。
今は電力自由化により、エコなエネルギーを重視した電力会社も増えています。そういった会社に切り替えるのもいいですし、それ以外にもお得なプランがあれば切り替えると節約になるかも。
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