ガス衣類乾燥機のガス代を計算してみた!!

ガス衣類乾燥機、名前だけ聞くと耳馴染みがない人はまだ多いと思われます。これは、その名のとおりガスを使って衣類を乾燥させる機械です。コインランドリーを利用したことがある人は多いと思いますが、実はあそこで利用されているのはほとんどがガス乾燥機なのです。ガス衣類乾燥機と聞いて、おそらく多くの人がイメージするのは、ガス代が高いのではとか、乾燥に時間が長くかかるのでは、などではないでしょうか。
でも、これに対する答えは、いずれもノーです。なぜなら、そうしたイメージに反して、かかるガス代は決して高いとは言えず、所要時間も他の乾燥機より短くてすむからです
こんなに安くすむ! 意外と安いガス衣類乾燥機のガス代
高くつくのでは?と多くの人がイメージするガス衣類乾燥機のガス代ですが、実はそれとは裏腹に、意外と安いガス代ですむのです。例えば、人気商品のひとつであるリンナイ(Rinnai)の「はやい乾太くん」という商品を例に挙げてみますと、都市ガスの場合の標準コースでのガス代は
3キロタイプ | 約23円(約50分) |
5キロタイプ | 約52円(同) |
になります。なお、プロパンガスの場合は各々が52円、92円になります。
これ以外にエココースがあり、ガス代は10%安くなりますが時間が倍近くかかります。なおガス代のほかに、3キロタイプでは4円、5キロタイプでは5円の電気代がかかります。
ガス衣類乾燥機は乾燥時間で洗濯乾燥機に大きく差をつけた
衣類乾燥機には、ガス乾燥機以外に電気を熱源にする洗濯乾燥機があります。ここではガス衣類乾燥機と比較するために、種類別にその電気代と乾燥所要時間を見てみましょう
機種タイプ | 乾燥容量 | 電気代 | 乾燥時間 |
---|---|---|---|
ヒーター乾燥タイプ縦型 | 4.5kg | 約50.7円 | 約189分 |
ヒーター乾燥タイプドラム式 | 6kg | 約48.7円 | 約150分 |
ヒートポンプ乾燥タイプドラム型 | 6kg | 約23円 | 約98分 |
いかがでしょうか。これでお分かりのようにヒートポンプ型以外のコストはガスとほぼ同じですが、乾燥所要時間の方は実にガス乾燥機の2倍以上になっています。これだと総合的な経済性では、ガスのほうに軍配が上がるのは明らかです。
ガス衣類乾燥機を浴室乾燥機と比べてみると
浴室乾燥機の本来の目的は風呂場のカビなどを防ぐためのものなのですが、その高い乾燥効果を使って洗濯物を乾燥させることもできます。しかし燃料費や、乾燥所要時間のほうはどうなのでしょうか。ここでは、電気とガス両方の浴室乾燥機の燃料費と乾燥所要時間を見てみましょう。
浴室乾燥機のコストと所要時間
電気浴室乾燥機
コスト(燃料費) | 所要時間 |
---|---|
電気代125円 | 140分 |
ガス代58円(都市ガス) | 140分 |
ガス浴室乾燥機
コスト(燃料費) | 所要時間 |
---|---|
132円(プロパン) | 70分 |
これで分かるようにガスの場合は都市ガスでのガス代は電気代を大きく下回り、所要時間では半分も短くなります。
5kgの洗濯物の費用と乾燥時間を乾燥機別に比較すると
次の表は5kgの洗濯物の費用と乾燥時間を乾燥機の種類ごとにまとめたものです。
乾燥機別費用と乾燥時間比較表
機種タイプ | コスト(燃料費) | 乾燥時間 |
---|---|---|
ガス衣類乾燥機 | 約40円 | 約50分 |
洗濯乾燥機(ヒートポンプドラム型) | 約23円 | 約98分 |
洗濯乾燥機(ヒータードラム型) | 約48.7円 | 約150分 |
洗濯乾燥機(ヒーター縦型) | 約50.7円 | 約189分 |
ガス浴室乾燥機 | 約58円 | 約70分 |
電気衣類乾燥機 | 約92円 | 約180分 |
浴室乾燥機(電気) | 約125円 | 約140分 |
この表を見てどんな点ににお気づきでしょうか?まずはっきり分かったのは、乾燥所要時間ではガス衣類乾燥機が最も早く、コストの面ではドラム型ヒートポンプ洗濯乾燥機(最新式)が最も安いという点です。とはいえ、この表では分からないのですが、ガス衣類乾燥機と洗濯乾燥機にはこの他にも大きな違いがあります。
それは、耐用年数です。洗濯乾燥機はホコリが詰まることなどが原因の故障がよく起こるため、3年程度でヒートポンプなどの部品交換が必要になります。したがってメンテナンスに、手間がかかります。
一方ガス衣類乾燥機のほうは、構造がシンプルなため故障が少なく、場合によっては10年以上使い続けることもできます。これから分かるように、毎日使うというように、使用頻度が高い場合はガス衣類乾燥機は最も適しています。
こうして使うとガス衣類乾燥機のガス代が節約できる
これまでの説明でガス衣類乾燥機は、乾燥時間の点で他の乾燥機より圧倒的に優れていることがよく分かったと思います。でも、乾燥機に必要なのは乾燥時間が早いことだけでなく、コストも面も大切です。ここではガス衣類乾燥機を上手に使って、ガス代を節約する方法を見ていきましょう。
まとめて乾燥させるとガス代がうんとお得になる
何ごとも、まとめてやると効率がよくなるのは常識ですが、衣類の乾燥も例外ではありません。実は資源エネルギー庁がこれについて調査しているのですが、容量5kgの乾燥機に2日に1回、8割程度の衣類を入れて乾燥させると、同じ量を4割づつ2回に分けて毎日乾燥させるより、年間で41.98kwhの節約になるという結果が出たのです。
これをガス衣類乾燥機にあてはめると、都市ガスでは約510円節約できることになります。これで分かるようにガス衣類乾燥機の場合は容量に対する衣類の量が少なすぎると不経済になるのです。また多すぎると乾きにムラができたり、機械に無理が生じて故障の原因になることもあります。したがって、節約を目指すのなら乾燥容量の8割~10割の洗濯物を入れることが大切です。
フィルターの定期的な掃除がガス代の節約につながる
フィルターがついている電化製品といえばエアコンがありますが、乾燥機にも同じようにフィルターが付いています。それも機種によっては、二つ付いている場合もあります。別項でも例に挙げたリンナイの「はやい乾太くん」というガス乾燥機がそれにあたり、糸くずフィルターと吸気フィルターの二つが付いています。
この両方とも定期的な掃除が必要になりますが、特に糸くずフィルターの場合は、使うたびに毎回の掃除が必要です。もう一つの吸気フィルターの方は、月に1回行えばじゅうぶんです。もし、フィルターの清掃を怠れば3~5回使用した後では乾燥効率が5~7%も下がることになります。乾燥効率が落ちれば乾燥時間が伸び、それだけガス代が多くかかることになります。
仮に乾燥時間が5分伸びると、1日あたりガス代が5円増え、年間では1,625円も余分にかかることになるのです。これを知ると、フィルターの掃除が節約につながることがよく分かるはずです。また、フィルターの掃除を怠ると、乾燥機の加熱がひどくなり、火事の原因になることもあります。
まとめ
ガスはコストが高くつくと思われがちです。それはガス衣類乾燥機にもあてはまり、多くの人が電気を使ったときよりも高くつくのでは、と思っています。しかし、実際はそうではありません。この記事ではガス衣類乾燥機を他の乾燥機と比較することによって、コストの安さや乾燥時間の短さを証明しています。