電力の完全自由化は目の前!発送電分離の実施はどうなる?

電力の完全自由化は目の前
2016年4月から一般家庭や商店といった、50kW未満の「低圧」部門も電力小売の対象となり、これによって全面自由化がおこなわれることになります。この全面自由化を控え、電力事業には北海道電力や東京電力、九州電力といった既存の大手電力会社(一般電気事業者)以外の新たな電力会社、いわゆる「新電力(PPS)」(特定規模電気事業者)の参入が話題となっています。
新電力には大手企業もベンチャー企業も混在
2015年5月の段階で、資源エネルギー庁に届け出された新電力の数はおよそ660社。メジャーなところでいえば富士フイルムやパナソニック、オリックスや丸紅といった企業がすでに新電力として登録を済ませています。もちろん、新電力として活動しようとしているのは大手企業ばかりではありません。660社のうちの約3割は、設立後4年以内のベンチャー企業が占めています。
そもそも電気というものは発電所でつくられるわけですが、オフィスや工場、家庭といった利用者(需要家)へ電気を届けるためには送配電網が必要です。
ベンチャー企業はもちろん、たとえ大企業であっても、新たに電柱を立てたり電線を張りめぐらせたりすることは資金的、時間的に無理がありますし、すでに日本の隅々にまで電気を送り届ける設備があるわけですから、社会的にも無駄だといえるでしょう。
発送電分離ってなに?
そこで政府は新電力が大手電力会社の送配電網を利用することを認めることにしました。それによって新電力は送配電網を整備することなく、容易に電力を確保したり、需要家へ送電したりできるようになるわけです。
しかし、送配電網を利用するために不当に高い料金を取られたりすれば、新電力の価格競争力は失われ、せっかくの自由化も意味がなくなってしまいます。
したがって大手電力会社も、新電力も、同じ条件で送配電網を利用できなければなりません。そこで大切となってくるのが、「発送電分離」という考え方です。これは、大手電力会社の送配電部門を、これまでのように大手電力会社の一部として機能させるのではなく、別会社として切り離して経営させることです。
発送電分離は2020年4月からスタートが決定
6月17日の参院本会議で「電気事業法」の改正案が可決され、大手電力会社に送配電部門の分社化を義務づける「発送電分離」は、2020年4月1日から実施されることが決まりました。
これによって大手電力会社の地域独占は完全に崩れ、多彩な電気事業者が電気を自由に売ったり買ったりできるようになります。
この発送電分離においては、大手電力会社が分離した送配電会社に、人事などで介入することも禁じています。つまり、送配電部門の独立性を高めることで、どの事業者も同じ条件で利用できるようにするわけです。
自由競争への大きな弾みとなる発送電分離
大手電力会社はこれまで発電から送配電、小売までを一括しておこなえるという強みがありました。しかし、発送電分離後は新電力と同じように、別会社へ送配電網を借りることになるため、価格競争はさらに進むだろうとみられています。
このように政府はさまざまな方策をとって、電力の自由化をより公平で公正なものにしようとしています。これからどんな競争がおこなわれ、どんなサービスが新たにはじまるのか。わたしたちにとって身近な電力だけに、その動きに目が離せなさそうです。
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