従量制電気料金の計算方法と契約プランを見直そう!

電気料金の従量制とは、電気料金のうち、その月にどれだけ電気を使用したかによって算定される形態の事を示しています。
日本においては、一般家庭のほとんどがこの「従量制」に従う電気料金プランを契約しています。
従量制料金を採用している場合、現在の料金プランを理解し、自分の家庭にあわせて料金プランを見直すことで今よりも電気料金を安くすることができます。
従量制電気料金の計算方法
電気料金を見直す前に、まずは従量制電気料金の基本の計算方法についてご説明します。
電気代の計算方法を理解することで、現在、自分の料金プランや支払っている電気料金が適切な金額なのかを知り見直すきっかけとします。
従量制電気料金の計算式
電気料金の計算式は、簡単に表記すると以下の4項目の合計になります。
電気料金(従量制)=基本料金+電力使用量料金+(燃料調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金)
ここで、電気料金の見直しにより変動するのは、基本料金と電力使用量料金の2つの料金です。次からは、それぞれの料金の説明をしていきますね。
基本料金とは
基本料金は、電気料金プランによって決まる毎月一定の金額徴収される料金の事です。
電力会社ごとにその方式は異なりますが、アンペア制、最低料金制の2種類が主流です。
ひと月あたりの基本料金 | 料金単価(円/税込) |
---|---|
契約電流10A | 280.80 |
契約電流15A | 421.20 |
契約電流20A | 561.60 |
契約電流30A | 842.40 |
契約電流40A | 1,123.20 |
契約電流50A | 1,404.00 |
契約電流60A | 1,684.80 |
アンペア制とは、一度に家庭内(もしくは施設内)で何アンペアまで使用できるかによって基本料金が設定されている方式で、契約するアンペア数が多ければ多いほど料金は高くなります。
中部電力で契約数が多い「従量電灯B」の基本料金を例に挙げると、以下のようになります。
最低料金制とは、何アンペア使用したかは全く関係なく、基準の電気量までの使用量が一定で、それを超過した場合は従量制に従った電気料金が徴収される方式です。
電力使用量料金とは
電力使用量料金とは、使用した電気量によって料金が上がっていく電気料金(従量制料金)の事で、こちらも料金プランにより異なります。
従量制の電気料金の場合、電気の使用量が何kWhかによって1kWhあたりの電気料金が変動します。
電気代を節約して安くなるのは、この電力使用量料金が安くなるためです。
具体的な例を挙げて説明しますと、ある電力会社の従量制電気料金プランが下記のように設定されているとします。
電気使用量 | 電気料金 |
---|---|
1~150kWh | 20円/kWh |
150~300kWh | 25円/kWh |
300kWh~ | 30円/kWh |
この場合、一か月間に500kWhの電気を使用したとすると、電力使用量料金の計算は以下の通りです。
150kWh×20円+150kWh(300kWh-150kWh)×25円+200kWh (500kWh-300 kWh)×30円 = 12,750円
ふつう、何かサービスや商品はたくさん購入すればするほど単価が安くなるものですが、従量制の電気料金はその逆に、使えば使うほど単位当たりの電気料金が上がる仕組みになっています。
つまり、電気料金は電気の使用量を減らせば減らすほど、単価も合計料金も安くできるという事ですね。
燃料費調整額とは
燃料調整額とは、電力会社が毎月使用する燃料費によって料金が上下する金額で、電気料金には、燃料費調整単価に使用量をかけたものが反映されます。
燃料費調整単価の算出方法は複雑なため、ここでは割愛いたしますが、燃料費調整単価について簡単に説明いたしますと、電力会社が毎月電気を作るのに必要な燃料(原油、天然ガス、石炭など)の変動する価格にあわせて毎月変わる料金のことです。
この料金は、従量制電気料金を採用したプランであっても、電気量にかかわらず単価は一定で加算されます。(基準となる燃料費よりも安かった場合には、そのぶん料金が差し引かれることもあります)
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは
この料金は、平成24年7月より実施されている「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」という国から定められた制度により、加算されているものです。
再生可能エネルギーを一般家庭などから買い取る際に必要な費用を、電気料金の支払いをしている方々にも負担してもらおう、という考え方に基づいて徴収されており、平成27年5月の電気料金からは、使用した電気の量(kWh)×1.58円が、再生可能エネルギー発電促進賦課金として加算されます。
これは、どの電力会社から電気を購入していても同じように負担が発生します。
従量制電気料金を安くするためにはどうしたら良いの?
ここまでで、電気料金のしくみや内訳をだいたい理解して頂けたかと思いますが、ここからは、どうすれば従量制料金を安くできるかについてフォーカスしていきます。
契約メニューの見直しで電気料金節約に
電気料金を見直し、安くするためのチェック項目として、まず知っておきたいのが、以下の3点です。
- 一度に最大何アンペアの電気を使用するか
- 家庭全体で一か月間にどれだけの電気を使用しているか
- 特に、どの時間帯での使用量が多いのか
これらを把握することで、家庭の使用状況にあわせた一番安い電気料金プランを選択することが出来ます。
基本料金の見直し
まず見直したいのが、固定で毎月必ず支払う必要がある「基本料金」です。
頻繁にブレーカーが落ちたりする場合には、契約しているアンペア数が足りないことは明らかですから見直しする必要はありませんが、そうでない場合は、家庭にある家電製品それぞれが使う電力量のうち、一度に使う可能性がある家電製品の電力量合計を算出することで、大体どれ位のアンペア数で契約すればよいかが見えてきます。
通常、家電製品の使用電気量はw(ワット)で表記されているものがほとんどですので、1w=0.01A、つまり100w=1Aで計算することができます。
なんとなくの必要アンペア数を知りたい方のために、w数の大きい家電の使用電力の目安をいくつか記載しておきます。
家電種類 | アンペア数 |
---|---|
エアコン | 6.0~7.0A |
掃除機 | 2~10A |
洗濯機 | 13A |
電子レンジ | 15A |
IHクッキングヒーター(100V) | 14A |
オール電化の家庭なんかでは、これらを全て同時に使う事や、それ以上にドライヤーや湯沸かし器を使用する事も考えられますよね。
電気料金プランが10A刻みで契約する会社もあるなかで、家電製品の電力消費量が意外と多いなと感じたのではないでしょうか。
しかし、一度に使用する電気量を考えていては、きりがないと思いますので重要なのは日常で毎日使う電気量を想定することが一番です。
一時的に多くの電気を使用する場面があったとしても、その際にどうしてもその時につける必要のある家電を選択して使うようにすれば、契約するアンペア数を減らすことが出来ます。
電力会社によりますが、契約アンペア数によっては基本料金が1000円以上変わることもありますので、しっかりと必要なアンペア数を把握し、基本の電気料金プランを決めることが大切ですね。
契約プランによって電気料金が大幅に安くなる
従量制電気料金を安くするには、電気料金プランのうち、自分の家庭が最も多く電気を利用する時間帯の従量制電気料金が安いプランに変更することが一番簡単な方法であると言えます。
例えば、日中は家庭に誰もいない状況で、夜に帰ってきてから家事をするか、洗濯物などは土日にまとめてするタイプのご家庭が契約している電力会社A社の従量制電気料金プランが以下のようであったとします。
プラン別特徴 | |
---|---|
A | 従量制電気料金標準プラン(24時間電気料金単価固定) |
B | 朝の電気料金が安いプラン |
C | 夜の電気料金が安いプラン |
D | 土、日曜日の電気料金が安いプラン |
この場合、従来の料金
プランのまま変更しない場合はAのプランとなり、24時間どの時間帯に電気を使用しても同じですが、家庭の生活パターンを見直し、CもしくはDのプランを選択することで、より安くより賢い選択ができますね。(細かな電気料金やプランは各社により大幅に異なるので、さらにタイナビスイッチでシミュレーションして最も適切なプランを選択することが必要です)
電気料金を見直して、賢い消費者になろう
電気料金は、毎日必ずかかってくる費用であるにも関わらず、その料金の仕組みや、従量制電気料金という言葉を今回初めて知った、という方も多くいらっしゃると思います。
これからの電気料金は、電力自由化に伴い、消費者にとって多くのメリットがあるプランやそれらを提供する電力会社が多く登場しますが、その中で自分にピッタリの電気料金プランを選択するためには、まず電気料金の現状を「知る」事が非常に大切になってきます。
電気料金に対する正しい知識を持っていれば、新しいサービスや会社が出てきたときにも素早く柔軟に対応し、「賢い選択」をすることが可能になってきますので、従量制電気料金についてしっかりと理解し、これからの選択に役立てて下さいね。
プランだけでなく電力会社も見直しを!
自分が契約しているプランや契約容量が本当に適しているのかということを分析することは、電気料金の節約において非常に重要です。しかし電力自由化が開始された今なら、電力会社の変更という選択肢も視野に入れるべきでしょう。タイナビスイッチならどの電力会社があなたにとって一番お得なのか、簡単に診断できます。