『家庭で発電』電気の無駄を「減らす」節電から「作る」節電へ

家庭内において毎月気になる電気代。「去年の同じ月と比べて電気代が上がっている」「電気料金を節約したい」「電化製品を買い替えた方がいいのか」「家族が増えたことで電気の使用量が増えた」など、家庭を預かる主婦にとっては日々の生活と電力は切っても切り離せない存在になっていると思います。
“電源プラグをコンセントから抜く“とか”テレビを主電源から切る“などの家庭内の節約方法については、テレビやインターネットなどの各メディアで様々な情報が発信されていますが、そろそろ限界がきている方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな方々にも必見の、“自宅で発電して節電する“という次のステップに関する最新事情について注目してみました。
太陽光発電
“自宅で発電する”と聞いて一番真っ先に思いつくのがこの「太陽光発電」ではないでしょうか。一般家庭の屋根の上に太陽光発電パネルが設置されているのを良く見かけます。
最近では、屋根の上だけでなく、車の車庫の上や、空いている土地に敷き詰めて設置してある施設なども見られており、さらなる発展と普及が見込まれています。
初期導入費用はどのくらいかかるのか?
一般家庭に太陽光発電システムを設置する際、使用するパネルや種類・設置面積・屋根の種類・傾斜、選定する業者などの様々な条件によって価格は変わってきますが、相場感としては一般的に200万円~250万円くらいの金額をよく耳にします。
住宅用の設置費用においては、価格の内訳として「パネル代:50%、工事費用:20%、パワーコンディショナー:15%、架台:10%、接続費用:5%」のような比率となっています。
実際は、自宅の状態を見て見積もりしてもらうのが一番早い方法ですが、おおよその価格を知りたい場合は、ネット上で一括見積ができるサイトもあるので活用してみるのも良いでしょう。
効果はどのくらいあるのか?設備投資分は回収できるのか?
どのくらいの効果(発電量と節電効果)があるかは、設置状況や日照時間などによって変わってきますので、確実に言い切ることはできません。
日本国内の地域によっても晴れが多いところもあれば、雨や曇が多い地域もありますし、日照時間(1日の日の長さ)についても違いがあります。
例えば、一般家庭で現在1万円/月程度の電気代がかかっていたとして、太陽光発電ですべての電力を賄えるとした場合には12万円/年の電気代が節電できる計算となり、初期設置費用を回収できるのは約20年後になると予想できます。
ただし、実際のところは電気を賄うだけでなく発電で余った電力を売電することができるため、上記のケースでも20年もかからないと想定できます。
現在、売電価格は年々下がっている傾向であり、売電価格は10年間固定されることになっているため、早めの導入がお得になるという状況です。
蓄電式太陽光発電システム
引用元:NAVERまとめ
一般的な太陽光発電システムでは、発電した電力を蓄積することができないため、すぐに家庭内で使用するか、電力会社に電気を売却するかしなくてはなりません。
それらを解消するためには、蓄電池を設置する方法があります。蓄電池を設置すれば、太陽光発電で発電した電力を余すことなく使うことができ、また、地震などの災害時にも使用できるため非常にメリットが多くなります。
蓄電式太陽光の特徴
太陽光発電にはなかなか手が届かないという方や、マンション住まいの方でも節電ができる独立式の蓄電式太陽光発電システムがあります。
約10万円程度~50万円程度で設置できるタイプもあり、発電パネルと蓄電池がセットになっており、設置方法もマンションのベランダに置くだけの簡単設置であるため費用もかからないため気軽に節電できます。
蓄電式なので、昼間に充電した電力を夜間に利用するなども可能、もちろん災害時の停電でも電気が利用できるため、一戸建てではない方や予算的に屋根の設置を迷っている方にいいかもしれません。
家庭用電源から充電することも可能なので、料金が安い夜間の電力を使って蓄電しておき、昼間に使用するなど賢く節電できます。
ソーラー充電器
太陽光を利用して充電し、電化製品を利用できる機器がいくつか登場しています。携帯電話やスマートフォンと接続して充電することができる製品、携帯式のLEDライトにソーラーパネルがついていて電気を発電できる製品などがあります。
太陽光発電システムの導入と違いささやかな節電方法ではありますが、こちらは低予算で即日家庭で始められるものであります。
ガスエンジン発電
太陽光発電だけでなく、家庭用の発電設備にガスエンジンコージェネレーションシステム(エコウィル)と言われているものがあります。エコウィルは、都市ガスを使って発電し、その時に発生する熱でお湯を沸かしたり暖房したりする家庭用のシステムです。
電気代の削減
エコウィルを導入することで自宅での発電ができるようになります。それにより家庭での電気料金はどれほど節約ができるのでしょうか。
発電所で発電した際の熱などのエネルギーはすべて消費することができないため効率が悪く、最終的に使用する家庭で発電することで効率良くエネルギーを使うという発想です。
実際の電力会社から購入する電気料金の約4割程度をエコウィルの発電量で賄えると言われています。
家庭での光熱費で考えると、エコウィルはガスを利用して発電することから逆にガスの使用量が上がりますが、電気料金の削減によって、トータルでの光熱費は下がると想定されます。
電気料金・ガス料金の試算
一般家庭でエコウィルを導入した場合に、実際電気料金やガス料金がどうなるのかは、やはり見積もりをしてもらうのが一番です。
気軽に試算したい場合はインターネットのホームページ上で、「ガス料金シミュレーション」「電気料金シミュレーション」が計算できるものがありますので、一度検討してみるとよいでしょう。
家庭用燃料電池(エネファーム)
ここ最近急速に拡大し始めている家庭用燃料電池「エネファーム」。日本国内では震災からの影響で、一般家庭でもかなりの省エネ・創エネの意識が高まっています。
住宅メーカーもこういった動きを察知して各種設備を住宅に標準装備するものが出始めています。
家庭用燃料電池の初期費用
こういった動きの中で、家庭用燃料電池も話題性が高まっていますが、初期投資にかかる費用はどのくらいかかるのでしょうか。
発売当初に比べて下がってきてはいますが、それでもエネファームは270万円程度と非常に高価になっています。ただし、太陽光発電と同様に自治体の補助金制度などをありますので、うまく利用しましょう。
家庭用風力発電
節電のための自家発電方法としては「風力発電」もあります。太陽光発電だけでなく、震災後に注目が高まっている新しい自家発電の一つです。
風力発電の初期費用
引用元:FC2
風力発電機のパッケージ製品の費用は、気軽に始められる小型のもので40万円~50万円程度で、大型の上級者向けの製品では180万円程度のものがあります。
機種を選定する際には、自宅でどのくらいの発電量を賄いたい(節電したい)という根拠もそうですが、日本国内においてはもう一つ“台風時の対策がされている機器を選定すること”が重要です。
海外とは違い、日本は大雨や台風、さらには地震などの自然災害が多い国でもありますので、暴風下ではストール運転(失速制御)が行われるものや、ブレードの回転数がある一定を超えると自動的に停止モードが作動しストップするなどの機能をもつ製品がありますので、比較検討してみるのがポイントです。
まとめ
以上、節電・節約を考える場合、以前は電気の無駄使いを減らす生活習慣の工夫に目が向けられており、その後は電化製品の電気代削減(性能向上)が重要視されてきました。
各種技術の進歩が進んできたこともあり、家庭での自家発電が節電・節約の大きな対策の一つとして注目が集まっています。
今後もさらなる進歩が期待されますが、いずれにしても自分の生活において本当に必要なのか・昼間家にいないなどの生活を考えて、自分に合った節電を無理なく行えることが理想的ですね。