ガス代を早収料金で支払えば3%お得になる仕組みとは?

ガスの早収料金とは、読んで字のごとくガス料金を早く支払うための料金システムです。つまり、その月のガス使用量の検針による料金の請求があってから、最初の締切日までに支払うのが早収料金です。それに対して遅収料金とは、早収料金の期限が過ぎてから支払う料金です。このように、ガス料金は支払期日によって早収料金と遅収料金に分けられているのです。
早収料金と遅収料金は支払期限が異なる
ガス代の早収料金と遅収料金は支払期限が異なります。ガス会社によって若干の相違はありますが、一般的には次のようになっていることが多いようです。
早収料金の支払期限 | 検針日の翌日から20日以内 |
---|---|
遅収料金の支払期限 | 早収期限の翌日から30日以内(検針日の翌日から日以内) |
遅収料金は早収料金より高くなる

何の支払でも期限を過ぎると延滞利息がかかりますが、ガス料金も同じで、早納期限を過ぎて遅収料金になると3%の割増になります。つまり早収料金なら10,000円で済むものが、遅収になると10,300円になるのです。たとえ300円の違いとはいえ、年に換算すると3,600円にもなりますから、節約の観点からは見逃せない金額です。
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遅収料金の割増分は翌月分以降に加算して支払う
早収期限を過ぎて遅収料金になっても、その月の支払時は早収料金での支払いになり、割増分は翌月以降の早収料金に加算されます。
したがって
割り増し料金が繰り越された月の請求額=早収料金+前月の遅収割増分
になります。
ガス料金に早収と遅収の区分があるのは、早めの支払を促すため
ガス料金をあえて早収料金と遅収料金に分けているのは、なるべく早く支払うのを促すためです。20日以内という期限を設けて、それを過ぎると3%の割増がつく遅収料金になることをユーザーに知らしめ、早収のメリットを認識させるのです。ユーザーとしては「3%も安くなるのなら、早収期限内に払ってしまおう」という気になるのです。
実際には早収料金には何の割引もないのですが、ユーザーは遅収料金の3%割増と比べることによって、早収が割引になるような錯覚を抱くのではないでしょうか。
遅収料金を期限内に支払わなかったらどうなるのか?

ガス代の早収料金についてはよく分かりました。では、早収期限の過ぎた遅収料金を期限内に支払わなかったらどうなるのでしょうか。50日以内の支払い以外に他の支払方法はあるのでしょうか?この答えとしては、ズバリ、これ以外の支払方法はありません。
ガス料金は50日以内に支払わないとガスが止められる
ガス代の支払には、まず検針日の翌日から20日以内に支払う早収料金があり、さらにその後、30日以内の合計50日の支払猶期間がある遅収料金があります。したがって最大の猶予期間は50日間で、これ以外の猶予は認められません。
したがって50日間を過ぎて待っているのはガス供給停止だけです。そうなると大変です。ガスを止められたらお風呂に入ることもできなくなるのですから。
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ガス代で損をしないためには、確実に早収料金で支払うこと
そもそもガス代で高い割増金のついた遅収料金を支払う羽目になる原因は何にあるのでしょうか?これに対する応えはハッキリしています。支払方法を振込に頼っているからです。
つまりガス会社から届けられる振込用紙を使って、毎月コンビニなどで支払う方法です。今ではいたるところにコンビニがあり、しかも24時間いつでも開いているため、一見この方法は便利に思えます。しかしいつでも行けるだけに、つい安心して、明日、明日と思ってしまい、気がつくと早収期限をオーバーしてしまうことがあるのです。
20日感の期限は長いようでも実際は短いもので、あっというまに過ぎてしまいます。その結果、割増金のついた高い遅収料金で支払う羽目になるのです。
⇒高いガス料金を安くする方法まとめ
失敗しないガス代の支払は口座引落しがいちばん
少しだけ支払が延びただけで割増金を支払うのは実にもったいないことです。
口座引落しにすると、支払日を忘れても心配ないだけでなく、支払金額は振込より安くなります。それは口座振替にすると月に54円の口座振替割引があるからです。54円と言っても年にすると600円以上になります。
なおクレジットカード払いもありますが、これには割引が適用されませんから、やはり口座振替の方がおすすめです。これまで振込で支払いをしてきた方は、なるべく早く手続きをするのが得策です。
ガスの早収、遅収料金制度は次第に見直されてきている

早収や遅収料金の制度はガス会社が長い間採用してきたものですが、一部ではこれを見直す動きが出てきています。都市ガス業界最大手の東京ガスや大阪ガスでは、もう随分前からこの制度を廃止して、新しく遅延利息制度を導入しています。
新しい制度では、検針日翌日から30日間の支払期限に遅れたものに対しては、遅延利息を課す方法に切り替えたのです。遅延利息は1日あたり0.0274%で、年率に直すと約10%になります。
この見直しによって、東京ガスや大阪ガスに限って言えば、もはや早収や遅収料金という用語は存在しません。これら大手2社に限らず、今ではこのシステムを採りいれているガス会社は少なくありません。
ガス自由化になっても早収料金は変わらないのか?
いよいよ2017年4月からガスも全面的に自由化されます。自由化されるとガス小売市場が自由競争になり、多くの新規業者が参入してきます。
そうなると、まず始まるのが価格競争です。新規参入業者は顧客獲得には料金割引が最も効果的と考えるため、あの手この手の割引料金でガス契約の切換えを迫ってきます。とはいえ、これまで長い間都市ガス市場を支配してきた大手ガス会社がこれを黙って見過ごすはずがありません。
当然ながらこちらの方もいろいろな手を使って、新規業者への切換えを阻止しようとするに違いありません。そうなると過去の料金システムばかりにこだわってはいられません。
ガス自由化で早収料金が見直されるかも
ガス自由化の結果、料金システムの見直しが始まります。その見直しのプロセスで早収料金も対象になるかもしれません。つまりこれまでにはなかった早収料金に対する特別割引が設けられるかもしれないのです。
これまでは遅収料金の割増に対比させて、お得感を持たせていましたが、期限内に支払えば何パーセント割引という風に、割引額を設定するのです。
こうした割引制度は今の段階ではまだ現れていませんが、今後出てくる可能性は十分あります。ガス自由化はガス料金見直しのまたとない機会ですから、こうした点も注意深くウオッチして、チャンスを逃さないようにしなければいけません。
まとめ
公共料金には遅延利息がつかないと思ってはいませんか。ガス代はれっきとした公共料金ですが、早収料金と呼ばれる検針日の翌日から20日以内に支払わないと、3%の割増金のついた遅収料金が請求されます。こうなると月10,000円のガス代が10,300円になりますから、1年にすると3,600円も損します。
ガス代は早収料金で支払わないと損をする!
ガス代には公共料金ですが利息が付かないとは限りません。利息が付かないのは、検針の翌日から20日以内に支払う早収料金で、利息がつくのは20日の期限を越えて支払う遅収料金の場合です。両者の支払金額の差は次のようになります。
ガス代の支払金額の差(月額10,000円の場合)
月額 | 年額 | |
---|---|---|
早収料金 | 10,000円 | 120,000円 |
遅収料金 | 10,300円 | 123,600円 |
ガス料金はなるべく早く振り込むか、口座振替にして確実に期限内に支払うように注意しましょう。