驚愕!水素燃料電池電車の2つのメリットとは?
ドイツでは2017年から、有害物質を排出しない水素燃料電池電車が運行されることになりました。鉄道ファンならずとも誰しもが注目すべきニュースです。この電車は、フランスのアルストム(Alstom)が世界で初めて実用化に成功した、水素燃料電池を搭載した電車で、2017年からドイツ国内で通勤電車として運用を開始します。走行時のCO2排出がゼロに抑えられるため、エコ列車として大きな注目を浴びています。
水素燃料電池電車のメリットとは?
水素燃料電池電車は、エコの観点から重要なメリットがあります。
1.水素燃料電池電車はCO2排出が少ない!
ドイツではいまだに電化されていない鉄道路線多く残っており、総延長距離約3万8000キロのうち46%が非電化区間です。現在でも4000両以上にも及ぶディーゼル車を運行しているだけに、燃料電池電車のポテンシャルは非常に大きいと見られています。
水素燃料電池電車は屋根に積んだタンクの水素と空気中の酸素を反応させることによって作られる電気で走るため、排出するのは水だけで、二酸化炭素(CO2)が発生しないことが大きな特長です。
したがって有害な排ガスやCO2を発生するディーゼル車から燃料電池車に切り替えることによって有害物質の排出はゼロになります。また再生可能エネルギーで水素を作れば100%CO2フリーの電車が実現できます。
このため、これまで電気の架線がない区間を走行してきたディーゼル車の代役としての活躍が大きく期待されており、ドイツ政府もアルストムに対して、開発と普及の後押しを続けています。
2.定員300人、最高時速140キロでディーゼル車と遜色なし
今回アルストムが開発に成功した水素燃料電池搭載電車は燃料になる酸素と水素タンク、それに燃料電池本体は電車上部に取り付けられ、電力とともに発生する水蒸気は外部に放出する仕組みになっています。この燃料電池車は水素満タン時の連続走行距離は600~800キロ、最高時速は140キロ、乗車定員は300人になっており、従来のディーゼル車に比べても性能の面では何ら遜色ありません。
2017年から、まずニーダーザクセン州(ドイツ北部)でに2台が導入され、その後2020年までには14台が配備される予定になっています。ドイツはこの車両の開発費の一部に800万ユーロ(9億円)を支援しています。
アルストムは今回のドイツの水素燃料電池電車以外にも米国鉄道会社アムトラック(Amtrak)にも新型高速車両を導入や、同じくカリフォルニア州にも高速鉄道車両の導入が有力視されており、世界中の鉄道で躍進を続けています。
ベルリンの国際鉄道技術見本市で大きな注目を浴びたアルストムの水素燃料電池電車

2016年9月にドイツのベルリンで世界最大規模の国際鉄道技術専門見本市(InnoTrans2016)が開催されました。もちろん日本からもJRが参加していますが、世界60ヶ国から3000にも及ぶ鉄道関連会社が参加した最大規模の鉄道見本市です。
この見本市で来場者から大きな話題を集めたのがアルストムの燃料電池列車「コラディア・アイリント」なのです。出席国の中でも特に熱心だったのはドイツで、ドブリント運輸相自らが初日に駆けつけ、「燃料電池電車は排ガスゼロでエネルギー効率も良く、コストパフォーマンス抜群」と絶賛していました。
ドイツの水素燃料電池電車とJR九州のDENCHAはどこが違うのか?
この記事のテーマはドイツの水素電池電車ですが、実は日本でも同じような蓄電池電車がすでに運行されています。
その電車とはJR九州が2016年10月から運行を始めたDENCHAと呼ばれる車両です。DENCHAとドイツの水素電池電車にはどのような違いがあるのでしょうか?以下相違点をまとめてみました。
JR九州のDENCHA
燃料 | リチウムイオン電池 |
---|---|
最高時速 | 120キロ |
走行距離 | 10キロ |
乗客定員 | 264名 |
燃料充填 | 架線から |
ドイツ水素燃料電池電車
燃料 | 水素燃料電池 |
---|---|
最高時速 | 140キロ |
走行距離 | 600~800キロ |
乗客定員 | 300名 |
燃料充填 | 車両基地 |
水素燃料電池電車を開発したアルストムはどんな会社?
アルストムはフランスのパリに本拠を置くAlstomグループの鉄道車両メーカーで世界の鉄道車両の2割強のシェアを有しています。
また世界有数の重量メーカーとして、傘下には発電機、ボイラなどの「アルストム・パワー」、送電事業の「アルストム・グリッド」などを擁しており、ドイツシーメンス、カナダのボンバルディアと並ぶ世界三大車両メーカーの一つとされています。
アルストムの車両を採用している世界の鉄道会社は次のようになります。
- イギリス国鉄
- ベルギー国鉄
- オランダ国鉄
- ドイツ鉄道
- スイス国鉄
- イタリア国鉄
- アムトラック(米国)
- 韓国高速鉄道
- 中国高速鉄道など
これだけの国でアルストムの車両が採用されていますから、今後ドイツだけでなくこれらの国でも水素燃料電池電車が走ることになるのも夢ではないでしょう。
まとめ
地球温暖化防止のために乗物のCO2削減が次第に進んでいますが、自動車、飛行機に加えて、このところ電車にもそうした動きが加速されてきました。2017年から世界で初めてドイツで運行を始める水素電池電車もそうした動きの一つです。
今後、ドイツだけでなく世界中でこのような電車が運行され、電車によるCO2などの有害物質の発生がゼロになる日もそう遠くないでしょう。
水素燃料電池電車は地球に優しい電車。私たちに出来るエコ、電力の節約もエコにはなりますが…
水素燃料電池電車は走行時のCO2など有害物質の発生がゼロで、ディーゼル車に比べて格段に地球に優しい電車です。エコを重視する動きは世界中で広がっており、私達も日々の暮らしの中で、水や電気を節約しようという意識が高まっています。水や電気の節約は地球に優しいだけでなく、料金節約にもなるため一石二鳥ですね。
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