電力会社を乗り換える方法とチェックすることとは?

乗り換える前にチェックしておくべきこと
電力自由化によって、新電力の会社に多くの人が乗り換えるでしょう。しかし、これに伴って多くのトラブルが発生することが考えられます。ここでは、新電力の会社に乗り換える前にチェックしておくべきことについてご紹介しましょう。
現在の電気料金
「電気料金が安くなると考えて新電力の会社に乗り換えしたが逆に電気料金が高くなった。」ということが実際に発生します。特に、電気料金が、オール電化プランや一人暮らしの場合には上がる場合が多くあります。
また、非常に電気を多く使用しなければ、乗り換えする前より電気料金が安くならないという場合もあります。申し込みする場合は、自分で実際に使用している電気料金を見て一度計算してみましょう。
解約する際の条件チェック
必ず解約する場合の違約金は、チェックしましょう。解約する場合に違約金がかからない新電力の会社も多くあり、1000円~3000円程度で解約できるところが多くあります。しかし、10000円をオーバーするところも中にはあるため注意が必要です。
特に、期間が決まっている「2年契約」というプランやセット割引のプランの場合には、必ずチェックしましょう。解約する際の条件が、あまりにも厳しい新電力の会社とは契約しないようにしましょう。
契約する際の事務手数料チェック
工事費用など、一切イニシャルコストが要らない新電力の会社が非常に多くありますが、契約する際に事務手数料を取っているところも中にはあります。手数料としては3000円程度が多くありますが、トラブルが後から発生するのを防止するためにも、チェックを事前にしましょう。
詐欺に注意
イニシャルコストや違約金の相場は、先にご紹介した金額程度です。この相場を遥かにオーバーする額を求められた時は、詐欺の疑いあります。この場合には、近くの消費生活センターなどに相談しましょう。
電力会社の乗り換えの流れ
新電力の会社を決めて申し込む
乗り換える新電力の会社を、電気料金プランなどを比べながら決めます。乗り換える新電力の会社が決まれば、電話やネットなどで乗り換えるところに申し込みします。申し込みに際しては、現在契約している電力会社から月々送られる「検針票」が必要となるため事前に準備しておきましょう。
なお、新電力の会社に乗り換えることを、それまで使用していた東京電力などの地域の電力会社に連絡する必要はありません。そういった手続きは、新しい電力会社が行います。
スマートメーターに交換
従来使用していた電力メーターを、新しいスマートメーターに交換する必要があります。交換するのは、無料です。立会も必要ありません。なお、スマートメーターへの交換に関しては、4.スマートメーターへの交換のところで詳しくご紹介します。
ほとんどの場合、一時的な停電など無く、新電力の会社にそのまま乗り換えができます。乗り換えが完了すれば、連絡が新電力の会社からあります。
乗り換えのときに準備するもの
申し込みする場合に準備するのは、検針票程度です。契約を新しくする新電力の会社に「地点番号」について伝えることが必要です。この地点番号は、お客様番号とは異なって、検針票に2016年1月から書かれている22桁のものです。そのため、2016年1月以降の検針票を準備しておきましょう。
また、契約がすでに終わっているケーブルテレビやガスなどとのセット割引プランを利用する場合は、お客様情報としてこのようなサービスのものも必要になります。例えば、申し込みをガスとのセット割で行う場合は、ガスの検針票も事前に準備しておけば、手続きがスムーズにできます。
乗り換える際のイニシャルコスト
電力自由化によって、自由に電力会社の乗り換えができるようになります。しかし、乗り換えの場合には、いくらイニシャルコストがかかるのか、心配に思っている人も多くいるでしょう。ここでは、新電力の会社へ乗り換える際に必要な費用についてご紹介しましょう。
事務手数料は?
「契約事務手数料」が、携帯電話を契約する際に必要なことがあるでしょう。このような事務手数料が、新電力の会社に乗り換える際も必要になることがあります。手数料の価格としては3千円程度のところが多くあります。手数料が必要ないところも多くあり、キャンペーン中で一時的に無料となっていることもあります。
工事費用は?
新電力の会社に乗り換える際、先にご紹介したようにスマートメーターに電力メーターを切り替える工事が必要な場合があります。しかし、このような工事の場合でも、工事費用を利用者が基本的に負担する必要はありません。切り替えは、無料で行ってくれるため安心です。
新しいスマートメーターを設置するところが無かったり、スマートメーターに切り替えると壁が壊れたりする場合は、費用がかかるケースもあるようです。しかし、基本的にスマートメーターへの切り替えは、無料であると思っても問題ないでしょう。
このように、イニシャルコストはほとんどの新電力の会社では必要ないか、あるいは必要な場合でも数千円くらいです。もし、イニシャルコストとして、何万円も必要である業者があれば、詐欺の恐れがあります。今後は、間違いなく電力自由化による詐欺が発生するため、両親などが離れて暮らしている場合などは注意してあげましょう。
スマートメーターの費用は?
電力会社を乗り換える場合は、契約するところを形式的に換えるのみであるため、今までと同じように電気は電線を通じて送られてきます。そのため、電線を新しく引き込むような工事の大掛かりなものはありません。
しかし、スマートメーターへ交換することが唯一必要になります。交換作業については、特殊なケースを除いて無料で行ってくれるため、工事のための費用は、必要ではありません。ここでは、スマートメーターへ交換することについて、さらに詳しくご紹介しましょう。
電力メーターをスマートメーターに交換する場合には、ほとんどの場合は立会が必要ではありません。また、停電が工事をする際に起きる場合もありません。工事をする際に、電気を止めることも稀にあるそうですが、停電する時間はせいぜいこの場合でも5分くらいです。
新電力の会社に乗り換えしたいと思っている人の中には、賃貸マンションに住んでいる人もいるのではないでしょうか。賃貸マンションの場合には、戸建てと違ってスマートメーターへ交換する場合には心配かもしれません。
でも、安心してください。賃貸マンションに住んでいる場合でも問題ありません。許可を管理会社や大家さんにもらう必要もありません。また、原状復帰は賃貸マンションを引越しする場合でも必要ありません。電力メーターは、基本的に電力会社の持ち物であるため、とやかく大家さんが言うことはないでしょう。
また、電力メーターは、交換が定期的に必要であるため、「電力メーターをスマートメーターに交換します」と言われると断るようなことはないでしょう。基本的には、スマートメーターの交換の連絡が大家さんにいかない場合が多いそうです。
スマートメーターは、新電力の会社に乗り換えるごとに交換するのでしょうか?
電力自由化が進んでくると、数年ごとに電力会社を乗り換える人が多くなるでしょう。この場合に心配なのは、スマートメーターを乗り換えするごとに交換する必要があるかです。しかし、心配ありません。スマートメーターに一旦交換すると、そのままの状態で寿命になるまで交換の必要がありません。
ちょっと話は難しくなりますが、電力メーターは地域の電力会社である東京電力などの所有物になっています。電力自由化で新電力の会社に乗り換えした場合でも、従来と同じように自宅の電力メーターは地域の電力会社の所有物になります。
新電力の会社の役目は、電気を発電したり、供給したりするだけを持っていることで、「送配電」という電気をそれぞれの家庭に送り届ける機能はありません。地域の電力会社が、この送配電のところは引き続いて担当するようになっています。
そして、それぞれの家庭の電力メーターは、送配電の一部の機能であると見なされています。電力会社の全てが送配電の機能は共用しているものであるため、新電力の会社に乗り換えした場合でも電線やスマートメーターを変更する必要はありません。
一気にスマートメーターの交換が、電力自由化によって進んできます。特に、東京電力の管内では新電力へ切り替える件数が多くなり、スマートメーターに交換する作業が遅れる恐れも想定されます。
しかし、電力自由化が始まった当初は、新電力の会社に乗り換える場合に、スマートメーターに交換されていない場合でも認可されるようになっていました。そのため、スマートメーターの交換については一切気にしなくても問題ありません。
乗り換えは賃貸マンションや賃貸アパートでも選択できる
自分の場合は賃貸マンションであるため、新電力の会社に乗り換えができないのではないか、電力自由化というのは持ち家の場合のみが対象ではないか、と考えている人も多くいるのではないでしょうか。ここでは、賃貸マンション・賃貸アパートに住んでいる人が、新電力の会社を選択するケースについてご紹介しましょう。
基本的に、賃貸マンションや賃貸アパートに住んでいる人でも、自由に電力会社を選択することができます。イメージとしては、ネットのプロバイダーが分かりやすいでしょう。ネットが既に利用できる物件であれば、自由に賃貸マンションに住んでいる人がプロバイダーは選択できます。
許可を大家さんや管理会社にもらう必要はないでしょう。新電力の会社の場合もこれと同様で、そのまま既に設置されている電線を使用するため、工事の大掛かりなものは必要ありません。電線を流れてくる電気を供給する電力会社が変更になるのみであるため、許可などは特に要りません。
新電力の会社に乗り換えする場合に、スマートメーターへ交換する必要がありますが、先にご紹介したように、電力会社の所有物にスマートメーターはなり、電力メーターを交換する作業そのものも定期的に実施されていることであるため、特に問題になる場合はありません。
なお、新電力の会社に乗り換えしない場合でも、東京電力の管内であれば、スマートメーターに全ての電力メーターが2020年までに切り替わります。
数十戸の賃貸マンションや賃貸アパートを都内で所有している人の話によると、勝手にスマートメーター
の交換などは行っているのか、連絡があったケースは無いそうです。このようなことから、許可を大家さんや管理会社からもらう必要はなく、退去する際も原状復帰の必要もありません。
基本的に、賃貸アパートや賃貸マンションでも自由に新電力の会社を選択することができるようになります。しかし、条件によっては、次にご紹介するように新電力の会社に乗り換えすることが不可能なケースもあります。
受電契約が一括になっている場合は ?
しばしば規模の大きな分譲マンションの場合にあるケースですが、電力自由化になる前に新電力の会社とマンションで一括で契約している場合があります。このような一括で契約しているケースでは、自由にそれぞれの家庭が新電力の会社を選択することができない可能性があります。
一括で契約する方がお得になることも多くあるため、一律に損になるとは必ずしも言えませんが、自分で新電力の会社を選択することができないのは残念でしょう。
一括で大家さんが電気料金を集めている場合は?
最近はそれほど多くないでしょうが、電気料金を大家さんが集めている古い賃貸アパートもあるようです。このような場合は、新電力の会社を自分で選択することはできません。