効果的に節電するための電気ストーブの5つの選び方

日々の電気代を抑えるためには、家電の使い方だけではなく選び方も重要です。できるだけ省エネ家電をうまく選ぶことで、同じように使っていても節電率はかなり上がります。
省エネな電気ストーブも続々と登場し、電気ストーブの種類も増えていますが選び方を間違えると失敗します。特に最近は電気ストーブの種類が増えているので、選び方に気をつけなければいけません。ここでは、節電のための省エネな電気ストーブの選び方をご紹介します。
電気ストーブの選び方 まずは「用途と部屋の広さ」から!
省エネで節電できる電気ストーブを選ぶ前に、用途に合う電気ストーブを選ぶことが大切です。電気ストーブの温め方や用途、適正場所は次の2つに分かれます。
⇒ガスファンヒーターのガス代はいくら?エアコンの電気代と石油ストーブと比較してみた!
局所的に温めるタイプ
ニクロム線電気ストーブ |
ハロゲンヒーター |
小さなセラミックファンヒーター |
用途 |
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足元だけ暖めたい |
トイレをするときだけ使いたい |
キッチンに立つときだけ使いたい |
適正場所 |
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狭い部屋(トイレ、洗面所など) |
全体的に温めるタイプ
カーボンヒーター |
グラファイトヒーター |
シーズヒーター |
セラミックファンヒーター |
用途 |
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リビングで使いたい |
4.5畳以上の部屋で使いたい |
適正場所 |
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4.5畳以上の部屋(リビングなど) |
自分の用途は
- 局所的に暖めたいのか?
- 全体的に暖めたいのか?
まずはそれを決めてから電気ストーブを選ぶと無駄な電力を使わずに済みます。
省エネストーブの選び方 4つのポイント
電気ストーブを用途から見極めた上で知っていただきたい「省エネ電気ストーブの選び方、抑えておきたい4つのポイント」をご紹介します。
熱効率に注目する
熱効率が高い電気ストーブは効率よく電気を使って発熱するため、消費電力が低いので節電につながります。
熱効率が良い電気ストーブ |
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カーボンヒーター |
グラファイトヒーター |
シーズヒーター |
この3種類の電気ストーブの発熱には遠赤外線が使われており、発熱後に遠くまで赤外線が届くため、電力をあまり使わずに効率的に暖めることができます。
ハロゲンヒーターは遠赤外線ではなく近赤外線なので、赤外線が近距離にしか届かないため電力消費量が高いです。
ニクロム線電気ストーブは最も電力消費量が高く、局部的にしか暖められないので省エネ電気ストーブとしてはおすすめできません。
パワー調節に注目する
ワット数を細かく調節できる電気ストーブは細かくパワーを変えられるため、できるだけ無駄な電力使用を抑えられます。
電気ストーブの価格は、ワット数調節の段階数や便利機能の数などで大きく変わります。安易に安いだけの電気ストーブを買ってしまうとワット数の調節があまりできなかったり、他の便利な機能もないため余計に電気代がかかってしまう恐れがあります。
ワット数の調節機能は安い電気ストーブでは2段階、普通の電気ストーブでは3段階〜5段階、高機能の電気ストーブでは10段階もあります。
電気ストーブを使う時間が長い方は、ワット数の調節機能が高いものを選べば長時間の使用でもうまく節電できます。
人感センサーに注目する
※人感センサーとは
人がいることを感知したときにだけ温めてくれるセンサー機能のことです。
人感センサーがあれば、消し忘れもなく省エネにつながります。例えばキッチンに立つときだけ電気ストーブを使う場合、人感センサーつきなら他の用事を思い出してキッチンから移動しても勝手に電源オフになるので安心です。
ゆらぎ運転に注目する
最近の電気ストーブは、とても賢くなりました。人間の体感温度を察知して温め調節をする、ゆらぎ運動が省エネ機能として付いています。
「ゆらぎ運動」により最大で50%もの電力をカットできます。
できるだけ無駄な電力を削るためにも電気ストーブは、ゆらぎ運動」機能が付いているものを選びましょう。暖まりすぎを防ぐためにも便利です。
電気ストーブの電気代ってどのくらい?
一般的な家庭の電気料金では、1kWhは27円が目安です。
=「1Wは27円÷1000で0.027円」(1時間あたりの電気代)
=「1600Wの電気ストーブを1時間使うと0.027円×1600Wで43.2円」になります。
しかし、ここで勘違いをしないでください。単純に計算すればW数が低ければ、それだけ電気代がかからないように思えますがそうではありません。
遠赤外線のように暖房力が持続し広範囲を暖めてくれるものは熱効率が良いため、結果的に少ないW数で使えることになります=電気代も少なく済む=省エネになるということです。
⇒ストーブの電気代を計算してみた!
電気ストーブの3タイプ
電気ストーブは、電力を使って部屋や体を暖めてくれるものです。電気ストーブの種類は昔と違って、たくさんあります。大きく分けると、次のような3タイプがあります。
温風あり電気ストーブ
温風が出るヒータータイプの電気ストーブです。灯油ファンヒーターやガスファンヒーターと構造は似ていますが、電気ファンヒーターは電力で温めた風を送る構造になっています。例えば、セラミックファンヒーターのような電気ストーブです。
温風なし電気ストーブ
温風機能はなく、小範囲を暖める効果があるタイプです。ニクロム線電気ストーブが、それに当たります。
輻射熱(ふくしゃねつ)電気ストーブ
赤外線の放射熱で、部屋全体をじんわり温めるタイプの電気ストーブです。部分的な暖めもできますが、その場の空気をじんわり暖める効果があります。ハロゲンヒーターやカーボンヒーター、グラファイトヒーター、シーズヒーターがそれに当たります。
電気ストーブは、タイプ別に特徴があります。用途に応じてタイプを使い分けると無駄な電力をカットでき、節電になります。用途に合う電気ストーブを購入するために、各タイプの電気ストーブの特徴を掴んでおくことが大事です。
電気ストーブの種類と特徴

よく知られている電気ストーブは、全部で6種類あります。ここで6種類の電気ストーブの特徴を、ご紹介します。
ニクロム線電気ストーブ
ニクロム線電気ストーブは、昔ながらの電気ストーブのことです。ニクロム線という発熱材料を石英菅で覆ったもので、暖められる構造になっています。
※ニクロム線とは
ニッケルとクロムという発熱材料で作られた合金の抵抗線です。
※ニクロム線を覆う石英管とは
二酸化ケイ素で作ったガラス管です。
ニクロム線電気ストーブ特徴 まとめ |
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部分的な暖めに相応しい(足元だけを温めるなど) |
相場価格は3,000円代〜 |
長時間使うほどに電気代がかかる(部分的な温めに適正=暖房力があまりない為) |
ハロゲンヒーター
ハロゲンヒーターは、扇風機のような形をしたものが有名なハロゲンランプの放射熱で暖める電気ストーブです。最近では縦に長い形状のものや、首振りで広範囲を温められるものもあります。基本的には部分的な暖めに使われる電気ストーブです。
※ハロゲンランプとは
電球の中の不活性ガスにハロゲンガスを注入して発熱する明るいランプです。
ハロゲンヒーター特徴 まとめ |
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相場価格は6,000円程度 |
近赤外線なので暖まりにくい=消費電力が高い=電気代がかかる |
カーボンヒーター
カーボンヒーターはハロゲンヒーターよりも省エネなのに体の芯まで温めてくれます。
※カーボンとは
炭素棒のことです。カーボンに電気を流すことで遠赤外線の熱を放射して部分的に暖めてくれます。
※赤外線とは
目には見えない電磁波のことで何種類かあります。その中のひとつ遠赤外線は、遠くまで届く電磁波のことを言います。
カーボンヒーター特徴 まとめ |
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相場価格は10,000円程度 |
遠赤外線なので暖まりやすい=消費電力も低い=電気代が安い=省エネ! |
グラファイトヒーター
グラファイトヒーターとは、ポリイミドという黒鉛を発熱体に放熱する赤外線電気ストーブです。電源を入れてからすぐに暖まるので、帰宅後にすぐに暖まりたいときに便利な電気ストーブです。
※ポリイミドとは
航空や宇宙開発に使われる高分子フィルムの素材鉱物です。鉱物は電気をよく通すのでグラファイトヒーターも立ち上がりが早く、すぐに暖まります。
グラファイトヒーター特徴 まとめ |
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暖まりが早い |
すごく省エネではないが「中」や「弱」で使えば電気代を抑えられる |
相場価格は10,000~15,000円程度 |
シーズヒーター
シーズヒーターは、特殊な金属管で覆われたニクロム線とマグネシウム化合物などが発熱体となっています。石英管で覆われた発熱体のニクロム線電気ストーブよりも耐久性があり、安全に使える電気ストーブです。
シーズヒーター特徴 まとめ |
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相場価格は12000円程度 |
遠赤外線の熱放出量で暖かさが持続する=広い部屋で長時間使っても消費電力が少ない=電気代が少ない=省エネな電気ストーブ |
セラミックファンヒーター
セラミックファンヒーターは灯油ファンヒーターやガスファンヒーターと似た、温風で温める電気ストーブです。
セラミックに電気を流して発熱して空気を暖め、ファンで温風として送り出します。電源を入れるとすぐに暖まるので便利ですが、灯油ファンヒーターやガスファンヒーターに比べると暖房力が弱いです。
⇒ガスストーブ(ガスファンヒーター)のおすすめガス代節約方法!!
セラミックファンヒーター特徴 まとめ |
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相場価格は7000円〜10000円程度 |
4畳半程度の小さめの部屋しか暖められない=暖房力があまりない=長時間使っていると電気代がかかる |
狭い部屋で一時的に使う電気ストーブとしては最適 |
このようによく知られている電気ストーブだけでも6種類もあり、それぞれに特徴を持っています。それぞれの電気ストーブの電気代は、表示されているW数によって決まります。
まとめ
いかがでしたか?
「省エネ」という言葉や、単純な「W数」「商品価格」だけを見て購入してしまうと、毎月の電気代が高くなる恐れがあります。
省エネの電気ストーブを選ぶときは…
- 用途
- 部屋の広さとの関係
- 暖房力
- 機能力
をポイントに判断することが重要です。
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