あなたは急な停電への備えは万全ですか?

10月12日の都内で起きた停電はその規模58万戸以上に及ぶ大規模なもので、東京23区のうち、都心の新宿区をはじめとして7つの区に影響を与えました。停電もこれだけ大きな規模ともなれば、単なる停電というより、ブラックアウト(広域大規模停電)と言った方がふさわしいでしょう。
このところ地震をはじめ自然災害が多発しており、そのたびに停電が発生していますが、大都市の災害だと、今回の規模を上回るブラックアウトの発生も十分考えられます。今回の停電を機に、急な停電に対する備えを検討してみる必要があるのではないでしょうか。
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広域大規模停電の原因は?

東京電力によりますと、今回の大規模停電の原因は埼玉県新座市(にいざし)の地下に設置してある電力ケーブルの漏電によるものとされています。
幸い約1時間後の4時25分頃復旧しましたが、新宿、杉並、練馬、板橋、港、中野、北などの各区で計200ヵ所以上の信号機が止まるなど、道路交通に大きなの影響が出ています。影響は鉄道にも及んでおり、例えば西武鉄道の場合は12路線のうち、池袋線をはじめとして10路線が一時的に運転をストップしています。都営地下鉄、大江戸線も一時運行を停止しています。
今回は昼間の停電であったため、オフィスビルなどにも大きな影響が及び、国土交通省の発表によりますと、この停電でエレベーターに閉じ込められる事故が51件も発生しています。幸い救出が迅速になされたため、けが人は出ませんでした。
経済産業省は直ちに原因究明の立ち入り検査を行った
今回の大規模停電を受けて、経済産業省は直ちに原因となった新座市の現場で緊急立ち入り検査を行い原因究明に当りました。新座変電所では今回の停電の数日前の10月8日午後にも、変圧器の漏電が原因による短時間の電圧低下が起きていますが、同日の東電の話では「現時点では今回の停電との関係はわからない」とのことでした。
東京電力は停電の原因となった送電ケーブルの緊急点検を実施

10月12日の都内の大規模停電を受けて、東京電力は大規模停電の原因を送電ケーブルからの漏電による出火と見なし、同種ケーブルを使用しているエリアについて緊急点検を実施しました。14日に結果についての記者会見がありましたが、「調査全エリアでケーブに異常は見られない」と発表しています。
大規模停電の原因になった送電ケーブルとは?
東京電力は今回の大規模停電の原因を送電ケーブルからの出火と見なしていますが、この送電ケーブルは、「OFケーブル」という名の旧式タイプのもので、設置から実に35年も経過しています。
OFケーブルは電線の内側に絶縁油を流すパイプが施されいますが、パイプから染み出た油を遮断する絶縁紙が外側に巻かれて漏電を防ぐ構造になっています。今回はこのケーブルに何らかのトラブルが起こったか、あるいは経年劣化によって絶縁油が漏れ、漏電によるスパークで引火し、火災が起きたものと東電は見なしています。
東電は古いOFケーブルの交換を順次進めているが
東京電力は今回の停電の原因となった古いOFケーブルを新タイプのCVケーブルに交換する作業を順次進めています。
しかし旧式のOFケーブルは現時点で1500キロメートルも残っており、このうち火災の原因となった35年以上経過したものが3分の2の1000キロメートルもあります。
これらのケーブルのうち、東電はより高圧の27.5kvのOFケーブルを利用している71キロメートルのすべてを緊急点検を行いましたが、すべてに漏電の原因になるような異常は見られませんでした。
OFケーブルの火災防止のために防火シートの取り付けにも着手している
東電は今回の停電の原因になった古いOFケーブルの漏電を防ぐために、1000キロメートルあるものの内から、27.5kv級の高圧ケーブルを中心に防火シートの取り付けを進めていますが、2200あまりの予定箇所のうち、現在までに7割が完了しています。
しかし、今回火災を起こした新座市の場合は6本ある古いOFケーブルのうち、防火シートが取り付けられたものは1本だけで、残り5本については2021年までの取り付け予定となっていました。
経産省は今回の大規模停電を受け原因分析や関連テロ対策の特命チーム設置

経済産業省の世耕弘成大臣は10月12日に発生した都内58万戸以上に及んだ大規模停電を受け、独自の原因分析を行う特命チームを設置した、と発表しました。
この特命チームは単に原因究明だけに留まらず、2020年の東京五輪・パラリンピックの開催に備えた事故対策やテロなどへの犯罪対策も検討するとされています。
世耕大臣は「今回の事故が国民生活に与えた影響を踏まえると、省としてはやれることは前倒しでやる」と述べています。特命チームの構成は、事務次官、次官、局長級幹部、関係課の課長、室長など20人程度の構成になります。
チームはケーブル業者からの聞き取りから初めて、有識者などの意見を取りまとめて停電原因を分析し、11月下旬までに再発防止策を取りまとめ、すべての電気事業者に指示する方針を固めています。
「東京五輪控え困る!」、世耕経済産業大臣が東電社長を叱責!
10月12日に起きた東京都内58万戸以上に及ぶ大規模停電を受け、世耕経済産業相は東京電力広瀬社長を呼びつけて、大規模停電を起こしたことを厳しく叱責しました。
叱責理由は、「35年以上も同じケーブルを使い続けているにもかかわらず、年1回の目視点検しか行わず、ケーブルの劣化を見抜けず、それが停電の原因となった」という点です。
また「2020年の東京五輪を控え、2度と今回のような事態を引き起こさないように気を引き締めていただきたい」と再発防止も求めています。
自然災害が原因による停電が増えている

このところの地震多発に加えて地球温暖化の影響による大雨、台風など自然災害の発生が増えています。それに伴って増えるのが停電です。
東京ガスによれば2014年1年間だけでも、停電原因で最も多いのが地震も含めた自然災害で、年間約470回以上起こっており、停電全体の4分の1程度を占めています。
このところ地震をはじめとして、自然災害は年を経るほど増えていることを踏まえれば、今後大規模停電が起こる可能性は決して低いとはいえません。災害に備える準備には停電対策も忘れてはいけません。
⇒電力自由化になったら停電で大騒ぎに?
まとめ
おそらく「停電など滅多に起こることはないから心配はいらない」と思っている人が多いのではないでしょうか。しかしそうした方々も10月12日に都内で起こった大規模停電で考え方が変わったのではないでしょうか。なにしろ東京都心の7区、58万戸以上に影響を与えたのです。これからでも遅くありません。急な停電への備えが必要です。
停電への備えと一緒に電力会社の見直しで万全な対策を
最近は台風や地震などの自然災害が多く、急な停電の心配も増えてきました。まだ何も準備していないという方は、この機会に災害グッズなどを揃えておいてはいかがでしょうか。
また、今は電力自由化により自由に電力会社を選べる時代になっていますが、停電という観点から考えると大手の電力会社が安心ですね。電力の安定供給と電気料金の節約、両方を考えて電力会社を選ぶのがより賢い方法でしょう。東京電力など主要電力会社の中でもプランを変更するだけで大幅に電気料金を削減出来ることも。一度検討してみてはいかがでしょうか?
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